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残業の過労死ラインは月100時間・平均80時間超! 解決事例や相談先は?

更新日:2026年01月21日
公開日:2025年03月05日
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残業の過労死ラインは月100時間・平均80時間超! 解決事例や相談先は?

命に危険が迫る「過労死ライン」は、1か月に約100時間(平均80時間)、およそ1日5時間です。

過重労働や仕事のストレスによる死亡や疾患といった「過労死等」の労災補償の支給決定件数は、令和6年度で1304件となり、前年から196件増加の過去最多を記録しました。

本記事では、残業の過労死ラインの基準や解決事例をベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、残業の過労死ラインは何時間?

以下では、残業の過労死ラインに関する具体的な基準を説明します。

  1. (1)月の過労死ラインは100時間・平均80時間超

    過労死ラインとは?
    業務による過労が原因で、脳・心臓疾患や精神障害、自殺などに至るリスクが高まるとされる残業時間の基準です。

    過労死ラインの基準
    厚生労働省は、労災認定の目安として、以下の基準を設けています。

    • 発症前1か月におおむね100時間を超える時間外労働
    • 発症前2〜6か月平均で80時間を超える時間外労働

    過労死ラインを超える残業により、脳・心臓疾患や精神障害などを発症した場合、業務との因果関係が強いと判断されます。

    ただし、過労死の認定にあたっては、残業時間だけではなく、勤務時間の不規則性、心理的・身体的負荷を伴う業務などの要素も加味して判断されます。

    長時間労働が常態化している職場では、労働者本人が異常に気づきにくく、無理を重ねてしまいがちですので注意が必要です。

  2. (2)1日の過労死ラインは約5時間

    月100時間の残業は、ひと月の労働日数を20日とすると、

    • 1日あたりに換算すると約5時間
    • 平均80時間の場合でも約4時間

    に相当します。

    定時後に毎日4〜5時間働き続ける生活は、心身ともに大きな負担を与えるのは明白です

    「毎日5時間くらい残業している」と思った方は、まさに過労死ラインに到達している可能性があります

    日々の蓄積が突然の発症を引き起こすケースもあり、自覚がないまま症状が進行することもあります。

  3. (3)45時間、60時間の残業はどうなる?

    月45時間の残業は法律上の上限内であり、月60時間の残業も特別条項付き36協定を締結すれば違法ではなく、過労死ラインとはされていません

    しかし、それでも十分に心身へ負荷を与える可能性のある水準です。
    特に、業務量が多く、休憩も取りづらい環境では、ストレスや疲労が限界に達するおそれがあります。

    心身に異変を感じた場合は、無理をせず、早めの対処が重要です。


  4. (4)管理職なら100時間の残業も違法にならない?

    労働基準法上の「管理監督者」は、労働時間に関する規制の対象外となるため、月100時間の残業でも法律違反にはなりません

    しかし、管理監督者であるかどうかは肩書だけで判断されるわけではありません

    実態として

    • 出退勤を自由に決められない
    • 重要な決裁権がない
    などの場合は、「名ばかり管理職」として扱われ、未払い残業代や割増賃金が発生する可能性があります

    管理職だから残業が100時間でもしょうがない……」とあきらめる必要はありません。自分の待遇が適正かどうか、一度見直してみましょう。

2、そもそも過労死とは?

  1. (1)過労死とは

    過労死とは、働き過ぎの疲労等により疾患を発症し、死亡してしまうことです。
    過労死等防止対策推進法第2条では、以下のいずれかに該当するものが「過労死等」と定義されています。

    ① 業務における過重な負荷による脳血管疾患、心臓疾患を原因とする死亡
    ② 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
    ③ 上記の脳血管疾患、心臓疾患、精神障害

    この法律は、過労死や過労で生じる健康被害の防止に向けた具体的な取り組みを促進するため、平成26年(2014年)に成立しました。

    参考:過労死等防止対策推進法

  2. (2)過労死等が多い業種TOP10

    厚生労働省が公表した令和6年度「過労死等の労災補償状況」(※)によると、過労死等の支給決定件数が多い業種は、以下のとおりです。


    順位 業種 過労死等の支給決定件数
    1位 道路貨物運送業 76
    2位 飲食店 19
    3位 その他の事業サービス業 12
    4位 総合工事業 8
    4位 宿泊業 8
    6位 食料品製造業 7
    6位 医療業 7
    8位 輸送用機械器具製造業 6
    8位 専門サービス業
    (他に分類されないもの)
    6
    8位 道路旅客運送業 6

    運送業の過労死は圧倒的に多い
    道路貨物運送業の過労死等の支給決定件数は、76件と他の業種よりも圧倒的に多くなっています
    トラックなどの長距離輸送に携わる労働者は、残業時間の多い業種として知られており、過労死のリスクが高まっている状況がうかがえます。

    出典:「令和6年度『過労死等の労災補償状況』を公表します」(厚生労働省)

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3、過労死ラインの法改正・変更点は?

過労死ラインを定めた脳・心臓疾患の労災認定基準は、直近では令和3年(2021年)9月に改正されています。

この改正では、業務と発症との関連性の有無を、単に労働時間だけで判断するのではなく、そのほかの負荷要因と併せて総合的に評価を行うことがより明確化されました。

具体的には、以下の負荷要因などを考慮するものとされています。

  • 拘束時間が長い勤務
  • 出張の多い業務
  • 勤務間のインターバルが短い勤務
  • 身体的負荷を伴う業務
など

参考:「脳・心臓疾患の労災認定基準を改正しました」(厚生労働省)

4、長時間残業や過労死ラインで悩んだときの相談先

長時間残業によって身体や心に大きな負荷がかかっている場合は、以下に挙げる窓口へすぐに相談しましょう。

  1. (1)労働基準監督署・都道府県労働局

    労働基準監督署や都道府県労働局には「総合労働相談コーナー」が設置されており、長時間労働などの悩みについて、専門の相談員に相談することができます。

    また、労働基準法違反の疑いがある長時間労働については、労働基準監督官に申告をすることが可能です(労働基準法第104条)。

    申告を受けた労働基準監督官は、調査を経て事業場に対して是正勧告を行うことがあります。是正勧告がなされれば、違法な長時間労働の是正が期待できるでしょう。

  2. (2)労働組合

    事業場に労働組合がある場合は、労働組合に相談することも考えられます。
    労働組合は、事業場の労働者の権利を守るために活動している組織です。
    長時間労働について労働組合に相談すれば、団体交渉を通じて是正がなされる可能性があります。

  3. (3)弁護士

    違法な長時間労働の是正を求めるに当たっては、弁護士に相談することも有力な解決策です。弁護士に依頼すれば、法的根拠に基づいて労働時間の軽減などを求めることができます。

    また、弁護士には未払い残業代請求を依頼することも可能です。
    長時間残業を強いられているにもかかわらず、残業代が適切に支払われていない場合は、速やかに弁護士へ相談しましょう。

  4. (4)相談先別のメリット・デメリット

    長時間残業について相談できる主な窓口とそれぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。ご自身の状況に合わせて選びましょう。


    相談先 メリット デメリット
    労働基準監督署・都道府県労働局 行政指導により企業に是正勧告が行われる可能性がある 相談・対応に時間がかかる
    労働組合 団体交渉で企業に強く働きかけられる可能性がある 加入が必要な場合がある
    弁護士 法的請求や交渉、訴訟まで任せられる 相談料がかかる場合がある
    ※法律事務所により相談料は異なる

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    なお、ベリーベスト法律事務所では、残業代請求のご相談は何度でも無料です。
    納得いくまでご相談いただけます。

    また、残業の問題だけでなく、不当解雇・退職勧奨・退職サポートなど、さまざまな労働トラブルにも一貫して対応が可能です。
    費用については、こちらの費用一覧ページをご覧ください。

    労働問題でお困りの方は、ベリーベストへ、まずはお気軽にご相談ください。

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5、要チェック! 未払い残業代請求の流れ

長時間の残業に対して適切な残業代が支払われていない場合に、未払い残業代を請求する手続きの流れを解説します。

  1. (1)残業の証拠を確保する

    残業代請求を成功させるためには、残業の客観的な証拠を確保することが大切です。
    以下のような残業の証拠を、できる限り豊富に確保しましょう。

    証拠の一例
    • タイムカード
    • 勤怠管理システムの記録
    • 上司の承認印がある業務日報・月報
    • オフィスの入退館記録
    • 会社システムへのアクセス記録
    など

    「これは証拠になるのだろうか」と疑問に思うことがあれば、弁護士にご相談ください。

  2. (2)未払い残業代の額を計算する

    残業の証拠が確保できたら、時間数を集計した上で、以下の式によって残業代の額を計算しましょう。
    すでに支払われた残業代との差額が、請求できる未払い残業代の額となります。


    基本的な計算方法(月給制の場合)
    残業代=1時間当たりの基礎賃金×割増率×残業時間数

    1時間当たりの基礎賃金=月によって定められた賃金(※1以下の手当を除く)÷月平均所定労働時間

    月平均所定労働時間=(365日(※2)-1年間の所定休日日数)×1日の所定労働時間÷12か月

    ※1:総賃金から除く手当


    • 残業手当(時間外労働手当、休日労働手当、深夜労働手当)
    • 家族手当(扶養人数に応じて支払うものに限る)
    • 通勤手当(通勤距離等に応じて支払うものに限る)
    • 別居手当
    • 子女教育手当
    • 住宅手当(住宅に要する費用に応じて支払うものに限る)
    • 臨時に支払われた賃金
    • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金


    ※2:うるう年の場合は366日



    残業の種類 残業の概要 割増率
    法定内残業 所定労働時間を超え、法定労働時間を超えない残業 割増なし
    法定外残業 法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超える残業 25%以上増し
    ※月60時間を超える部分については、50%以上増し
    休日労働 法定休日(週1日)における労働 35%以上増し
    深夜労働 午後10時から翌午前5時までに行われる労働 25%以上増し
  3. (3)内容証明郵便を送付し、会社と交渉する

    未払い残業代の計算が済んだら、会社に対して内容証明郵便で請求書を送付しましょう。
    内容証明郵便には、必要に応じて、以下の事項などを記載します。

    内容証明郵便に記載する内容例
    • 未払い残業代を請求する旨
    • 請求する未払い残業代の額
    • 未払い残業代の支払期限
    • 支払わなければ、法的措置を講ずる旨
    など

    会社から返信があったら、未払い残業代の精算に関して交渉を行います。
    合意が得られたら、その内容を記載した書面を締結して、未払い残業代の支払いを受けましょう。

  4. (4)労働審判や訴訟を検討する

    会社が未払い残業代の支払いに応じないときは、労働審判や訴訟などの裁判手続きの利用を検討しましょう。
    客観的な立場にある裁判所を通じて、残業代の未払いに関するトラブルを解決することができます。

    労働審判や訴訟で有利な解決を得るためには、法的な観点からの検討と準備が欠かせません。弁護士のサポートを受けながら、十分な準備を整えた上で臨みましょう

6、長時間労働から解放! 残業代も獲得した解決事例3選

以下では、長時間労働からの解放を実現し、残業代も獲得できた当事務所の解決事例を紹介します。

  1. (1)月100時間を超える未払い残業代の回収に成功

    相談者は、月100時間を超える長時間残業を強いられていたにもかかわらず、会社からは「管理職(支配人)扱いだったから残業代は出ない」「手当として残業代は支払い済み」と説明され、適正な賃金が支払われていませんでした

    体調悪化をきっかけにご相談いただき、当事務所がタイムカードや業務日報などの証拠をもとに交渉。結果として未払い残業代の約645万円の回収に成功しました。

  2. (2)休憩時間も取れない運送業…裁判で500万円の残業代を獲得!

    運送会社でトラックドライバーとして働いていたAさんは、毎日休憩も取れずに長時間労働を強いられていました。
    残業代は給与に含まれていると説明され納得できず、退職を機にご相談いただきました。

    当事務所がデジタコや日報、給与明細を精査し会社に証拠開示を請求。
    交渉は決裂しましたが、裁判で主張が認められ、最終的に500万円の和解が成立
    弁護士が介入するまで会社は支払姿勢を示さなかったため、高額回収の結果に大変ご満足いただけました。

  3. (3)名ばかり管理職で早朝・深夜労働。訴訟で627万円の支払いが容認

    相談者は「課長職」として勤務していましたが、実際には出退勤の裁量がなく、指示通りに早朝出社・深夜退勤を繰り返す日々。
    それにもかかわらず、会社側は「管理職だから残業代は発生しない」と主張していました。

    当事務所が業務実態を詳しく確認したうえで「名ばかり管理職」に該当すると判断。訴訟を提起した結果、裁判所が627万円の支払いを命じました

    役職の有無にかかわらず、実態に応じた権利を主張できますので、諦める必要はありません。

7、長時間労働・残業代請求を、弁護士に相談するメリット

長時間労働の改善や未払い残業代の支払いを求めて会社と交渉するなら、事前に弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士に相談すると、主に以下のようなメリットがあります。

弁護士に依頼するメリット 手間やストレスを減らせる!:面倒な手続きや会社側との交渉を自分の代わりに、ほぼ全て任せることが可能 会社から支払われる金額が多くなるかも!:残業代・和解金・慰謝料等が多く得られる可能性がある 弁護士のサポートで、交渉から手続きまで安心!:解決策がみつかる 証拠資料を法的に判断 証拠がない場合、集め方をアドバイス 会社はいい加減な対応ができなくなる 弁護士が代理人として会社と交渉 労働審判、訴訟(裁判)をサポート
弁護士に依頼する主なメリット
  • 法的根拠に基づいて長時間労働の違法性を指摘し、改善を求めることができる
  • 未払い残業代の金額を正しく計算できる
  • 残業の証拠の収集方法について、具体的にアドバイスを受けられる
  • 労力やストレスが軽減される
  • 迅速に有利な解決を得られる可能性が高まる
など

詳しくは、弁護士に依頼する7つのメリットでも解説しています。

8、長時間労働のお悩みは弁護士へ

月100時間、または2~6か月平均で月80時間を超える残業をしている方は、過労死ラインを超えています
まずは弁護士に相談して、会社に対して長時間残業の是正を求めましょう。

ベリーベスト法律事務所は、長時間労働に悩む労働者のご相談を随時受け付けております。未払い残業代請求も併せてご依頼いただけますので、長時間労働や過労でお悩みの方は、お早めにベリーベスト法律事務所へご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
残業代請求、不当解雇・退職勧奨、同一労働同一賃金、退職サポート、労働災害、労働条件・ハラスメントに関するトラブルなど、幅広く労働者のお悩み解決をサポートします。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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