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不当解雇・退職勧奨の弁護士コラム

解雇を無効にして欲しい! 解雇無効にできるケースと、その後の選択肢

2021年06月07日
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解雇を無効にして欲しい! 解雇無効にできるケースと、その後の選択肢

会社から突然「解雇する」と告げられたとしても、その解雇の理由が「納得がいかない」「自分には非がないのに…」「理不尽だ」などと思ったのなら、不当解雇だとして「解雇無効」を請求できる可能性があります。

本コラムでは、不当解雇とみなされ、解雇無効と認められる可能性が高いケースについて、解説します。さらに解雇無効が認められた場合、復職するべきか否かなど、解雇後に取り得る選択肢についてもご紹介します。

目次

  1. 1、会社は無制限に労働者を解雇できる訳ではない
    1. (1)そもそも解雇とは? 解雇の種類を知ろう
    2. (2)厳格な条件をクリアしないと会社は労働者を解雇できない
    3. (3)解雇する前には、「解雇予告」をしなければならない
  2. 2、会社が労働者を解雇できる条件の例
    1. (1)「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当」であるかがポイント
    2. (2)解雇が認められる可能性が高いケースの具体例
    3. (3)整理解雇の場合には4つの要件(要素)から考慮される
  3. 3、合理的な理由のない不当な解雇は「解雇無効」の請求が可能
    1. (1)解雇が「有効」か「無効」かは、様々な事情を考慮して判断される
    2. (2)労働に関連する様々な法律で、不当な解雇は禁じられている
  4. 4、解雇無効となっても、「復職しない」という選択肢もある
    1. (1)「復職ではなく」「金銭を受け取って退職」をする人が多い
    2. (2)解雇後の賃金請求(バックペイ)という方法がある
    3. (3)復職しない場合、残業代の請求も併せて検討を
    4. (4)要注意!「解雇を受け入れた」と思われる行動をしないこと
  5. 5、解雇の無効を請求するなら、弁護士へ相談を
    1. (1)解雇理由の確認や会社との交渉などを任せることができる
    2. (2)解雇と残業、両方の相談をしたい場合も弁護士に相談してみよう
  6. 6、まとめ

1、会社は無制限に労働者を解雇できる訳ではない

最初に、解雇の定義や種類など、解雇に備えて知っておきたい基礎知識について解説します。

  1. (1)そもそも解雇とは? 解雇の種類を知ろう

    解雇とは「会社からの申し出による、一方的な労働契約の終了」を意味します。
    労働者の意思とは関係なく、会社が一方的に辞めさせるのが解雇です。

    解雇は内容によって、以下の通り大きく3つに分類されます。

    ① 普通解雇
    懲戒解雇・整理解雇以外の解雇で、能力不足や適格性の欠如、傷病による能力の低下、職務怠慢、職務規律・業務命令違反などを理由とした解雇です。

    ② 懲戒解雇
    極めて悪質な規律違反や非行を行ったときに、懲戒処分として行われる解雇です。

    ③ 整理解雇
    不況や経営不振による人員削減のために行う解雇で、いわゆるリストラのことです。
  2. (2)厳格な条件をクリアしないと会社は労働者を解雇できない

    どの解雇でも、会社が自由にいつでも行えるというものではなく、労働基準法などの法令で定められたルールにのっとって、厳格な条件をクリアする必要があります。

    たとえば、いかなる解雇であっても、後記2(1)のとおり、労働契約法16条の規制により、「客観的に合理的な理由」がなく、「社会通念上相当」でない解雇は、権利の濫用として無効とされます。

    さらに、懲戒解雇については、労働契約法15条においても、「客観的に合理的な理由」があり、「社会通念上相当」な懲戒解雇であることが認められなければ、権利の濫用として懲戒解雇が無効とされる等、普通解雇以上に厳しい規制を受けます。

  3. (3)解雇する前には、「解雇予告」をしなければならない

    加えて、いずれの種類の解雇をするにあたっても、原則として、労働基準法20条で、会社が解雇を行う際に、少なくとも30日前に解雇の予告をすることを義務付けています。
    予告をしない場合も30日分以上となる平均賃金「解雇予告手当」として支払わなければなりません。
    予告の日数が30日に満たない場合も、その平均賃金の不足分を、支払う必要があります。

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2、会社が労働者を解雇できる条件の例

会社が労働者を解雇しようとするときには、何らかの理由があるはずです。
解雇の有効性が認められるかどうかには、この「解雇の理由」の内容がポイントとなります。

  1. (1)「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当」であるかがポイント

    労働契約法16条は、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には、労働者の解雇はできないと定めています。
    つまり解雇が有効と認められるためには、「客観的に合理的な理由がある」「社会通念上相当と認められる」という2つの要件を満たす必要があるのです。

    たとえば「数回遅刻した」程度の理由での解雇は認められないでしょう。
    しかし「長期間の無断欠勤があった」といったケースであれば客観的に合理的な理由と認められる可能性があります。

  2. (2)解雇が認められる可能性が高いケースの具体例

    そのほか、客観的に合理的な解雇理由に該当すると考えられるのは、次のようなケースです。

    • 勤務成績が極端に悪く、指導しても全く改善がない
    • 業務外での病気やけがで、長期にわたり職場復帰が見込めない
    • 著しく協調性に欠けることにより、業務に支障を生じさせ、指導を行っても改善の見込みがない、など
  3. (3)整理解雇の場合には4つの要件(要素)から考慮される

    また、整理解雇の場合には、以下の4つの要件ないし要素をから解雇の有効性が考慮されます。

    • 人員削減の必要性がある
    • 解雇回避のため最大限の努力を行った
    • 解雇の対象となる人選の基準が合理的
    • 労使間で十分に協議を行った

    いくら会社側から「経営不振だから解雇は仕方ない」と言われたとしても、上記の要件ないし要素を満たしていない場合は、解雇無効となる可能性があります。

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3、合理的な理由のない不当な解雇は「解雇無効」の請求が可能

  1. (1)解雇が「有効」か「無効」かは、様々な事情を考慮して判断される

    前述の通り、解雇処分が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」、労働者が裁判で訴えれば、「解雇権の濫用」として、解雇は無効と判断される可能性があります。

    裁判所は、労働者の落ち度の大きさや会社が被った損害の重大性、やむを得ない事情があるかどうかなど、さまざまな事情を考慮した上で、解雇の正当性を判断します。

  2. (2)労働に関連する様々な法律で、不当な解雇は禁じられている

    労働契約法16条以外にも解雇処分を受けた労働者が、解雇の無効を請求できるケースがあります。
    労働に関連する様々な法律で、以下のような不当な理由による解雇が禁じられています

    労働基準法
    • 労働者の国籍や信条、社会的身分を理由とする解雇(3条)
    • 仕事中のけが、病気で療養している期間中、その後30日間の解雇、産前産後休業中、休業後30日間の女性の解雇(19条1項)

    労働組合法
    • 労働組合の結成や加入をとがめて解雇すること(7条1項1号)

    男女雇用機会均等法
    • 女性労働者が婚姻、妊娠、出産、産休取得をしたことで解雇すること(9条)

    育児・介護休業法
    • 育児休業や介護休業の申し出や利用を理由とする解雇(10条・16条)

    などです。
    このような理由で解雇された場合には、解雇無効の請求を検討するとよいでしょう。

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4、解雇無効となっても、「復職しない」という選択肢もある

  1. (1)「復職ではなく」「金銭を受け取って退職」をする人が多い

    日本の労働法制では解雇を厳しく制限しているため、労働審判や裁判で解雇が有効と認められるケースは多くはありません。

    ですが、裁判で解雇無効を勝ち取ったとしても、心理的に「一度解雇された会社には戻りたくない」「復職後の立場や人間関係が不安」と考える方も少なくないはずです。
    そうした場合は、最終的な判断として、「復職しない」というのも選択肢のひとつでしょう。

    実際、会社側と解雇無効を争う多くのケースでは「復職」ではなく「金銭を受け取って退職」という選択肢を選ばれる方が多いのが実情です。

  2. (2)解雇後の賃金請求(バックペイ)という方法がある

    不当解雇が認められた場合、解雇時点から判決確定時までの賃金相当額(バックペイ)の支払いを、解雇された会社に求めることが可能になります。

    解雇時点から判決確定時までは「無効な解雇を主張していた会社の都合で働けなかった」ことになり、「債権者(会社)の責めに帰すべき事由によって債務を履行する(労働する)ことができなくなった」といえるため、民法536条2項に基づき労働者はバッグペイを受け取る権利があるという考え方です。

    バックペイは、解雇された期間中の失業給付や別の会社で働いて得た給与と重複して受け取ることができます(ただし、月例賃金のうち平均賃金の40%は控除の対象)。
    解雇無効となっても復職せず、バックペイを請求することは、不当解雇された労働者にとって有力な選択肢といえるでしょう。

  3. (3)復職しない場合、残業代の請求も併せて検討を

    さらに、解雇前に未払いとなっていた残業代は、復職せず別の会社に就職した後でも請求できます。

    退職をするのであれば、会社での立場や人間関係を心配する必要もありませんので、退職のタイミング合わせて、残業代の請求も併せて行うことをお勧めします。

    ただしその際、残業代の請求には時効があることに注意が必要です。
    時効期間は、

    • 令和2年3月31日以前に発生した残業代は、2年
    • 令和2年4月1日以降に発生した残業代は、当面3年

    となっています。

  4. (4)要注意!「解雇を受け入れた」と思われる行動をしないこと

    復職を希望しない場合でも、解雇が無効であることを主張していくことに変わりはないので、解雇予告手当や退職金を請求する等、解雇を受け入れたと思われる行動はしないようにし、解雇を受け入れない姿勢は明確にしておきましょう。

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5、解雇の無効を請求するなら、弁護士へ相談を

不当な解雇処分を受けたときは、まず弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)解雇理由の確認や会社との交渉などを任せることができる

    解雇無効を請求するためには、さまざまな手続きが必要です。訴訟に至らないケースであっても弁護士に相談できれば安心でしょう。

    たとえば、解雇処分を受けてすぐに必要となる対応は、解雇理由の確認です。
    早い段階で、会社側の言い分、ひいては解雇の理由を確認しておけば、後に会社と交渉したり、労働審判や訴訟で争う際に、解雇の有効性の判断がしやすくなるからです。

    労働基準法22条2項は

    解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない

    と規定しています。

    また、同条1項は

    労働者が、退職の場合において、…退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

    と規定しています。

    すなわち、解雇の予告がされてから実際に解雇となる日までの在職中でも、解雇がされた後でも、労働者は、会社に対して解雇理由の証明書を請求することができます

    しかし、会社に請求しても会社側が応じないケースは多々あります。
    そうした状況でも、弁護士であれば、解雇理由の確認を含めた会社との交渉を代理することが可能です。

  2. (2)解雇と残業、両方の相談をしたい場合も弁護士に相談してみよう

    また、前述したように「退職するタイミングで残業代請求も一緒にしたい」というような場合も、弁護士へのご相談をお勧めします。

    この場合、解雇と残業代請求、両方の問題に適切に対処する必要がありますが、弁護士であれば、状況に合わせて最適な方法をご提案することができます。

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6、まとめ

会社から突然、解雇処分を受けたら、どうしたらいいのか分からず、不安になる方は多いことでしょう。

しかし解雇処分を受けても、客観的に合理的な理由がなければ有効性は認められません
不当な解雇は無効であると請求することができ、実際に裁判で解雇無効と判断されるケースも少なくありません。

解雇処分を受けてしまい請求の手続きや会社との交渉に悩んだら、労働問題の解決の実績が豊富なベリーベスト法律事務所へぜひご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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