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残業代請求の弁護士コラム

長時間労働がつらい、会社を辞めたい。退職を考えたら知っておきたいこと

2020年05月19日
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長時間労働がつらい、会社を辞めたい。退職を考えたら知っておきたいこと

長時間労働が常態化すると、勤務時間の長さが原因で会社を辞めたいと感じる方も少なくないでしょう。どれくらいの時間を労働に費やしたらつらく感じるのかは、人によって異なりますが、最低限守るべき基準は労働基準法で定められています。

これを超えて残業をしているのであれば、会社が法律違反をしている可能性があり、残業代が支払われていないのであれば労働者には残業代を請求する権利があります。

この記事では、労働基準法が定める労働時間のルールを解説するとともに、長時間労働が原因で会社を辞める場合に確認するべきポイント、未払いの残業代を請求する方法などを解説します。

1、労働基準法で定める労働時間の基準

まずは、法律で労働時間の基準がどのように定められているのかを知っておきましょう。

  1. (1)労働時間と休日の原則

    労働基準法第32条では、1日8時間、1週40時間を超える労働を原則として禁止しています。また、同法第35条は、少なくとも週に1回の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えることを義務づけています。

    たとえば、

    • 勤務時間が午前9時~午後6時まで
    • 休憩が1時間

    のケースで考えてみましょう。

    休憩を除く実労働時間は8時間なので、残業をしなければ労働基準法第32条第2項の定める1日8時間という規制に違反しません。
    労働日数が月~金曜日までの5日であれば、同条第1項が定める1週40時間という規制にも違反しません。

    では、同じ条件で土曜日も勤務すると、どうでしょうか。

    8時間×6日で48時間となり、1週40時間を超えてしまいます。
    そのため、会社が労働者を週6日働かせるためには、後述の36協定によらない限り、1日の労働時間の短縮が必要です。
    月~金曜日までは1日7時間、土曜日は5時間にするなどが考えられます。

  2. (2)労働時間の意味

    労働時間は、「労働者が使用者の指揮命令下におかれている時間」と考えられています。

    一方で、休憩時間は労働から完全に解放されて自由に使える時間を指しますので、休憩が正しく付与されている限り、休憩時間は労働時間にはあたりません。

    通勤時間も、通常は、通勤中の行動について会社から指示を受けることはなく、本を読んだりゲームをしたり、自由に過ごすことができますので、原則として通勤時間は労働時間にはあたりません。

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2、36協定の上限と特例が認められるケース

実際のところ、1日8時間や1週40時間の制限内で働かせている会社は多くありません。なぜなら、「適法に」これを超えて労働させる方法があるからです。それが「36協定を締結した場合」です(労働基準法第36条)。

  1. (1)36協定とは

    労働基準法第36条は、使用者と労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者が書面で協定を結び行政官庁へ届け出ることを条件に、労働時間を延長し、または休日に労働させることを認めています。

    同条に基づき締結される協定を一般的に「36協定」と呼んでいます。
    36協定では、労働時間の延長や休日労働を認める労働者の範囲、延長できる労働時間の上限などを定めます。

    しかし、36協定さえ結べば何時間でも残業をさせていいわけではありません。

    労働基準法第36条第4項では、原則として「1か月に45時間、1年で360時間」とする限度時間(以下単に「限度時間」といいます)が定められています。これを超えて労働させることは原則として違法です。

    1か月で45時間というと、月の勤務日数が22日だとして、1日2時間も残業すればあっという間に上限が迫ってしまいます。「1日2時間以上、残業している」と感じる方は少なくないでしょう。

    ところが、それでも違法だとは断言できません。
    なぜなら、次に見るとおり、「特別条項つき36協定」によって、限度時間を超えた労働が可能となっているからです。

  2. (2)特別条項つき36協定とは

    ① 特別条項つき36協定は、どんなときに適用できるのか
    特別条項つき36協定とは、臨時的に特別な事情が生じた場合に限り、限度時間(1か月45時間、1年360時間)を超えて働けるようにするための協定です。
    たとえば、予想外に、通常の生産量を超えるような受注が発生し、一定の範囲の労働者が通常以上に残業をしなければ業務が停滞してしまうようなときに適用されるのが原則で、限定的な場面にのみ適用されるべきであるといえるでしょう。

    ② 働き方改革に伴う法改正の影響により、上限時間や罰則ができた
    ところで、特別条項つき36協定による延長可能時間の上限は、これまで法律上定められていたわけでもなければ罰則が設けられていたわけでもなく、厚生労働大臣の告示によってその基準が示されていたにすぎませんでしたが、労働時間の規制をより適正に行うため、次のとおり、特別条項つき36協定についても法律上明確に上限時間を定め、罰則も適用されることとされました。

    働き方改革にともなう法改正によって、特別条項つき36協定による延長可能時間について次の上限が定められました(労働基準法第36条第5項)。

    ■ 36協定による延長可能時間の上限

    • 時間外労働が年720時間以内
    • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
    • 時間外労働と休日労働の合計が2~6か月のそれぞれの平均がひと月80時間以内
    • 時間外労働が月に45時間を超えるのは年に6か月まで

    これらに違反した会社には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります(労働基準法第119条第1号、同法第121条)。

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3、長時間労働が原因となり退職をしたときに確認すること

長時間労働が理由で辞める場合は次の点を確認しておきましょう。

  1. (1)失業保険の離職理由

    会社を辞めると、所定の手続を行えば、ハローワークから失業保険(基本手当)を受け取れますが、離職理由によって受給期間や受給開始日などの面に違いが生じます。
    失業保険で優遇されるのは、典型的には倒産や解雇などの会社都合で辞めさせられた場合です。

    ただし、倒産や解雇以外の理由でも、会社の行為によって自ら会社を辞めた場合にも優遇措置がとられます。

    ① 優遇されるケース
    長時間労働については、離職の直前6か月のうち、次の時間を超えた時間外労働が原因で離職した場合には優遇されます。

    • 連続する3か月で45時間
    • 1か月で100時間
    • 連続する2か月以上の期間を平均して月80時間

    参考:厚生労働省 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準

    また、会社が行政から、危険もしくは健康障害を生ずるおそれがある旨の指導を受けたにもかかわらず、必要な措置を講じなかった場合も優遇対象です。


    ② 離職理由に注意
    なお、注意したいのは、会社から届く離職票に記載される離職理由です。
    長時間労働が原因で退職したにもかかわらず「自己都合」になっている場合は、優遇措置が受けられません。

    そのような場合には、ハローワークに異議申立てを行う必要があります。

  2. (2)未払いの残業代がないか

    長時間労働が常態化しているような会社では、残業代が支払われていないケースが往々にしてあります。

    未払いの残業代は退職前でも退職後でも請求できますが、残業代の請求権は時効により3年で消滅します。

    なお、3年の時効期間が適用されるのは、改正労働基準法の施行後、つまり2020年4月1日以降に発生する賃金についてのみです。2020年3月31日までに未払いだった賃金の請求権は、改正労働基準法の適用を受けないため、従来どおり2年で時効により消滅します(※)。

    残業代請求の時効については、下記のコラムで詳しく解説しています。
    合わせてご覧ください。


    未払い残業代を請求する場合、証拠は必要不可欠です。
    現時点で会社を辞めていないのであれば、残業をしていた証拠を準備しておきたいところです。

    参考:厚生労働省 労働基準法の一部を改正する法律について

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4、労働基準監督署が対応してくれる範囲

労働基準法に違反して残業をさせられている場合は、労働基準監督署への相談・申告の対象となるため、相談してみるのはひとつの方法です。

ただし、労働基準監督署は労働基準法違反の会社に対して指導、是正勧告をおこなう機関ですので、労働者の代わりに未払い賃金を請求してくれることはありません。

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5、退職時の残業代のトラブルは弁護士に相談を

長時間労働が理由で会社を辞め、未払いの残業代を請求したいとお考えの方は弁護士への相談がおすすめです。
弁護士のサポートを受けて早期解決することで、新しい生活にむけて動き出すことができます。

  1. (1)労働者が自ら残業代請求をするのは、負担が大きい

    会社に残業代を請求する方法は、直接交渉、労働審判、裁判(訴訟)を利用することなどが考えられますが、いずれも労働者自ら行うのは簡単ではないでしょう。

    自ら残業代を請求しても、会社が請求に応じないどころか、話し合いにすら応じないということもあるでしょう。

    労働審判は、原則3回までの期日で審理が終了するため早期の解決を期待できますが、裁判所が審判を行ったとしても、労働者または会社のどちらかが異議を出せば訴訟へと移行してしまい、決着がつきません。

    裁判ならば最終的に決着しますが、長期化しやすく、また、労働審判とは異なり時間をかけて争点を審理していくことになりますので、専門的な知識も必要となり、負担が大きいのが難点です。

  2. (2)弁護士のサポートがあれば、大幅に負担を軽減できる

    一方、弁護士が介入して交渉をした場合には、会社が早期に応じる可能性が高くなります。弁護士が代理人となることで、穏便にすませたいと考える会社側が交渉に応じるケースも少なくありません。

    また、労働審判や裁判になった場合にも、弁護士が介入すれば、有利に進められるようサポートを受けられます。
    弁護士に依頼した場合、残業代の計算や会社への請求といった作業を一任できるため、負担は大幅に軽減されるでしょう。

    また、会社が残業の証拠を隠している場合などは、会社に開示を求めて証拠を提出させるなど、残業代を請求するために必要な対応を的確に遂行し、解決を目指します。

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6、まとめ

長時間の労働が続けば心身への影響が懸念されますので、会社から長時間の労働を強いられるようであれば、その会社を辞めるというのはごく自然な選択です。

その際には、就職活動中の生活を維持するためにも、未払いの残業代も請求することをおすすめします。そのためにも、実際に残業をした時間について、メモ、メールの履歴、GPS情報等何らかの形で証拠を残しておくことをおすすめします。

未払いの残業代を請求する際には、会社が証拠を提出しない、交渉に応じないなど労働者自身では対処しきれないケースが多々あります。

お困りの場合は、労働トラブルの解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所へご相談ください。
残業代請求に必要な証拠についてのアドバイスなど新たな生活に向けて動き出せるように、全力でサポートします。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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