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不当解雇・退職勧奨の弁護士コラム

コロナで不当解雇! 失業保険は受給可能? 解雇を会社と争うには?

2020年07月29日
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コロナで不当解雇! 失業保険は受給可能? 解雇を会社と争うには?

新型コロナウイルスの影響で、業績が悪くなり解雇されてしまったという例が後を絶ちません。 令和2年6月末にはその人数が2万9000人に上っています。

急に勤め先から不当解雇されると、いいようのない怒りの気持ちがわき上がると同時に、当面の生活をどうすればよいのか、経済面の不安も押し寄せてくるものです。

新型コロナウイルスによる給付金などの制度もありますが、 失業中に受け取れる金銭といえば多くの方が失業保険を思い浮かべるでしょう。しかし不当解雇の場合における取扱いはどうなるのでしょうか。会社と不当解雇を争う場合には、失業ではないのだから受給できないのか、あるいは係争の結果に影響を与えるのではないかとの懸念も生じます。

この記事では、不当解雇と失業保険をテーマに、勤め先と不当解雇を争う方法を含めて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、失業保険を受け取れる条件

失業保険とは、失業中の生活を安定させるために国(雇用保険)から支給される金銭を指します。
正式には基本手当といいますが、一般に失業保険や失業手当などと呼ばれています。
所定給付日数(何日もらえるのか)
退職したときの年齢や退職の理由、被保険者期間、就職困難者なのかによって変わり、90日~360日の間で決まります(雇用保険法第22条1項、第23条1項)。

基本手当日額(1日あたりいくらもらえるのか)
退職前6か月間の賃金を180で割った金額の45%~80%となります(雇用保険法第16条、17条1項)。

ただし、誰でも受け取れるものではなく、以下の条件を満たし、ハローワークに「求職の申し込み」をする必要があります。

① 再就職の意思と能力がある
失業保険は、再就職する意思と能力があるにもかかわらず再就職できていない人の生活を支えるための手当です。
したがって、再就職するつもりがない場合や、病気やケガ、妊娠などの理由ですぐに再就職できる状態にない場合は、労働の意思及び能力が慎重に判定されることになります。

② 雇用保険の被保険者期間が12か月以上ある人
退職の日以前の2年間に、被保険者期間が通算して12か月必要です(雇用保険法第13条1項)。
ただし、倒産や解雇など一定の事由によって退職した場合は、退職の日以前の1年間に通算して6か月あれば要件を満たします(雇用保険法第13条2項)。
たとえば、学校を卒業して初めて就職した人が、入社から6か月たたないうちに退職したような場合、理由を問わず失業保険の対象外になるということです。

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2、不当解雇された場合、失業保険は受け取れる?

不当解雇でも、もちろん失業保険を受給できます。
ただし、ご自身が置かれている状況によって一定の違いがあります。

  1. (1)退職の理由によって、給付開始時期が異なる

    退職の理由が「会社都合」か「自己都合」によって、給付される時期が異なります。
    雇用保険法第33条が定める「給付制限」です。

    ① 会社都合の場合
    一般に、雇用保険の「特定受給資格者」(雇用保険法第23条2項)に該当する退職を会社都合退職と呼ぶことがあります。
    特定受給資格者とは、倒産・解雇等により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた者のことです。

    賃金が大幅に減額された、賃金が未払いだった、育児休業制度の利用を不当に制限された、パワハラを受けたといった場合も該当する可能性があります。
    会社都合の場合は給付制限がないため、待機期間の7日と手続き期間を経てすぐに給付されます。倒産や解雇などの理由で退職したケースがこれにあたります。

    ただし、自己に責任がある重大な理由によって解雇された場合は、給付制限の対象となります。

    ② 自己都合の場合
    一方、自己都合の場合は3か月の給付制限にかかります(雇用保険法第33条1項)。
    たとえば、退職理由がステップアップのため、人間関係が嫌になったためなどのケースが該当します。

    ただし、「正当な理由のある自己都合」の場合は、「特定理由離職者」として、会社都合の場合と同じように早期に失業保険を受け取ることができます(雇用保険法第13条3項、同法附則第4条、雇用保険法施行規則第19条の2)。

    たとえば、病気やケガ、家族の介護のためなど、やむをえない事情で辞めたケースが「正当な理由のある自己都合」と扱われます。

  2. (2)不当解雇を争っている間の「仮給付」

    不当解雇された際、解雇が無効であるとして会社と争うことが可能です。
    会社と争っている間、会社は解雇が正当だとして賃金を支給しないわけですが、一方で失業を前提とした失業保険は受けられないとなれば、生活が困窮してしまう可能性があります。

    そこでハローワークでは、解雇の係争中(労働審判、労働訴訟などの裁判上の争いを指し、裁判外の交渉は除きます。)における失業保険の「仮給付」を認め、通常の失業保険と同じ金額を受け取れるようになっています。

    しかし、あくまでも「仮」なので、解雇が無効だと認められた場合は失業していなかったことになり、受け取った失業保険を返還しなくてはなりません。

    一方で、解雇が無効だと認められた場合には、解雇期間中の賃金を受け取ることができます。
    場合によっては、不当解雇を理由とした損害賠償金や和解金を得られる可能性もあるでしょう。

    もし解雇が正当だとされた場合は、失業保険をそのまま受け取ることができます。
    仮給付の有無は不当解雇の係争結果に影響はしませんので、申請するデメリットは特にないといえるでしょう。

  3. (3)会社都合のはずが自己都合になっている! どうしたらいい?

    退職理由は離職票に記載されていますので、よく確認してください。

    もし、会社都合にもかかわらず、自己都合と書かれていた場合、ハローワークを通じて会社へ是正を求めましょう。それでも改善されない場合は、ハローワークへ異議申立てもできます。まずは窓口で流れを確認してみることをおすすめします。

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3、不当解雇を争う方法

納得できない理由で解雇されてしまった場合に、会社と不当解雇を争う方法をご説明します。

① 解雇の有効性を検証
まずは解雇の有効性を検証する必要があります。
労働契約法第16条により、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効となります。

したがって、解雇に合理的な理由があるのか、あったとしても解雇に値する理由なのかといった点を検証することになります。
解雇が無効となれば、原則として無効となるまでの期間の賃金を請求できます。

② 会社と交渉
次に、会社と任意の交渉を行うことが一般的です。
交渉の内容は、ご自身が何を希望されるのかによって異なります。
主な交渉の内容

  • 解雇を撤回させて復職を目指す
  • 解雇は無効だが復職せず、損害賠償金や和解金を受け取り退職する

③ 法的手段(労働審判や訴訟)
任意の交渉が決裂した、あるいは交渉に応じてもらえない場合は、法的手段を利用します。方法としては、労働審判や訴訟(労働裁判)の提起があります。
労働審判とは、解雇などの労働トラブルを柔軟に解決するために設けられている制度です。原則3回以内の期日で審理するため、早期の解決を目指すケースでよく利用されます。

失業保険の仮給付を受ける場合の注意点
なお、失業保険の仮給付を受ける場合、解雇について係争中であることを示すために、裁判所の受領印のある訴状のコピー、労働審判申立書のコピーなどが必要になります。
離職票や身分証明書などの必要書類とあわせてハローワークに提出しましょう。

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4、不当解雇などの労働問題を弁護士に依頼するメリット

不当解雇などの労働問題は、弁護士へ相談されることをおすすめします。

  1. (1)法的な観点から的確なアドバイス・対応をすることができる

    そもそも不当解雇にあたるのか、和解金や損害賠償金を得られる可能性がどの程度あるのかなどの判断は、個別の案件ごとに法的な知識を必要とします。

    ① ハローワークに相談した場合
    失業保険の仮給付に関してハローワークに問い合わせることは必要です。
    もっとも、解雇が不当かどうかなどの個別の労働問題に関する相談をしても、一応のアドバイスは受けられるかもしれませんが、手続きに必要なものなど事務的な内容に限定した回答しか望めないでしょう。
    当然ながら、会社に相談しても納得のいく回答はなかなか得られないでしょう。

    ② 弁護士に相談した場合
    弁護士であれば、事務的な内容に限らず、相談者の希望や置かれた立場を考慮して、今後の対応を一緒に考えることができます。

    失業保険や未払い給与、和解金や損害賠償金など、どのような金銭を受け取れるのかを含めてアドバイスしてもらえるため、失業中の生活に不安を感じている方も安心できるでしょう。

    状況によって職場に復帰するべきかどうかといった相談にも応じることができます。

  2. (2)弁護士へ相談するタイミングはいつがいい?

    弁護士へ相談するタイミングとしては、できるだけ早いほうが望ましくあります。

    特に不当解雇の場合は、会社が解雇した場合に退職合意書への署名を求めてきたりすることがありますので、取り返しのつかない事態とならないよう慎重に判断するべき点があります。任意で会社と交渉する場合にも、交渉力や情報収集力の面で劣る個人が会社と対峙するのは難しい面があります。

    弁護士を介することで迅速な解決が期待できますので、法的手段の利用を避けたいと感じている方にもメリットが大きいでしょう。

    労働審判や訴訟を利用する場合でも、早い段階で弁護士に相談しておくと、その後のサポートがスムーズです。

    どのような方法を選択するのかも含め、弁護士へアドバイスを仰ぐと、ご自身にとってよりよい選択肢が見つかるはずです。

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5、まとめ

不当解雇された場合は、失業保険の仮給付制度がありますが、これは労働審判や訴訟など裁判上の手続きを踏んでいることが必要となり、少しハードルが高いと思います。

そのため、会社との交渉が難しい場合は、弁護士への相談をおすすめします。
状況やご希望に応じて適切な方法を選択できるため、理想的な条件での解決に近づくでしょう。

不当解雇問題でお悩みであれば、解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所へお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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