新型コロナウイルスの感染拡大を受け、会社が経営上の危機に陥るケースが増えています。その影響で「コロナの影響で業績が悪化したから」などといわれてクビ(解雇)だと言われる方も少なからずいるでしょう。
このような有事の場合にはクビ(解雇)が有効とされることもありますが、会社が労働者を解雇するには厳しい基準が設けられており、簡単に有効とされるものではありません。
本記事では、不当な解雇と正当な解雇のそれぞれのケースを紹介するとともに、解雇の基準や納得のいかないクビ(解雇)を告げられた場合の対応方法について弁護士が解説します。
解雇の種類は大きく3つに分類されます。
次の章から、正当性が認められやすい解雇のケースと併せて解説していきます。
普通解雇とは、勤務態度の不良・能力不足が改善する見込みがない、などといったことを理由とする解雇です。こうした解雇事由については、就業規則などに規定があることが一般的ですが、規定がない場合もあります。
以下で、普通解雇の有効性の判断基準と、具体的なケースをみていきましょう。
以下のような要件に該当しない解雇は不当解雇とされ、解雇が無効となる可能性があります。
このような、能力不足や勤務態度の不良などを理由とした普通解雇の有効性は、能力評価に合理性があるのか、規律違反に対する指導や教育の実施が十分で適切であったか、などの点を総合的にみて、客観的に合理的な理由があるか、社会通念上相当といえるかによって判断されます。
病気やケガになっても、有給休暇や休職制度を利用すれば復帰できる、配置転換をすれば業務をおこなえるなどの場合は、普通解雇は無効とされる可能性が高いでしょう。
懲戒処分は、そもそも就業規則に懲戒事由を規定しなければこれを行うことができません。
また、懲戒処分をする場合は、労働者に弁解の機会があったか否かなど、懲戒処分にあたっての手続きも重要になりますので、注意しなければなりません。
クビ(解雇)に納得がいかない場合、まずは会社に対し、解雇理由証明書の交付を請求しましょう。
会社が労働者から解雇理由証明書の交付を求められた場合、会社はこれを交付しなければなりません(労働基準法第22条第1項・第2項)。
解雇理由証明書が交付されたら、クビ(解雇)の理由に間違っていることなどがないかを確認します。合理的な理由がないと思われる場合や、解雇理由に照らして解雇という処分が重すぎると思われる場合、それは不当解雇かもしれません。
次に、解雇の手続きが正しくおこなわれているのかを確認します。
会社が労働者を解雇する場合には、解雇の30日前までに予告をするか、平均賃金の30日分以上にあたる解雇予告手当を支払う必要があるため(労働基準法第20条第1項)、解雇日をよく確認しましょう。
解雇予告手当なく解雇された場合には、解雇予告手当の請求ができます。
ただし、例外的に以下の人は解雇予告の規定から除外されるため請求できません。
(労働基準法第21条各号)
なお、解雇を通告された場合の注意点として、解雇予告手当や退職金を受け取った場合には、後の裁判などで会社から「解雇を受け入れた」と主張される可能性があります。
このような主張はそう簡単に認められるものではありませんが、これから解雇の撤回を求めるなどして争う予定がある場合は、適切な対応方法について事前に弁護士に相談してから行動を起こすのがよいでしょう。
ちなみに、不当解雇を争う方法としては、次の方法が考えられます。
クビ(解雇)納得できない場合は、まず弁護士に相談しましょう。
弁護士は法律や判例の知識をもとに解雇が不当かどうかの見通しを立て、会社との交渉や法的手続きを全面的にサポートします。
不当解雇を主張して会社に解雇を撤回させ、または解雇が無効となった場合、会社に戻ることができるうえに、解雇通知から解雇撤回(解雇無効の確定)までの期間の賃金を請求できます。
しかし、個人での交渉は難航することが予想されますし、交渉が決裂した場合にご自身で労働審判や裁判を進めていくというのも難しいでしょう。
一方、弁護士が代理人となれば、会社が交渉に応じやすくなりますし、弁護士が専門的知識を有していることはもちろん、証拠収集や手続きもスムーズに進められるでしょう。
退職を前提とした和解金の交渉など、依頼者の希望に適う柔軟な対応も期待できるでしょう。
このように、会社が労働者を解雇するには一定の厳しい基準が設けられています。
「会社をクビ(解雇)になったが納得できない」「クビ(解雇)の理由に不満がある」などの場合には、お気軽にご相談ください。
ベリーベスト法律事務所には解雇をはじめとする労働問題に詳しい弁護士が在籍しています。解雇が不当であるか見極め、必要に応じて会社と適切な交渉等をおこなっていきます。
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