「会社が残業代を支払ってくれない」「上司のセクハラがひどい」など、様々な労働問題があります。こうした労働問題に悩まれている方の中には、その解決や交渉を弁護士に依頼したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、いざ依頼しようとしても、弁護士であれば誰でもいいというわけではないはずです。おそらく、労働分野を得意として積極的に取り組んでいる弁護士に依頼したいとお考えになるはずです。
そこで今回は、労働問題に強い弁護士に出会うために知っておきたい事柄について説明していきます。ご参考になれば幸いです。
労働問題と一口に言っても、様々な問題がありますが、実際に弁護士はどのような労働問題を解決してくれるのでしょうか。
おおまかに言えば、以下のような労働問題を解決してくれます。
なお、弁護士は、これら以外の労働問題でも解決してくれますので、労働問題に悩まれた際には、一度弁護士にご相談されることをお勧めします。当事務所を含め、最近では労働問題に関する相談に無料で対応してくれる事務所も多いようです。
本当に弁護士に依頼すべきかを判断するにあたり、弁護士に依頼するメリットとデメリットを知っておいた方がよいでしょう。この項目では、弁護士に依頼するメリットとデメリットを書いていきます。
① 適切な法的アドバイスを受けることができる!
会社と何らかのトラブルを抱えてしまった場合には、多大な精神的ストレスを受けてしまい、冷静な判断ができないことが少なくありません。その際、ご自身の法的主張を会社に対して冷静に伝えるためには、法律や判例、さらには通達等の専門的知識を有する人の協力が必要不可欠になります。
② 全てを弁護士に任せることができる!
ご自身の抱える労働問題に対して、ご自身の主張を証明していくためには様々な資料の収集や書類の作成、さらには交渉を会社に対して行っていくことが必要になります。しかし、これらの一連の過程の全てをご自身だけの力で行うとなると、心身ともに多大な負担がかかります。
また、ご自身で交渉した場合には、本来ならば認められるはずであった適正な権利を主張できず、その結果として不利な条件を提示され、泣き寝入りする事態にもなりかねません。
この点、会社との交渉を得意とする弁護士が戦略を立て、証拠集めのサポートをはじめ、様々な書類の作成や会社との交渉等を順序良く行います。そうすることで、依頼者の時間的・精神的な負担が軽減されるとともに、より有利な条件で問題を解決することが可能です。
③ 労働審判や裁判でも弁護士がそのまま引き続き問題解決にあたってくれる!
会社と話し合いすることで労働問題が解決すればいいのですが、必ずしもそうなるとは限りません。もし、交渉で問題が解決しない場合、会社の対応によっては、労働審判(事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブルをそのトラブルの実情に即し、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的として、平成18年に創設された手続きのことを言います。)の申立てや訴訟を行う必要があります。
この場合、法的主張や証拠による立証をしなければならないため、より高度の専門性が必要とされます。
この点、労働審判や訴訟では、労働問題に関する法律の専門知識を持った弁護士が代理人として出頭し戦略を立て、会社の主張の誤りを指摘して依頼者に有利な主張をするなど、労働審判や訴訟を有利に進めることができます。
労働問題を弁護士に依頼した場合のデメリットは、弁護士費用がかかることです。以下で、おおまかにではありますが、労働問題を弁護士に依頼した場合にかかる弁護士費用についてご紹介します。
① 相談料
弁護士に相談する際にかかる費用のことです。通常、1時間1万円(税別)が相場ですが、当事務所を含め、初回相談無料で対応している法律事務所が増えているようです。
また、法律事務所によっては、労働問題に関する相談は何度でも無料というところもありますので、一度ご相談される弁護士事務所に確認してみると良いでしょう。
② 着手金
弁護士に案件を依頼する際(委任契約時)に支払う費用のことです。
この着手金の金額は、依頼する事件によって区々であり、弁護士事務所によっては完全成功報酬制(お金を回収できなかった場合には費用は一切発生しないシステムのことを言います。)のもとで着手金を請求しないところもあります。詳しくは、ご相談される弁護士事務所に確認してみると良いでしょう。
③ 報酬金
案件終了後に、その具体的な成果に応じて支払う費用のことです。この報酬金は、裁判で全部棄却判決を受けた場合など、全く成果が上がらなかったような場合には、原則として発生しないことになっています。
そして、報酬金も着手金と同様、依頼する事件によって料金体系が区々でありますので、ご相談される弁護士事務所に一度確認してみると良いでしょう。
④ 実費
例えば、内容証明郵便を作成・送付した場合には、上記以外に実費がかかることがあります。ただし、弁護士事務所によっては、実費がかからないところもあるようなので、やはりご相談される弁護士事務所に一度確認してみると良いでしょう。
ここまで読んで頂いて、弁護士に依頼することを決め方が次に気になるのは、弁護士の探し方ではないでしょうか。ここでは労働問題に強い弁護士の探し方について書いていきます。
まずは、実際に弁護士を知っている親族や友人などにその弁護士が所属している弁護士事務所を紹介してもらうという方法があります。
もし、その親族や友人の方が実際に依頼したことがあるのであれば、より丁寧に対応してもらえる可能性があります。
インターネットを使える環境にある人は、労働問題に関して詳しく情報が載っているホームページを持っている法律事務所を探すのも一つの方法です。インターネットで労働問題に関する事項を検索(例えば、「労働問題 弁護士」など)して、表示された法律事務所のホームページを確認してみると良いでしょう。
また、ご自身の抱えている労働問題をご自身がピンポイントに把握(例えば、残業代請求や退職勧奨など)できるのであれば、検索する際に、「残業代請求 弁護士」や「退職勧奨 弁護士」と検索することで、ご自身により適した弁護士事務所を探すことができるでしょう。
現在、「弁護士ドットコム」など、多くの弁護士が登録する弁護士検索サイトがいくつか存在しています。そこでは、各弁護士が自己の得意分野を紹介しているので、労働問題を得意分野として挙げている弁護士が所属する弁護士事務所を探すのも一つの方法です。
一口に弁護士といっても、扱う分野は様々なので、弁護士全員が労働問題に強いわけではありません。そこで以下では、労働問題に強い弁護士を探すポイントについて説明していきます。
繰り返しになりますが、弁護士にもそれぞれに得意分野があり、そこでの経験や実績は大きなポイントになります。特に労働問題の分野は、法律の知識はもちろんですが、裁判例の知識、さらには細かな通達に精通している必要があるなど、専門性が高い分野です。
最近では専門分野の実績をホームページに掲載している法律事務所も多いです。もし、ホームページ中で労働問題を全面に押し出していれば、その事務所は経験や実績を伴っている可能性が高いです。一方で、単に取扱い案件としているだけであれば、それ程労働問題を扱っていない可能性があります。
これら経験・実績がどのくらいあるかは、まずはホームページを確認してみると良いでしょう。
実際に弁護士に相談する際には、その弁護士の説明が分かりやすいかどうかをチェックするようにして下さい。労働問題に限らず、法律の分野では専門用語が非常に多く、日常生活で使用している言葉と同じ単語であるにもかかわらず、意味内容が異なることもしばしばあります。そのため、専門用語をそのまま羅列して法律の素人である一般の方を煙に巻くような弁護士では、信頼関係などは築けませんし、丁寧な仕事をしてくれるのか、不安が残ります。
また、相談時には、質問への回答もきちんと見るようにしましょう。弁護士が質問に素早く、そして的確に答えられるのであれば、労働問題についての知識や経験の裏付けになるからです。
労働問題は、交渉の相手方が企業、とりわけ大企業であったりする場合には、その大企業が依頼した弁護士が交渉相手になります。
そのため、依頼するならば、安易に妥協しない、交渉力を持った弁護士がいいので、相談時にはその弁護士が頼れる雰囲気かどうかを確認しましょう。
今回は、労働問題に関して弁護士に依頼するにあたって知っておきたい事柄について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。今回の話が、労働問題に悩まれている方の参考になれば幸いです。
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