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育休後に退職できる? 退職時の注意点や円満退職のポイント

2023年10月26日
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育休後に退職できる? 退職時の注意点や円満退職のポイント

育休を取得することにより、経済的な不安なく子育てに専念することができますので、女性だけでなく男性も育休を取得する方が増えてきています。

しかし、育休後、慣れない子育てをしながら仕事をすることに不安を感じる方もいるでしょう。そのような場合には、仕事を辞めて育児に専念することも考えるかもしれませんが、育休後に退職することは、法的に問題はないのでしょうか。

今回は、育休後に退職する際の注意点や円満退職のポイントについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、そもそも育休とはどんな制度なのか?

そもそも育休とはどのような制度なのでしょうか。
以下では、育休に関する基本について説明します。

  1. (1)育休とは

    育休とは、子どもの養育義務がある労働者が1歳未満の子どもを養育するために、法律に基づき取得できる休業のことをいいます。「育児休業」という名称を略して、育休と呼ばれます。

    育休は、育児・介護休業法で定められている法律上の制度ですので、一定の条件を満たせば正社員だけでなく有期契約労働者も育休を取得することができます

    「育児休業」と「育児休暇」の違い
    なお、育児休業と似た制度に育児休暇がありますが、育児休暇は、法律上の制度ではなく企業独自の制度になりますので、必ず取得できるというものではありません
  2. (2)育休を取得できる労働者

    1歳未満の子どもを養育する労働者であれば、会社に申し出ることによって、育休を取得することができます(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下、「育休法」といいます。)5条)。

    ただし、有期契約労働者については、以下のいずれの条件も満たす場合に、育休を取得できます(育休法5条1項ただし書き、6条1項、同規則8条)。

    有期契約労働者の場合の育休取得条件
    • 同一の事業主のもとで引き続き1年以上雇用されていること
    • 子どもが1歳6か月に達する日(1歳6か月から2歳に達する日までの休業の場合は、2歳に達する日)までに労働契約期間が満了することが明らかでないこと
    • なお、正社員であっても労使協定により、以下のいずれかに該当する場合は育休の対象外になることがあります。
    • 雇用期間が1年未満
    • 育休の申し出から1年以内(1歳以降の休業は6か月以内)に雇用関係が終了する
    • 週の所定労働日数が2日以下
  3. (3)育休の期間

    ① 基本的には、子どもが1歳になるまで
    育休の期間は、基本的には、子どもが1歳になるまでの間で労働者が希望する期間取得することができます。

    ② 最長で子どもが2歳になるまで育休を延長できる
    また、子どもが保育所に入れないなどの事情がある場合には、最長で子どもが2歳になるまで育休を延長することができます(育休法5条3項、同条4項、同規則5条ないし6条の2)。

    ③ 父母がともに育児休業を取得する場合
    さらに、父母がともに育児休業を取得する場合で、各要件をみたす場合は、子どもが1歳2か月に達する日までの間に育児休業を取得することが可能になります(ただし両親それぞれが取得し得る休業期間は1年間。)(育休法9条の6、5条、9条)。


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2、育休後に退職することはできるのか?

育休を取得すると基本的には1年間、最長で2年間会社を休むことになります。
その間は、一定の条件をみたす場合は、雇用保険から育児休業給付金が支給されるため、経済的な不安なく育児に専念することができます。

しかし、1年~2年仕事を休んで育児に専念したとしても、子どもはまだまだ幼いため手がかかることには変わりありません。
育休後に職場への復帰を予定している方の中には、「子育てと仕事を両立できるのだろうか」と不安を抱いている方も少なくないでしょう。

長期間育休により仕事を休んでいたにもかかわらず、育休後に退職することはできるのでしょうか

  1. (1)結論:法的にはまったく問題ない

    育休は、職場への復帰を前提とする制度ですが、育休後に退職することが禁止されているわけではありません。
    そのため、育休後に退職することは法的にはまったく問題ありませんのでご安心ください。

    当初は、職場への復帰を考えていたものの、家庭の事情などその後の変化によって退職を余儀なくされる労働者も少なくありません。
    退職するかどうかは、労働者個人の自由ですので、ご自身の状況を踏まえて判断するとよいでしょう。

  2. (2)トラブルにならない退職手続きを心掛けよう

    ただし、育休後の退職に関しては、もらえる手当・給付金の問題や業務の引き継ぎ・人間関係などでトラブルになる可能性があるため、後述する3章および4章で説明する点をしっかり理解したうえで、退職手続きを進めるようにしましょう。

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3、育休後に退職するなら知っておくべき5つのこと

育休後に退職をする場合には、以下の5つの注意点があります。

  1. (1)退職後は失業保険を受給できる

    育休後に退職した方の中には、収入がなくなることに対して不安を感じる方もいるかもしれません。

    しかし、一定の条件を満たせば、育休後の退職であっても失業保険をもらうことができます
    失業保険を受給するには、主に以下の2つの条件を満たす必要があります。

    失業保険の主な受給要件
    • 再就職する意思等があること
    • 退職日前の2年間で雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること

    なお、退職日前の2年間に出産や育児などで働けない期間があったとしても、最大で4年間被保険者期間の算定対象期間が延長されます。

    再就職の意思がある場合には、早めにハローワークに行き手続きを行うようにしましょう
    また、育児や病気等の理由ですぐに求職活動ができない場合は、受給期間の延長を申請することもできます。

  2. (2)保育園を退園になる可能性がある

    育休を取得する時点で保育園を利用している子どもがいる場合には、自治体によっては、保育園の継続利用が認められるケースもあります。

    しかし、育休後に退職をしてしまうと、保育の必要性がないとみなされてしまい、保育園を退園になってしまう可能性があります。
    育休明けに退職し、再就職をお考えの方は、子どもを保育園に入園させるための計画を立ててから行動することが大切です。

  3. (3)再就職のハードルが高くなる

    育休後に退職し、再就職をする場合には、再就職のハードルが高くなる点に注意が必要です。再就職をする際には、当然、幼い子どもがいることが前提となりますので、多くの方は時短勤務が可能な職種を選択すると思います。

    しかし、時短勤務などの制度は、入社して1年未満の労働者は労使協定で除外されているケースがあるので、育休明けに転職をしてしまうと、転職先で時短勤務などの制度を利用できない可能性があります。

    育休明けの転職だと仕事への復帰が難しくなるというリスクがありますので、現在の会社で、時短勤務や残業の制限、忙しくない部署への異動などをお願いするという選択も視野に入れて行動しましょう。

  4. (4)育休中の転職活動は保育園の内定がなければ難しい

    育休中に転職活動をする場合には、子どもの預け先が決まっていることが前提となります。採用する企業としても、子どもの預け先が決まっていない状態では、採用後の働き方が不透明であり、積極的に採用するのは躊躇してしまうでしょう。

    育休後に退職して、保育園を退園してしまうと、転職活動が困難になる可能性がありますので注意が必要です。

  5. (5)育児休業給付金の取り扱いは、タイミングにより違う

    退職するタイミングによって、育児休業給付金の取り扱いが変わる点にも注意が必要です。

    ① 育休中に退職する場合
    育休中に退職をすると、その時点で育児休業給付金の支払いは終了します。
    また、社会保険料の免除も受けることができなくなりますので、退職後は社会保険料の支払いも必要になります。
    そのため、育休中に退職してしまうと、金銭面で損をする結果になる可能性があります。

    ② 育休明けと同時に退職する場合
    育休明けに退職する場合には、満額の育児休業給付金が支払われており、社会保険料の免除も最大限に活用することができますので、金銭面で損をすることはありません

    ③ 育休明け、復帰後に退職する場合
    育休明けに、いったん復職したものの、仕事と子育ての両立が難しく、退職を余儀なくされるケースもあります。
    このケースも、満額の育児休業給付金が支払われており、社会保険料の免除も最大限に利用した後の退職ですので、金銭面で損をすることはありません

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4、育休後、円滑に退職するためのポイント

育休後に会社を円滑に退職するためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

  1. (1)育休の期間をしっかりと確認しておく

    育休は、法律上認められた制度ですので、法律に従って育休を取得させるのが企業の義務となります。

    しかし、企業によっては、育休制度を正しく理解しておらず、労働者に対して、育休として必要な日数を与えていないケースもあります。
    育休は、子どもを抱える労働者の権利ですので、しっかりと権利を行使するためにも、ご自身の育休期間をしっかりと確認しておくことが大切です

  2. (2)残っている有給休暇を消化する

    育休後にいったん復職してから、退職する場合には、残っている有給休暇を消化するようにしましょう。
    有給休暇の取得は、労働者の権利ですので、退職をするからといって有給休暇の取得を躊躇する必要はありません

    再就職までの経済的不安を少しでも解消するためにも、もらえるお金は少しでも多くもらっておくべきです

  3. (3)会社に退職する理由をきちんと説明する

    会社では、労働者が育休明けに復帰することを前提に考えて、仕事の配分を決めています。育休後に退職する意向がある場合には、会社としても業務の引き継ぎや人材確保の必要性がありますので、早めに退職する意向を伝えることが大切です。

    育児と仕事の両立が大変であることは広く認知されている事情ですので、しっかりと事情を説明すれば、上司も納得してくれるはずです。

  4. (4)退職代行を利用するという選択肢もある

    ご自身で退職手続きを行うのが難しいという場合には、退職代行を利用するという選択肢もあります。

    退職代行とは?
    退職代行とは、労働者本人に代わり会社に退職の意思を伝え、退職手続きを行うサービスのことをいいます。

    退職代行は、退職代行業者が提供しているサービスもありますが、後述するように弁護士に依頼するのがおすすめです。

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5、労働問題を弁護士に相談するメリット

育休後の退職などの労働問題でお困りの方は、弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)勤務中の残業代の未払いはないか確認できる

    サービス残業をしていたり、会社の残業代計算が間違っていたなどの理由で、未払いの残業代が発生しているケースもあります。

    残業代を請求する権利は、残業代の発生から3年で時効になってしまいますので、未払いの残業代がある場合には、早めに請求することが大切です。

    弁護士であれば、残業代請求に必要な証拠収集から複雑な残業代計算まですべて対応することができ、未払いの残業代がある場合には、会社との交渉、労働審判、裁判などの方法により、しっかりと回収することが期待できます

  2. (2)退職代行をすることも可能

    「育休後に退職するのはなんだか気まずい」という方は、弁護士による退職代行がおすすめです。

    退職代行は、退職代行業者も提供しているサービスですが、退職代行業者のサービスは、あくまでも退職の意思を伝えるという点に限られます

    退職の際には、未払い残業代請求や有給休暇の消化の申請などが必要になるケースもありますが、それらにも対応できるのは弁護士だけです。
    また、退職にあたって会社とトラブルになった場合にも弁護士であれば適切に対応することが可能です。

    退職代行の利用をお考えの方は、弁護士に相談するようにしましょう。
    退職代行について、詳しくは下記のコラムをご覧ください。


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6、まとめ

仕事と育児の両立が難しいなどの理由から育休後に退職することを考える方も少なくありません。
法的には、育休後に退職したとしても何ら問題はありませんので、労働者自身の状況に応じて退職するかどうかを判断するとよいでしょう

なお、退職にあたっては、未払い残業代の請求や有給休暇の消化で会社とトラブルになる可能性もありますので、一度弁護士に相談するのがおすすめです。
会社との労働問題でお困りの方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
残業代請求、不当解雇・退職勧奨、同一労働同一賃金、退職サポート、労働災害、労働条件・ハラスメントに関するトラブルなど、幅広く労働者のお悩み解決をサポートします。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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