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残業が15分単位で切り捨てられた! 違法? 残業代を請求する方法は?

更新日:2026年06月17日
公開日:2026年06月17日
  • 残業代請求

残業が15分単位で切り捨てられた! 違法? 残業代を請求する方法は?

「残業は15分単位で切り捨てる」というルールを会社から言われた経験はありませんか?

労働基準法では労働時間は、1分単位で管理し、賃金もその分を支払うのが原則です。会社が独自に「15分単位で切り捨てる」といったルールを設けている場合、労働者に不利益が生じるのであれば、違法と判断される可能性があります。

ただし、一部例外的に「端数処理」が認められるケースもありますので、ご自身のケースが違法な扱いであるかを判断するためにも正確な知識を身につけておくことが大切です。

今回は、残業時間を15分単位で切り捨てることの違法性、例外的に認められるケース、未払い残業代を請求するための具体的な流れをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、残業時間を15分単位で切り捨てるのは違法?

会社から「残業は15分単位で計算するから、10分だけ残業しても残業代は出ない」と言われた経験がある方もいると思います。

たとえば、定時が18時の会社で、実際には18時10分まで働いたとしても「15分に満たないから残業ゼロ」と扱われてしまうようなケースです。
これでは働いた分の時間が無視されてしまい、不公平に感じる方も多いでしょう。
いくら少しの時間でも、実際に働いた分の残業代が支払われないのは納得できないでしょう。

以下では、残業時間を15分単位で切り捨てる処理が法律的に問題ないのかをみていきましょう。

  1. (1)残業時間は「1分単位」で計算するのが基本

    たとえば、18時定時の会社で18時5分まで働いた場合、本来であれば5分に相当する残業代を会社側は労働者に対して支払う必要があります
    しかし、「15分未満は切り捨て」といったルールを会社が設けていると、この5分は無視され、残業代は支払われません。

    労働基準法24条では「賃金全額払いの原則」を定めて、労働者が実際に働いた時間に応じて賃金を支払うことを使用者に義務づけています。

    つまり、労働時間は「1分単位」でカウントし、その分の残業代を支払うのが原則です。
    本来であれば、上記の「5分」も、残業代は支払われる必要があります

  2. (2)15分単位・30分単位での切り捨ては労働者に不利益が生じているなら違法

    実際に会社が15分単位や30分単位で残業時間を計算しているケースも見られます。
    しかし、この方法は違法と判断される可能性が高いです。

    たとえば、毎日10分程度の残業が切り捨てられると、1か月で数時間分の残業代が未払いになってしまいます。

    このような状況は「働いた分の賃金を支払う」という労働基準法の原則に反するため、違法と認定されます。

    労働者に有利な場合もあり得る
    ただし、15分単位・30分単位の残業代計算が労働者に有利な場合もあります。

    たとえば、19時5分まで働いた場合、15分単位で切り上げ計算して、19時15分まで働いたものとする方法です。この方法であれば、労働者が不利益を受けることはありませんので、会社の計算方法がどうなっているのかを確認する必要があります。

    したがって、「15分単位・30分単位」といったルールは、労働者に不利益をもたらす場合もあれば、有利になる場合もあると理解しておきましょう

2、1か月単位で時間をまとめて処理する場合は切り捨てが認められる

残業代は、1分単位で支払うのが原則とはいえ、すべての切り捨て処理が違法になるわけではありません

行政通達では、1か月の時間外労働時間・休日労働時間・深夜労働時間の各々の時間数を合計したうえで端数を処理する場合に限り、切り捨てが認められるとされています。

具体的には、以下のようなルールです。

  • 1か月の合計で30分未満の端数は切り捨ててもよい
  • 30分以上1時間未満の端数がある場合は1時間に切り上げる必要がある

たとえば、1か月単位で合計した時間が20時間40分だった場合、40分は「30分以上1時間未満」なので、21時間として扱わなければなりません。
一方で、20時間20分だった場合には20時間として処理できます。

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3、未払い残業代を請求する流れ

「15分未満は切り捨て」といった処理によって未払い残業代が発生している場合、会社に対して未払い残業代を請求することが可能です。
以下では、未払い残業代を請求する基本的な流れを説明します。

  1. (1)証拠を集める|タイムカード・PCのログ・業務日誌など

    まず重要なのは、実際に働いた時間を裏付ける証拠を確保することです。

    残業時間を立証するための一般的な証拠としては、タイムカードや勤怠システムのデータですが、正確に記録されていなかったり、会社が改ざんしたりしてしまうおそれもあります。

    そのため、PCのログイン・ログオフ記録、業務メールの送信時間、日報やスケジュール帳など、客観的に勤務時間を示せる複数の資料を集めることが望ましいです。

  2. (2)未払い残業代計算する

    証拠をもとに、具体的に未払い残業代を計算しましょう。

    残業代の基本的な計算方法 ①1時間あたりの基礎賃金 ②残業時間 ③割増賃金率 ①x②x③した金額=支払われるべき残業代 詳しい説明 1時間あたりの基礎賃金 いわゆる「時給」のこと 通常支給されている月給の額から、固定残業代や手当の一部を差し引く 法律で差し引くべきものとされている手当 家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金(私傷病手当、結婚手当、慶弔金など) 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 ※労働との関係が薄く、個人的な事情に基づいて支給されている手当が差し引かれる ※支給条件によっては、差し引く必要がないこともあるため、就業規則などで要確認 残業時間 法外残業 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた労働時間 法内残業 各企業が独自に定めた所定労働時間を超えて働いた労働時間 割増賃金率 法律で定められている、通常の賃金に上乗せして支払う賃金率のこ

    残業代計算では、まず1時間あたりの基礎賃金を算出し、そのうえで残業時間に応じた以下の割増率を反映させます。

    割増率
    割増率は以下の通りです。

    残業の割増率 時間外労働 1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えて働いた場合の賃金 月60時間未満 基礎となる賃金 (1時間) の1.25倍の賃金 月60時間超 基礎となる賃金 (1時間) の1.5倍の賃金 深夜労働 午後10時〜翌日午前5時の間に働いた場合の賃金 基礎となる賃金 (1時間)の1.25倍の賃金 休日労働 労働基準法で定められた休日(法定休日)に働いた場合の賃金 基礎となる賃金 (1時間)の1.35倍の賃金 重複した場合は、上乗せされる 時間外労働+深夜労働 基礎となる賃金 (1時間)の1.5倍の賃金 休日労働+深夜労働 基礎となる賃金 (1時間)の1.6倍の賃金
    • 時間外労働:25%以上
    • 月60時間を超える時間外労働:50%以上
    • 深夜労働(午後10時~翌午前5時まで):25%以上
    • 休日労働:35%以上
  3. (3)会社に未払い残業代を請求する

    未払い残業代を算出したら、会社に対して請求を行います。
    最初は直属の上司や人事担当者に相談する方法もありますが、口頭で伝えるだけでは取り合ってもらえないことも多いです。
    そのため、内容証明郵便を用いて正式に請求書を送付するのが効果的です。

    内容証明は、「いつ、どのような内容で請求をしたか」を公的に証明できるため、会社側も無視できなくなります
    また、記録に残る形で請求することで、後に労働審判や裁判になったときの重要な証拠にもなります

  4. (4)交渉が決裂したときは労働審判・訴訟

    会社が支払いに応じない場合、次の手段は労働審判や訴訟です。

    労働審判の流れ
    労働審判は、裁判所で行われる手続きですが、原則3回以内の審理で結論が出るため、比較的短期間で解決できるのが特徴です。
    それでも折り合いがつかない場合は訴訟に進み、裁判で解決を図ります。

    労働審判の流れ 労働審判の申し立て 労働審判委員会(裁判所が指定) 労働審判官 裁判官 「労働審判員」と共に労働トラブルを解決するための審理と判断を行う。 労働審判員 労働者側1名 使用者側(会社側)1名 労働関係に詳しい専門家。主に労働組合や使用者団体などから推薦される。労働現場の実情・慣行・実務などに即して判断を行う。 話し合いによる解決を試みる 原則3回以内で審理が終了 3か月以内に、約70%が終了 かかる期間:約2か月半(平均 77.2日) 訴訟(裁判)に比べて極めて短期間 弁護士がいると... 証拠の準備をしたり、弁護士が同席して質疑応答のサポートなどが可能なため、有利に進みやすくなる 【話し合いにより解決した場合】和解し、問題解決【話し合いが決裂した場合】審判:解決策を裁判所が提示 提示された審判に異議なしの場合 和解し、問題解決 提示された審判に異議ありの場合 裁判へ移行 弁護士のサポートが必須!裁判になると半年~1年以上かかる長期戦になるケースも多く、法的な専門知識も必要になる

    ここで注意すべきは、残業代請求には3年という時効があることです。
    時効を過ぎると請求できなくなるため、残業代の未払いが疑われる場合は早めに行動することが非常に重要です。

4、残業代請求を弁護士に相談するメリット

未払い残業代請求は、自分で行うことも可能です。
しかし、会社が強硬な姿勢を示したり、金額の計算で争いになったりすると、個人だけで対応するのは難しくなります。そんなときに頼れるのが弁護士です。

弁護士に依頼するメリット 手間やストレスを減らせる!:面倒な手続きや会社側との交渉を自分の代わりに、ほぼ全て任せることが可能 会社から支払われる金額が多くなるかも!:残業代・和解金・慰謝料等が多く得られる可能性がある 弁護士のサポートで、交渉から手続きまで安心!:解決策がみつかる 証拠資料を法的に判断 証拠がない場合、集め方をアドバイス 会社はいい加減な対応ができなくなる 弁護士が代理人として会社と交渉 労働審判、訴訟(裁判)をサポート

以下では、残業代請求を弁護士に依頼するメリットを紹介します。

  1. (1)未払い残業代が発生しているかどうか法的に判断してもらえる

    「このケースは未払い残業代にあたるのか」と悩む人は少なくありません。
    会社が「15分未満は切り捨てても問題ない」と説明していても、それが違法かどうかは法律に基づいて判断する必要があります。

    弁護士に相談すれば、労働基準法や過去の裁判例を踏まえ、現在の勤務状況で未払い残業代が発生しているのかを明確にしてくれます

    曖昧なまま請求してトラブルになるリスクを避けられる点で、弁護士の判断は非常に大きな意味を持ちます。

  2. (2)請求できる金額を正確に計算してもらえる

    残業代の計算は単純に「時給×残業時間」で終わりません。
    前述のとおり、残業代の計算にあたっては、複雑な割増率が適用されます。素人では誤った計算をしてしまうことも少なくありません。

    弁護士に依頼すれば、これらをすべて考慮したうえで正確な請求額を算出してもらうことが可能です
    適正な金額を把握することで、交渉や裁判でも正しい内容で適切に主張を行うことができます。

  3. (3)会社との交渉や訴訟対応を任せられる

    未払い残業代の請求は、会社側の反発を招きやすいものです。
    従業員が個人で請求すると、会社から圧力を受ける可能性もあります。

    弁護士に依頼すれば、会社との交渉はすべて代理人として対応してもらえるため、自分が直接やりとりする必要がありません
    また、労働審判や訴訟に発展した場合でも、弁護士が手続きを進めてくれるため安心です。

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5、まとめ

残業代は、原則として1分単位で支払う必要があり、会社が「15分未満は切り捨て」と一律に処理することは、労働者に不利益を与えるため違法となる可能性が高いです。

ただし、例外的に1か月単位で時間外労働時間等の各々の時間数を合計し、30分未満を切り捨て、30分以上1時間未満の端数を切り上げる方法は認められていますので、会社の残業時間の計算方法を確認することが重要です。

疑わしい場合は、まず証拠を集めて早めに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談すれば、法的判断や正確な計算、交渉の代理まで任せられるため、安心して対応を進められます。

まずはベリーベスト法律事務所までご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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