ご相談に至った経緯
Aさんはホテルの従業員で月100時間を超える残業を行っていた。
しかし、給与明細を見たところ、Aさんに時間外手当名目(残業代)として賃金が支払われている様子はなかった。
そこで、Aさんが個人で会社に対して残業代の請求を行ったところ、会社はAさんが過去に支配人の地位にあったことから残業代が発生しないと回答したり、手当として既に残業代を支払っているなどといった理由をつけて残業代を支払おうとしなかった。
そのため、会社の言い分に疑問を持ったAさんは、会社の言い分が正しいのか弁護士に相談してみることにした。
ご相談内容
Aさんは会社の言い分に疑問は持ったものどこが法律的な問題になるのかよくわからなかったので、まずは相談に至る経緯及びAさんの会社での労働内容及び経歴を説明した。
そして、弁護士に色々と疑問を聞いたうえで弁護士と話を整理したところ、Aさんは残業代に関する相談(質問)を以下の3つだと考えたたため、それらについて弁護士に相談した。
①Aさんが残業をしても残業代は発生しないのか(Aさんが管理監督者に当たるのか)
②Aさんの月々のお給料には残業代が含まれているのかどうか(会社から残業代を既に支払われているのか)
③仮に未払いの残業代がある場合に会社に対していくらくらい請求できるのか
ベリーベストの対応とその結果
Aさんからの上記①②③の相談に対して以下のとおりに回答及び対応した。
①については、Aさんの具体的な労働内容や賃金などの労働条件から考えると、Aさんは残業をすれば残業代が発生する立場に当たる。また、②については、Aさんの給与明細を確認したところ、Aさんの残業については残業代が1円も支払われていない状況だった。そこで、③についてはAさんから聞いた労働時間と給与明細に記載されている金額から、請求できる残業代の概算を計算したうえで弁護士を就けて会社と争っていく今後の方針について打合せをした。
その結果、Aさんから交渉で依頼を受けたため、会社に内容証明を送り、会社からタイムカードなどの証拠の開示を受けた。そして、それらの証拠に基づいてAさんの適正な残業代を計算し、会社と交渉を行った。
その結果、会社は最終的に645万2370円の残業代の未払いがあることを認めた。
解決のポイント
Aさんが会社において残業代の発生しない管理監督者の地位にあるのか、またAさんの毎月の給料の中に残業代に当たるものが支払われているのかどうかをAさんのお話及び手持資料(給与明細など)から迅速に判断できたこと