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残業代請求の弁護士コラム

休日出勤は割増賃金? 割増率と残業扱いになるケースを解説

2024年02月13日
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休日出勤は割増賃金? 割増率と残業扱いになるケースを解説

厚生労働省ホームページに掲載されている「毎月勤労統計調査 令和5年分結果速報」によると、令和5年の所定外労働時間は10時間であり、令和4年より0.9%減少しました。

所定外労働時間は少なくなっていますが、月末や期末などの繁忙期には、土曜日や日曜日などの休日に出勤して仕事をする方もいらっしゃるでしょう。

しかし、休日出勤した場合の残業代に関する法的根拠や計算方法について、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、休日出勤の残業代をテーマに、法的根拠や計算方法、残業扱いとなる休日出勤はどのようなケースなのかなどについて、わかりやすく解説いたします。祝日に出勤した場合やフレックスタイム制の場合はどうなるのかもあわせて確認しましょう。

出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/23cp/dl/pdf23cp.pdf)

1、法定休日と法定外休日とは 

  1. (1)法定休日と法定外休日の違い

    休日とは、就業規則や雇用契約書で定められた労働義務がない日のことです。
    労働基準法で定められた法定休日と、会社が定める法定外休日2種類があります。

    労働基準法第35条では、会社は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日、または、4週間を通じて4日の休日を与えなければならない旨を規定しています。

    会社は、1日8時間(労働基準法第32条第2項)・週40時間(労働基準法第32条第1項)以内の法定労働時間を考慮しながら、どの日を休日とするか、またその日数や所定労働時間などを決めます。
    ただし、飲食店等の一定の業種では、常時雇用する労働者が10名未満の場合、週の法定労働時間は、44時間となります(労働基準法施行規則第25条の2第1項)。

    所定労働時間を超えた労働には残業代が、さらに法定労働時間を超えた分については割増率を加味した残業代が支払われます。
    割増率は、法定休日は35%、法定外休日は1日8時間・週40時間を超えた場合に25%が適用されます。

    たとえば、下記のようなケースにおいての残業代の計算方法は次のとおりです。

    法定外休日の出勤
    法定内労働時間×1時間あたりの賃金+法定外労働時間×1時間あたりの賃金×1.25
    法定休日の出勤
    労働時間×1時間あたりの賃金×1.35
    定外休日に深夜労働した場合
    深夜労働時間×1時間あたりの賃金×1.5(25%+25%)
    法定休日に深夜労働した場合
    深夜労働時間×1時間あたりの賃金×1.6(35%+25%)
  2. (2)代休と振替休日のちがい

    休日出勤した場合、別の日に休むことがあります。振替休日または代休といいますが、この2つには次のような違いがあります。

    ① 振替休日
    振替休日は、休日出勤をする「前」に振り替える休日が決定されます。代休は休日出勤をした「後」に、別の日に休むことが決定されます。
    振替休日は、休日に働いても休日出勤扱いにはなりません。
    ただし、同じ週に休日をとれないなどの事情で週40時間の法定労働時間を超えていれば、「法定外労働時間×1時間あたりの賃金×1.25」の残業代が発生します。

    ② 代休
    一方、代休の場合は休日出勤扱いになります。
    法定休日の場合「労働時間×1時間あたりの賃金×1.35」の残業代が発生し、法定外休日の場合、週40時間を超えているときは、「法定外労働時間×1時間あたりの賃金×1.25」の残業代が発生します。

    もっとも、代休を取得した場合には、就業規則等に定めてある代休を取得した場合に関する賃金の清算規定に従って、代休日の賃金が決まります。
    清算規定に、代休日を無給とすると規定されている場合には、代休日の賃金と休日労働分の賃金とが差し引きされ、結果として、35%または25%の割増部分の賃金のみを請求できることになります。

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2、祝日に出勤した場合の残業代について 

日本では年間16日程度、国民の祝日があります。土曜日や日曜日の他に、祝日も休日としている会社も少なくありません。
もし、祝日に出勤した場合には、残業代はどのように計算するのでしょうか。

祝日は労働基準法により付与義務が課されていない休日であり、法定休日にあたらないため35%の割増率を適用する必要はありません。

しかし、就業規則雇用契約書において、祝日を休日と定めている場合と定めていない場合では残業代の計算方法が異なります。

  1. (1)祝日を休日と定めている場合

    祝日を休日と定めている場合は、祝日に働いたとしても割増率の適用はなく、割増率の適用なしの残業代が支払われます。
    ただし、就業規則や雇用契約書で祝日にも割増率を適用すると定めている場合は規則や契約が優先されます。
    また、1日8時間または週40時間を超えた労働時間には25%の割増率が適用されます。

  2. (2)祝日を休日と定めていない場合

    祝日を休日と定めていない場合、月給制では祝日に働いた分の賃金は1ヶ月分の基本給に含まれているので、残業代は支給されません。
    ただし、1日の所定労働時間を超えた分については割増率の適用なしの賃金が支給され、法定労働時間を超えた分については「法定外労働時間×1時間あたりの賃金×1.25」の残業代が支給されます。

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3、フレックスタイム制度の場合の休日出勤 

フレックスタイム制度は、予定している業務量などに合わせて、労働者が自由に出社時刻や退社時刻を決めることができる柔軟な制度です。1ヶ月間などの清算期間を定め、働かなければならない総労働時間を決めます(労働基準法第32条の3)。

フレックスタイム制度では、清算期間中の実労働時間が総労働時間を超えた場合には残業代を支払います。
また、実労働時間が法定労働時間を超えた場合、「法定外労働時間×1時間あたりの賃金×1.25」の残業代が支払われます。清算期間中の実労働時間が総労働時間以内であれば、1日8時間・週40時間を超えても残業代は発生しません。

しかし、深夜労働をした場合には割増率の適用対象となります。

フレックスタイム制度でも、法定休日に出勤した場合は、「労働時間×1時間あたりの賃金×1.35」の残業代が発生します。
しかし、法定休日を含めた実労働時間がその月の総労働時間に満たない場合は、そもそも基本給には休日労働分が含まれていますので、「労働時間×1時間あたりの賃金×0.35」の割増分だけ加算すればよいことになります。

他方で、法定外休日に出勤した場合には、割増率を適用する必要はありません。
もっとも、会社によっては、法定外休日にも割増賃金を支給すると定めている場合もあります。その場合は、規定に従うことになります。

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4、残業扱いになる休日出勤とならないケースについて

振替休日や代休を取得しない場合で休日出勤をしたときであっても、休日出勤では残業扱いになるケースとならないケースがあり、それは、会社の指揮命令下に置かれているかという点から判断され、以下の事情等が考慮されます(最判平成12・3・9民集54巻3号801頁三菱重工長崎造船事件)。

  • 参加が義務付けられているか
  • 名目上は強制ではないが、欠席するとペナルティが科せられたり査定で不利になったりすることがあるか
  1. (1)残業扱いとなるケース

    • 業務量過多による出勤(昭25・9・14基収2983号)
    • 休日開催の販売会などの業務
    • 強制的な研修会への参加(昭26・1・20基収2875号)

    強制される研修ではなくても、業務に不可欠な知識や技能習得のための研修は残業とみなされる可能性があります。
    また、下記のようなケースにおいても、残業扱いとなる可能性があります。

    ① 持ち帰り仕事
    休日の前に「月曜日の朝までに仕上げるように」など、上司から暗に持ち帰り仕事を指示された場合も残業扱いとなる可能性があります。

    ② 社内旅行・社内運動会などの社内行事
    不参加者が欠勤扱いとなるなど強制参加の場合は残業となる可能性があります。

  2. (2)残業扱いとならないケース

    ① 接待ゴルフ
    基本的に残業扱いにはなりません。

    ② 休暇中の出勤
    有給休暇や育児休暇など、労働者が申請して取得している休暇中の出勤は残業扱いにはなりません。しかし、年末年始休暇やお盆休暇など会社が設定した休暇は休日となるので、残業扱いとなります。

    ③ 給与に残業代が含まれている
    たとえば、給与に20時間分の残業手当が含まれている場合など、設定されている時間を超えない範囲であれば、追加の残業代は発生しません。

    ④ 一定の労働時間働いたものとみなされている
    裁量労働制や事業場外みなし時間労働制では、実際の労働時間に関わらず、事前に規定された労働時間働いたとものと扱われるため、規定された労働時間分以上の残業代は原則として発生しません。

    ⑤ 管理監督者の出勤
    役員など労働基準法第41条第2号の管理監督者に該当する者の休日出勤は、残業扱いとはなりません。
    しかし、いわゆる名ばかり管理職の場合は、一般の労働者と同様に残業扱いになります。

    ⑥ 出張の移動時間
    出張のための移動中は、原則として残業扱いとなりません。

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5、休日出勤分の残業代請求は弁護士に相談を 

正社員や契約社員、パートといった雇用形態に関係なく、休日出勤に対する残業代が支払われていない場合は会社に対して請求できる可能性があります。
代休を取得した場合も同様です。

しかし、サービス残業代請求と同じく、下記のような証拠を揃えなければなりません。

①労働契約の内容がわかるもの
例:雇用契約書、就業規則、賃金規程など

②休日出勤の残業代未払いであることがわかるもの
例:給与明細

③休日出勤した日や労働時間がわかるもの
例:タイムカード、シフト表、日報、メールやFAXなどの履歴、手帳など

そして、証拠を揃えるだけでなく、雇用契約書や就業規則の内容について確認し、所定外および法定外労働時間を集計して、残業代を算出しなければなりません。
そのためには、労働基準法などについての正しい知識が必要です。

在職中か退職後かにかかわらず、労働者が会社と直接交渉して未払いを認めてもらうことはなかなか難しいものです。

しかし、弁護士に相談すれば、証拠集めをスムーズに行い、未払い残業代を正確に計算し、法的根拠と証拠にもとづいて、有利に交渉を進めて解決を図ることが可能です。

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6、まとめ

今回は、休日出勤した場合の残業代についてご紹介しました。
未払い残業代には、時効があります。サービス残業やサービス休日出勤をしている方は、早い段階で弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士が証拠を集め、法的根拠にもとづいて会社と交渉すれば、未払い残業代を支払ってもらえる可能性が高くなります。

未払い残業代の請求でお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所までご連絡ください。
実績豊富な弁護士が全力でサポートします。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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