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内定取り消しされた! 違法? 理由別に分かるOK例とNG例

更新日:2026年01月28日
公開日:2024年01月11日
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内定取り消しされた! 違法? 理由別に分かるOK例とNG例

実は、会社が一方的に内定を取り消すことは、違法であるケースが少なくありません。

就職活動・転職活動が終わって安心感で満たされていたところ、突然に「内定取り消し」の通達を受けてしまった場合、内定取り消しをした会社に対して、何ができるだろうと考える方もいるはずです。

本記事では、内定取り消しが違法かどうかの判断基準や具体例、「違法な内定取り消しかもしれない」と思ったときの対処法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、内定取り消しは違法になる? 法的な考え方を解説

「内定」とは、通常、会社と内定者の間で将来の入社を合意する契約です(=始期付解約権留保付労働契約)。

内定時点で労働契約が成立していると解されるため、会社による一方的な内定取り消しは「解雇」に準じて扱われ、通常の解雇と同様に厳しい制限が設けられています

【内定取り消しには条件がある】
内定取り消しは、下記①②の要件を両方満たしていなければ認められません

  • ① 使用者(経営者や事業主など)が採用内定当時において知ることができず、また知ることが期待できないような事実を理由とすること
  • ② 内定取り消しが解約権留保の趣旨・目的に照らして客観的に合理的であり、かつ社会通念上相当として是認できること

不合理な理由による内定取り消しは無効であり、内定者は会社に対して、労働者としての地位の確認(≒入社)や損害賠償を請求することが可能です。

2、内定取り消しNG! 違法の可能性が高い4つのケース

内定取り消しが違法と判断される可能性が高いと考えられるケースを4つ紹介します。

  1. (1)業績の悪化を理由とする場合

    業績が悪化した際、人件費を削減するために内定を取り消す会社が稀に見られます。
    しかし、少々業績が悪くなっただけでは、内定取り消しは認められません。内定者の地位があまりにも不安定になってしまうからです。

    後述する、整理解雇の要件を満たしていない限り、業績の悪化を理由とする内定取り消しは違法となる可能性が高いです。

  2. (2)事実誤認による場合

    たとえば「内定者が犯罪行為をした」という噂を信じて内定を取り消したところ、実際に犯罪行為をしたのは別人だったことが分かったとします。

    このように、会社が不確かな噂を軽信し、事実誤認に基づいて行われた内定取り消しは違法・無効となる可能性が高いです。

  3. (3)選考時に把握できた事情を理由とする場合

    内定時点で会社が把握できていた事情を理由として、内定を取り消すことは認められません

    たとえば採用選考中に、会社側に対して犯罪歴を有する事実を伝えていたとします。
    会社側は犯罪歴を知りながら内定を出したのですから、その犯罪歴を理由として内定を取り消すことは認められない可能性が高いです。

  4. (4)内定者の行為に照らして、内定取り消しが重すぎる場合

    内定者の不適切な行為が判明しても、それが軽微なものにとどまる場合の内定取り消しは「重すぎる処分」と評価され、違法となることがあります

    たとえば、自動車の運転中にわずかなスピード違反で取り締まりを受けたケースで考えてみましょう。内定者が事故を起こしたわけでもなく、スピード違反の程度も軽微であるならば、それだけを理由に内定を取り消すのは相当とはいえず、無効と判断される余地があります。

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3、内定取り消しOK! 違法ではないケース

適法の内定取り消しである可能性が高いと考えられるケースを紹介します。

  1. (1)経歴や資格などの虚偽申告が発覚した場合

    学歴や職歴、保有する資格などについて、会社に対して虚偽の申告をしたために内定取り消しを通知された場合は、適法と認められる可能性が高いでしょう。

    内定者と会社の間の信頼関係を破壊する行為であるとともに、特に職歴や保有資格などに関する虚偽申告は、実際の業務にも影響を及ぼすと考えられるためです。

  2. (2)犯罪や重大な非行が判明した場合

    内定後に、内定者の犯罪や重大な非行が判明した場合は、内定取り消しが認められる可能性が高いと考えられます。

    また、犯罪行為に限らず、内定時に作成した契約書や誓約書への違反、SNSでの不適切な発言なども、悪質な場合は内定取り消しの原因になり得るため、注意しましょう。

    このような場合には、内定者と会社の間の信頼関係が損なわれるだけでなく、内定を維持することで会社の対外的評価や信用が毀損されるおそれがあるためです。

  3. (3)健康上の理由で業務遂行が困難になった場合

    内定後に、内定者の健康状態が悪化して業務遂行が困難になった場合は、内定取り消しが適法と認められる可能性があります。

    ただし、健康状態の悪化の程度が軽微にとどまり、短期間で完治する見込みがある場合や、配置転換などによって業務に従事することが可能な場合は、内定取り消しが違法になり得ます

  4. (4)学校を卒業できなかった場合

    高等学校や大学などの卒業予定者に内定を出したものの、単位不足などによって卒業できなかった場合には、内定取り消しが違法ではないと判断されることがあります

    内定時に想定していた学歴を得られないうえに、卒業するために学校へ通い続ける必要がある場合は、会社の業務に専念することが難しくなるためです。

  5. (5)極端に業績が悪化し、整理解雇の要件を満たす場合

    少々の業績悪化を理由に内定を取り消すことは原則として認められませんが、経営が深刻な状況に陥った場合には、内定取り消しが適法と判断される可能性があります

    その可否を判断する際に参考になるものが、「整理解雇の4要件」です。
    下記の要件をいずれも満たしていれば、業績悪化を理由とする内定取り消しが正当とされる可能性が高いと考えられます。


    整理解雇の4要件 概要
    人員削減の必要性 高度の経営不振に陥り、人員を削減する必要性が極めて高いこと
    解雇回避努力義務の履行 解雇(内定取り消し)を避けるため、別の手段を講じるなどの努力を尽くしたこと
    (例)役員報酬の削減、希望退職者の募集、新規採用の抑制など
    被解雇者選定の合理性 解雇(内定取り消し)の対象者を選ぶ際、合理的かつ公平な基準を定めたうえで、その基準を適切に運用したこと
    解雇手続きの妥当性 解雇(内定取り消し)の必要性などにつき、従業員や労働組合の納得を得るため、十分な説明を尽くしたこと

4、「違法な内定取り消しかも?」と思ったときの対処法

会社から突然内定取り消しを通知されたときは、会社に対して内定取り消しの理由や補償の有無を問い合わせましょう。
このとき、証拠を残すためにも、口頭ではなく書面またはメール等での理由開示を求めるようにしてください。

また、新卒内定者であれば、大学や学校のキャリアセンターに相談することで、会社との調整に入ってくれることもあります。
会社の説明に納得できないときは、内定取り消しの無効主張や、損害賠償請求を検討すべきです

弁護士に相談すれば、これらの法的主張を行う上で必要な準備や、対応上の注意点などについてアドバイスを受けることができます。

【やり取りの記録は証拠になる】
内定取り消しの無効主張や損害賠償請求を成功させるには、会社とのやり取りに関する記録を確保することが大切です。
内定通知書やメールを保存しておくほか、通話などによるやり取りも録音しておきましょう。

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5、内定取り消しの違法性が問題になった裁判例

以下では、内定取り消しの違法性が問題となった裁判例を紹介します。

  1. (1)最高裁判所昭和54年7月20日判決(大日本印刷採用内定取り消し事件)

    【事案の概要】
    学生Xは、大学の推薦を得てY社の求人募集に応募し、Y社からの採用内定通知を受けました。
    それにより、Xは、他社への応募を辞退したところ、Xが大学を卒業する年の2月に突然理由を示すことなくY社から採用内定を取り消す旨の通知が送られてきました

    Xは、他社への就職も事実上不可能な時期に内定取り消しを受けたことで、損害を被ったとして、従業員としての地位確認と損害の賠償を求めて、裁判所に訴えを提起しました。

    【裁判所の判断】
    裁判所は、採用内定の法的性質を始期付解約権留保付の労働契約と認めました。

    そして、採用内定を取り消すためには、採用内定当時に知ることができず、また知ることが期待できない事実であり、これを理由に採用内定を取り消すことが解雇権留保の趣旨や目的に照らし、客観的に合理的と認められることおよび社会通念上相当といえることが必要という判断枠組みを示しました。

    本件では、Xがグルーミー(暗い、陰気)な印象であり、採用内定後にそれを打ち消す事情が出てこなかったために内定取り消しがなされました。

    しかし、グルーミーという事情は、当初から分かっており、内定前の段階で十分な調査を尽くせば従業員としての適格性は十分に判断できたとして、違法な内定取り消しにあたると判断しました。

    【支払われた金額】
    この事件では、地位の確認および賃金の支払いが一部認められました

  2. (2)東京地方裁判所平成16年6月23日判決(オプトエレクトロニクス事件)

    【事案の概要】
    Xは、転職活動の一環としてY社の採用面接を受け、内定通知を受けるに至りました。それにより、最終面接待ちの他社をすべて断り、元の職場を退職するなどしてY社への入社に向けて準備を進めていました。

    しかし、Y社に勤務する社員からXに関する悪いうわさを聞き、最終的にY社は、Xに対して採用内定取り消しを行いました。
    Xは、これを不服として、未払い給料および慰謝料の支払いを求めて裁判所に訴えを提起しました。

    【裁判所の判断】
    裁判所は、採用内定取り消しの理由となった採用内定者Xに関する悪いうわさは、あくまでも伝聞であり、うわさの域をでないものばかりで、当該うわさが真実であるとする証拠も存在しないと認定し、Yによる採用内定取り消しは、違法であると判断しました。

    【支払われた金額】
    Y社に対しては、2か月半分の給与相当額の支払いと慰謝料100万円の支払いを命じました。

6、内定取り消しについて弁護士に相談するメリット

一方的な内定取り消しに対して反論する際には、事前に弁護士へご相談ください。

【弁護士に依頼するメリット】
弁護士に依頼するメリット 手間やストレスを減らせる!:面倒な手続きや会社側との交渉を自分の代わりに、ほぼ全て任せることが可能 会社から支払われる金額が多くなるかも!:残業代・和解金・慰謝料等が多く得られる可能性がある 弁護士のサポートで、交渉から手続きまで安心!:解決策がみつかる 証拠資料を法的に判断 証拠がない場合、集め方をアドバイス 会社はいい加減な対応ができなくなる 弁護士が代理人として会社と交渉 労働審判、訴訟(裁判)をサポート

弁護士に相談すれば、内定取り消しが違法かどうかを判断してもらえるだけでなく、どのような主張や請求が可能か、見通しを具体的に知ることができます
また、正式に依頼すれば、会社との交渉を任せることも可能です。

弁護士は内定通知書ややり取りの記録をもとに論点を整理し、慰謝料や逸失利益など損害賠償の請求額についても適切に算定できるため、自分で対応するよりも有利な条件で解決できる可能性が高まります

さらに、交渉がまとまらない場合でも、労働審判や訴訟などの裁判手続きの対応も弁護士に任せられるので安心です。

労働審判は数回の期日で迅速に解決する制度であり、裁判よりも短期間で結論が出ることも少なくないため、早期解決を目指すうえでも弁護士のサポートは大きな力になるでしょう。詳しくは、弁護士に依頼するメリットをご覧ください。

ベリーベスト法律事務所は、内定取り消しを含む会社とのトラブルに関するご相談を随時受け付けております。労働問題専門チームの経験豊かな弁護士が親身になってサポートいたしますので、内定取り消しでお悩みの方は、まずは当事務所までお問い合わせください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
残業代請求、不当解雇・退職勧奨、同一労働同一賃金、退職サポート、労働災害、労働条件・ハラスメントに関するトラブルなど、幅広く労働者のお悩み解決をサポートします。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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