あらかじめ設定されたみなし残業(固定残業)を超えた分の残業代は請求できる
たとえば、「残業45時間分」としてみなし残業代(固定残業代)が支払われていたとしても、45時間以上残業している場合、45時間を超えた分の残業代は支払われなければなりません。
あらかじめ設定された時間以上に働いているのに、残業代が支払われていない場合は、弁護士にご相談ください。
基本給と残業代が明確に区分できないと違法
基本給に残業代が含まれている給料体系では、外形上、通常労働の賃金部分と残業代部分が区別できません。両者が明確に分けられていなければ、割増賃金を計算することができませんので、違法となります。
実際の給与の支払われ方、労働の実態を元に判断が必要なため、弁護士にご相談ください。
就業規則の規定や労働者の個別の同意がなければ違法
みなし残業制が労働契約の内容となるためには、就業規則の規定や労働者の個別の同意が必要になります。そのような規定がない場合には、みなし残業代(固定残業代)が支払われているとはいえません。
もし、就業規則や同意がないのに、残業代が基本給や手当に含まれているなどといわれ、適正な残業代をもらえていないようであれば、弁護士にご相談ください。
1か月あたりの残業時間の上限は45時間が目安
36協定を締結することによって、法定労働時間を超えて残業を命じることができますが、1か月あたりの残業時間の上限は45時間とされています。もっとも、45時間分を超えて、たとえば60時間分のみなし残業代(固定残業代)を支払うことが違法か否かは、様々な事情を考慮して判断されます。
みなし労働時間があまりに長時間である場合は、弁護士にご相談ください。
1人で悩むより、弁護士に相談を
みなし残業制(固定残業代制)とは、毎月支払う給与にあらかじめ一定時間の残業代を含めておく制度です。
たとえば、「毎月20時間の残業代5万円分を給与に含む」としている場合は、毎月20時間までは残業をしても通常の給与以外に残業代を支給しない旨の規定ということになります。
このような制度は、とくに残業が多い会社の場合には、十分な残業代が支払われないという問題を生じる制度です。
会社が、みなし残業代制(固定残業代制)を採用していても、本来支払われるべき残業代が支払われていない場合には、残業代の請求が可能です。
みなし残業制(固定残業代制)は、IT・システム開発の会社や制作関連の会社などに導入されていることが多い制度ですが、そういった方の中には、新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務・テレワークで働くようになった方もいらっしゃるでしょう。
ですが、在宅勤務・テレワークであっても、みなし残業制(固定残業代制)は適用されます。
在宅勤務・テレワークは、あくまでも「働く場所が会社から自宅になった」というだけなので、残業代のルールが変わる訳ではありません。
在宅勤務・テレワークの働き方については、こちらをご覧ください。
みなし残業代制(固定残業代制)は、会社にとっては残業代計算の手間が軽減される点で利点がありますし、従業員は、残業をしてもしなくても固定の残業代を受け取ることができるという見方をすれば、従業員にとっても利点のある制度かもしれません。
しかし、みなし残業代制(固定残業代制)には、「適切な残業代が支払われないリスク」があります。
というのも、
「みなし残業代を支払っているのだから、それ以上は支払う必要がない」
「みなし残業時間の中で業務を遂行できないのは、労働者の責任だから支払わない」
などといった理由により、残業代を支払わない悪質な会社も存在するのです。
1人で悩むより、弁護士に相談を
みなし残業代制(固定残業代制)といっても、支払われるべき残業代が支払われていない場合には残業代を請求できますので、みなし残業代制(固定残業代制)が採用されているけれども、残業代がきちんと支払われているか分からないという方は、すぐに弁護士に相談しましょう。
みなし残業代制(固定残業代制)が導入されている会社で働いているのに、
「自分の会社のみなし残業時間が、何時間で設定されているのか分からない」
「みなし残業時間がある場合でも残業代を請求できること知らなかった」
という労働者は、実は多くいらっしゃいます。
そのため、「みなし残業をすでに払っているから、残業代は支払わない」という会社の言い分を信じてしまい、本来であれば残業代を請求できるのに、「残業代は発生しない」と思い込み、諦めてしまう方もいます。
弁護士であれば、就業規則や雇用契約の内容、実際の労働時間と照らし合わせ、会社側の言い分が正しいか、判断することができます。
残業代を請求できる場合には、法的な根拠をもとに、残業代を会社側に請求していきます。
みなし残業代制(固定残業代制)で働いていて、残業代のお悩みがある方は、弁護士に相談ください。
1人で悩むより、弁護士に相談を
みなし残業制(固定残業代制)で働く方に多いお悩みについて、弁護士がコラムで解説!
あなたの悩みが解決できるかもしれません。ぜひご覧ください。
みなし残業代制(固定残業代制)を導入している会社は数多くあります。
労働者にとってみなし残業手当(固定残業代)は、残業が少ない月にも残業代がもらえるというメリットがありますが、会社が正しい運用を行っていない場合、本来はもらえるべき残業代がもらえないということもあります。
今回は、みなし残業代制であっても、残業代を請求できるケースや請求方法について解説します。
残業代の未払いに関するトラブルの話を聞き、「自分の残業代は正しく計算されているのだろうか」と心配になった経験はないでしょうか。
あるいは、残業時間に対して明らかに少ない手当しか支払われていない、深夜に働いても残業代が増えない、休日に働いても残業代が増えないなど、すでに勤務先の違法性を疑っている方もいるでしょう。
ご自身の残業代が適切に支払われているのかを知るためには、残業の定義や残業代の基本的な計算方法を理解しておくことが役立ちます。そのうえで、未払いの残業代があった場合には請求を検討するべきです。
今回は残業代の基本的な計算方法について、具体例を交えながら解説します。トラブルが多い固定残業代についても、あわせて確認しましょう。
長時間労働しているはずなのに、相応の対価が得られていない……。
こんな悩みを抱えている方は少なくないでしょう。未払いの残業代があるのではないかと疑う気持ちがあっても、会社へ直接確認することができず、泣き寝入りの状態に陥っているかもしれません。
会社へ未払いの残業代を請求するためには、労働時間の定義や残業代の計算方法といった知識を備えておくと役に立ちます。
どこからが残業にあたるのか、残業代はどのように計算するのかなど、残業代に関する正しい知識について弁護士が解説します。
長時間労働が常態化すると、勤務時間の長さが原因で会社を辞めたいと感じる方も少なくないでしょう。どれくらいの時間を労働に費やしたらつらく感じるのかは、人によって異なりますが、最低限守るべき基準は労働基準法で定められています。
これを超えて残業をしているのであれば、会社が法律違反をしている可能性があり、残業代が支払われていないのであれば労働者には残業代を請求する権利があります。
この記事では、労働基準法が定める労働時間のルールを解説するとともに、長時間労働が原因で会社を辞める場合に確認するべきポイント、未払いの残業代を請求する方法などを解説します。
みなし残業制(固定残業代制)の残業問題が起きやすい職業について、弁護士が解説しています。