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残業って当たり前?「おかしい」と感じたときの対策と相談先

更新日:2026年07月01日
公開日:2026年07月01日
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残業って当たり前?「おかしい」と感じたときの対策と相談先

残業するのは当たり前という意識が染みつき、長時間残業することにもあまり抵抗がなくなっている方もいるでしょう。しかし長時間の残業は、心身の健康を害するリスクがあるため、注意が必要です。

労働者の残業については、労働基準法によって制限が設けられています。会社から過度な残業を指示されている場合は、労働基準法違反の状態が生じているかもしれません。

本コラムでは、残業は当たり前ではないと知ってもらうために、残業に関する労働基準法のルール、過度な残業から抜け出すための対策などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、「残業が当たり前!」という会社の風潮は、法的には通じない

長時間残業が毎日のように続き、残業するのが当たり前だという風潮がまかり通っている会社がいまだにあるようです。

しかし法律上、会社が従業員に残業を指示することは決して当たり前ではありません
労働基準法によって、労働者に対する残業の指示は厳しく規制されているからです。

罰則
労働基準法の規制に違反する残業を労働者に指示した者は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処される可能性があります(労働基準法第119条第1号)。
また、法人(会社)に対しても30万円以下の罰金が科されることがあります(同法第121条)。

過度な残業の指示を受けて悩んでいる方は、労働基準法のルールを踏まえつつ、その状況から抜け出すための準備を進めることが重要です。

2、残業が当たり前の職場は危険! 過労死のリスクも

残業が当たり前の職場で働く方は、気づかないうちにさまざまなリスクを負っています。
特に健康に害を及ぼす重大なリスクがあるほか、職場において違法行為が横行しがちである点にも注意が必要です。

  1. (1)残業が当たり前の職場における労働者の健康リスク

    残業が当たり前の状況になると、労働者の心身に悪影響が生じるリスクが高まります。
    特に長時間労働は、脳・心臓疾患やうつ病などの精神障害の原因になり得ることで知られている問題です。

    長時間労働による労災認定のデータ
    厚生労働省が公表する「過労死等の労災補償状況」によれば、令和6年度には、業務上の原因によって脳・心臓疾患を発症したものとして241件の労災認定がなされました。
    そのうち、213件は月60時間以上の時間外労働が認められました。
    また、うち1件についても、月45時間以上の時間外労働が認められています。残りの27件は、短期間の間の過重業務があったこと等を踏まえて労災認定がされたようです。

    また令和6年度には、業務上の原因によって精神障害を発症したものとして1055件の労災認定がなされました。そのうち自殺に至ったものは88件で、さらにそのうち半数近くの43件で月平均80時間以上の時間外労働が認められています。

    これらのデータからは、長時間労働がもたらす健康リスクが重大なものであることがうかがえます。

    長時間の残業が原因で健康を害すると、回復するまでに時間がかかるうえに、後遺症をもたらしてしまうケースもあります。
    また、長期間にわたって休職が続くと、転職する際にも不利に働くかもしれません。

    健康リスクは、残業が当たり前の職場で働く方にとってもっとも気を付けるべきポイントと言えるでしょう。

  2. (2)残業が当たり前の職場で横行しがちな違法行為

    健康リスクのほかにも、長時間の残業が当たり前になっている職場では「法律を守ろう」という意識が薄く、さまざまな違法行為が横行しがちです。

    特に多く見られるのが、残業代の未払いです。
    長時間残業をしているにもかかわらず、ほとんど残業代が支払われないというケース(いわゆるサービス残業)がよく見られます。
    また、セクハラやパワハラなどのハラスメントが行われがちである点も、残業が当たり前の職場に見られる傾向のひとつです。

    このように、残業が当たり前の職場で働いている方は、気づかないうちにさまざまなリスクにさらされています。

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3、残業の基本ルール。労働基準法の原則を知ろう

労働者の健康を守るため、労働基準法では労働時間に関する規制が設けられています。
長時間の残業に苦しんでいる人は、その状況から抜け出す対策を立てるため、まずは労働基準法の基本的なルールを知っておきましょう。

  1. (1)上限は1日8時間・1週40時間まで(法定労働時間)

    労働基準法では、法定労働時間が定められています。

    法定労働時間とは?
    法定労働時間とは、原則的な労働時間の上限です。
    法定労働時間は原則として、1日当たり8時間・1週当たり40時間とされています(労働基準法第32条)。
    所定労働時間と法定労働時間 所定労働時間:会社のルール(就業規則等)で定められている労働時間のこと 上限:法定労働時間(1日8時間、週40時間)の範囲内で、企業が自由に設定 働きかたのイメージ 3時間 1時間休憩 4時間 9時始業 17時終業 うちの会社の所定労働時間は7時間だから働きやすい 法定労働時間:法律(労働基準法)で定められた労働時間の上限のこと 上限:法定労働時間(1日8時間、週40時間)の範囲内で、企業が自由に設定 原則として1日8時間、週40時間まで 働きかたのイメージ 3時間 1時間休憩 5時間 9時始業 18時終業 1日の労働時間の上限は8時間まで これ以上、働かせるのは原則NG!

    連日残業をしている人は、まず法定労働時間を超えているかどうかをチェックしてください。
    後述する36協定を締結していない限り、会社は労働者に対して法定労働時間を超える残業(=時間外労働)を指示することができません。

  2. (2)時間外労働が認められるのは、36協定の範囲内のみ

    会社が事業場ごとに、労働組合または労働者の過半数代表者と36協定を締結していれば、法定労働時間を超える残業(=時間外労働)を労働者に指示することが可能です(労働基準法第36条第1項)。

    36協定の上限 会社がこのルールを守らず残業させると違法! 残業時間・休日労働の上限のイメージ 36協定:残業時間・休日労働の上限(原則) ・月45時間以内 ・年間360時間以内 1日あたり2時間程度の残業 36協定(特別条項付き):残業時間・休日労働の上限(例外) ・年間6ヶ月まで ・年間720時間以内 ・月100時間未満(※休日労働を含む) ・複数月平均80時間未満(※休日労働を含む) 1日あたり4時間程度の残業 臨時的な特別の事情がある場合に限りOK 法定労働時間:労働基準法 労働時間の基本ルール 原則として1日8時間、週40時間まで

    ただし、時間外労働の指示が認められるのは、36協定で定められたルールの範囲内に限られます。36協定を締結していても、普段は時間外労働が「月45時間・年360時間」を超えてはいけません(同条第3項・第4項)。

  3. (3)36協定に特別条項を定めた場合でも、無制限の残業はNG!

    36協定に特別条項を定めれば、通常予見できない業務量の大幅な増加などに伴い、臨時的に必要な場合に限り、上記の限度時間を超える時間外労働を指示することができます

    ただし、その場合も以下のルールを守らなければなりません。

    • 1か月の時間外労働と休日労働の合計時間数が100時間未満
    • 2~6か月間における時間外労働と休日労働の平均合計時間数が月80時間以下
    • 1年の時間外労働の時間数が720時間以内
    • 限度時間を超過する月数が6か月以内

    36協定および労働基準法によって定まる上限を超えて、会社が労働者に時間外労働を指示することは違法です。

4、無料診断! 残業代チェッカーで簡単チェック!

ベリーベスト法律事務所では、簡単な質問に答えるだけで、会社に請求できる残業代の目安額が分かる残業代チェッカーを無料公開しています。
長時間の残業に悩んでいて、正しく残業代が支払われていないのではないかと疑問をお持ちの方は、残業代チェッカーをご利用ください。

また、残業代の計算方法や請求方法、未払い残業代に関する弁護士と労働基準監督署の役割の違いなどは以下のページで解説しています。本記事と併せてご参照ください。

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5、「残業は当たり前!」を変えるためにできること

残業するのが当たり前の職場で働き続けていると、健康を害するリスクがどんどん高まってしまいます。
早くその状況から脱却するため、弁護士への相談を含めた対策を進めていきましょう。

  1. (1)労働者が自分でできる対策

    残業が当たり前の日々から抜け出すための対策としては、以下の例が挙げられます。

    ① 残業の実態を記録する
    タイムカードや勤怠管理システムの記録、PCログ、業務日誌などの証拠を確保し、残業の実態を証明できるようにしておきます。

    ② 36協定の有無や内容を確認する
    実際の残業時間が労働基準法に違反しているのかどうかを判断するには、36協定の有無や内容を確認することが必要です。

    ③ 上司に相談する
    残業が辛いことや、労働基準法違反の疑いがあることなどを伝えて、負担軽減・環境改善を求めます。

    ④ 労働組合に相談する
    職場に労働組合がある場合は、労働組合を通じて残業の軽減を申し入れてもらうのも選択肢のひとつです。労働者側の団結的な行動が、違法残業の是正につながるケースもあります。

    ⑤ 労働基準監督署に相談する
    会社による労働基準法違反の情報を労働基準監督署に伝えると、立ち入り調査や是正勧告などを行ってもらえることがあります。
    また労働基準監督署では、労災認定の申請も受け付けています。

    労働基準監督署とは 労働基準監督署の役割 厚生労働省の出先機関として、労働基準法・労働安全衛生法などの労働関係に関する法令を守らない企業を取り締まるための機関 全国で管轄する企業の監督や労災の手続きなどを行う【メリット】無料で相談できる【デメリット】個人的な労働トラブルには対応できない 相談しても対応してもらえないことも 労働基準法違反をしている会社を取り締まり、行政指導を行うことが、労働基準監督署の本来の役割なので、残業代請求・不当解雇・ハラスメントなど、個人的な労働問題を相談しても代わりに解決してくれるわけではありません ベリーベスト法律事務所

    ⑥ 休職する
    心身の不調を感じている場合は、一時的に休職することも検討しましょう。
    労災の認定を受け、休業補償給付等の対象となれば、休業中は給付基礎日額の60%(+特別支給金20%)が支給され、合計で80%相当が補償されます。

    ⑦ 転職・退職する
    今の職場にいても将来が明るくないと感じるなら、転職や退職も検討しましょう。

  2. (2)残業が当たり前の環境が苦しいときは、弁護士に相談を!

    残業に苦しむ日々から抜け出すためには、弁護士への相談が有力な解決策となります。

    弁護士に依頼するメリット 手間やストレスを減らせる!:面倒な手続きや会社側との交渉を自分の代わりに、ほぼ全て任せることが可能 会社から支払われる金額が多くなるかも!:残業代・和解金・慰謝料等が多く得られる可能性がある 弁護士のサポートで、交渉から手続きまで安心!:解決策がみつかる 証拠資料を法的に判断 証拠がない場合、集め方をアドバイス 会社はいい加減な対応ができなくなる 弁護士が代理人として会社と交渉 労働審判、訴訟(裁判)をサポート

    弁護士に相談すれば、今の残業の状況が違法かどうかについて、法的な観点から正しく判断してもらうことが可能です。
    また、正式に依頼すれば、会社に対する是正の要求や未払い残業代請求、退職代行などのサポートを受けることができます。

    自分の働いている状況が本当に当たり前なのか、客観的かつ専門的な観点でアドバイスを受けられる点も、弁護士に相談するメリットのひとつと言えるでしょう。

    特に連日長時間の残業で疲弊していると、自分でも気づかないうちに視野が狭くなってしまいがちです。弁護士と話をしてみることが、視野が開けるきっかけになるかもしれません。

    もしも今までの残業代を貰っていない場合は、本来支払われるべき正当な残業代を請求した上で転職し、職場環境を変えるのも選択肢の1つです。

    ぜひお気軽に弁護士へご相談ください。

6、まとめ

残業が当たり前という労働環境は、古い体質や文化などの影響で、依然として一部の企業に残っています。

「上司の残業指示を断り切れない」
「まだ残っている同僚に悪いので帰れない」
といった状況にある方は、長時間残業がもたらす健康リスクなどに十分注意しなければなりません。

連日の長時間残業に苦しんでいる方は、自分だけで悩みを抱え込まず、弁護士に相談することも選択肢として考えてみるとよいでしょう。

弁護士に相談すれば、会社に対する是正の要求や未払い残業代請求、退職などの選択肢を幅広く検討することができます。また、証拠の集め方からアドバイスを受けることも可能です。

ベリーベスト法律事務所は、長時間残業に関するご相談を随時受け付けておりますので、どなたでもお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
残業代請求、不当解雇・退職勧奨、同一労働同一賃金、退職サポート、労働災害、労働条件・ハラスメントに関するトラブルなど、幅広く労働者のお悩み解決をサポートします。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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