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労働条件・ハラスメントの弁護士コラム

試用期間の延長ってアリ? 違法? 労働者が確認すべきこと

2023年04月06日
  • 労働条件・ハラスメント
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試用期間の延長ってアリ? 違法? 労働者が確認すべきこと

企業では、入社後に労働者の能力を評価するための「試用期間」を設けているのが一般的です。試用期間中の働き方を見たうえで、試用期間終了後本採用に移行します。

しかし、企業によっては、試用期間の終了間近になって試用期間の延長を言い渡してくることがあります。このような試用期間の延長は、違法ではないのでしょうか。

今回は、試用期間延長の違法性や試用期間の延長を言い渡された場合の対応について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、試用期間とは

試用期間とは、どのような目的で設けられる期間なのでしょうか。
以下では、試用期間に関する基本的事項について説明します。

  1. (1)試用期間中の本採用の拒否は、法律上は解雇と同様

    試用期間とは、採用した労働者の能力や適性を見極めるために本採用前に設けられている期間のことをいいます
    試用期間中は、会社が自由に本採用を拒否することができると考える方もいるかもしれません。

    しかし、会社側が期間を設けた趣旨・目的が上記のとおり労働者の適性の評価・判断にあるものであるときは、期間の満了により雇用契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情がある場合を除き、会社と労働者との間には労働契約が成立しています(最判平成2年6月5日・神戸弘陵学園事件)。

    そのため、本採用の拒否については、法律上は解雇と同様に処理されることになります。

  2. (2)試用期間の長さに法律上の決まりはないが、無制限に長くはできない

    なお、試用期間の長さは、法律上の決まりはありませんので、各企業が自由に設定することができます。一般的には、3か月から6か月程度の期間が設定されます。

    もっとも労働者の適性の判断という試用期間の趣旨を超えた必要以上に長期間にわたる試用期間は、

    • 公序良俗(民法90条)に反し無効となる
      判例:名古屋地判昭和59年3月23日・ブラザー工業事件

    または

    • 合理的な期間の限度でのみ有効となる
      判例:東京地判平成25年1月31日・リーディング証券事件

    などとした裁判例がありますので、無制限に長くできるというわけではありません。

  3. (3)会社が試用期間を設ける目的

    会社が労働者を採用する場合には、書類選考や面接などを行い、労働者の能力や適性などを判断します。

    しかし、書類選考や面接だけでは、労働者の能力や適性を正確に見極めることは困難であることから、入社後に試用期間を設けて労働者の能力や適性の正確な判断を行うのです。

    このように試用期間は、労働者の能力や適性を判断することを目的として設けられる期間であることから、試用期間満了後本採用を拒否する場合には、通常の解雇よりも解雇の有効性は多少緩やかに判断されます。

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2、会社が試用期間を延長する主な理由

当初定められた試用期間が、期間満了間近で延長されることがあります。
会社が試用期間を延長するのにはどのような理由があるのでしょうか。

  1. (1)もう少し仕事ぶりを見たい

    書類選考や面接を踏まえて仮採用されたとしても、人によっては新しい職場にすぐにはなじむことができずに、本来の能力を発揮することができないこともあるでしょう。

    労働者の本来の適性を見極めるには、当初設定していた試用期間では短かかったという場合に、会社が労働者の能力や適性をさらに見極める目的で試用期間を延長することがあります。

  2. (2)病気や怪我などで就業期間中休みが多かった

    試用期間中に病気や怪我などによる欠勤が多かった場合、会社は労働者の能力や適性を十分に判断することができません。
    このような場合にも、会社は、労働者の能力や適性を見極めるために試用期間を延長することがあります。

  3. (3)他の部署での適性も確認したい

    書類選考や面接の結果を踏まえて配属した部署での働きが期待していたレベルに達していないという場合には、会社が、他部署での適性の有無を判断するために、試用期間を延長することがあります。

    本来は試用期間満了時に職務不適格として本採用を拒否できる事案で、解雇を猶予して、別の職場での適格性を再判定するために行われる延長は、労働者の生活や雇用の安定に資するものとして許容されることがあります(東京地判昭和60年11月20日・雅叙園観光事件)。
    また、当初の部署での仕事内容が途中で変更になったという場合にも変更後の仕事への適性を判断するために、会社が試用期間を延長することがあります。
    試用期間が延長された場合には、後述する判断基準によって試用期間の延長が違法であるかが判断されます。

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3、試用期間の延長は違法ではないのか?

試用期間の延長は、労働者の地位を長期にわたって不安定な状態に置くことになりますので、無制限に許されるものではありません。
以下の事情が満たされる場合にのみ、試用期間の延長が有効(適法)となります。

  1. (1)労働契約上の根拠があること

    試用期間を延長する場合には、労働契約上の根拠が必要です。

    具体的には、就業規則や雇用契約等において、試用期間延長の可能性及びその事由、期間などが明らかに定められていなければ、試用期間の延長をすることはできません。
    雇用契約や就業規則に根拠があるかどうかは、雇用契約書や就業規則を確認することによって判断することができます。

    しかしながら、ご自身の場合に、雇用契約書や就業規則の記載で延長が許されるのかどうかの判断は難しいですから、雇用契約書や就業規則をお持ちになって弁護士に相談されるのがよいでしょう。

    また、雇用契約書や就業規則には規定はないものの、労働者自身が真に同意しているという場合にも、試用期間の延長は可能です。
    ただし、労働者自身が真に同意していたと言えるためには、労働者の自由意思に基づくことが要求され、形式的な同意だけでは延長は認められません

  2. (2)合理的な理由があること

    試用期間を延長することについて、労働契約上の根拠があったとしても、直ちに延長が認められるわけではありません。
    試用期間の延長をする合理的な理由がなければ試用期間の延長は、違法となる可能性があります。

    試用期間を延長する合理的な理由とは、たとえば、「試用契約を締結した際に予見し得なかったような事情により適格性等の判断が適正になし得ないという場合」などを言います(長野地裁諏訪支判昭和48年5月31日・上原製作所事件)。

    なお、合理的な理由の有無は、法的評価を伴うものとなりますので、ご自身ではその判断が難しいでしょう。実際の試用期間の状況や、過去の裁判例などを踏まえて、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

  3. (3)社会通念上妥当な長さの試用期間であること

    試用期間が延長されると、本採用まで不安定な地位に置かれることになり、労働者にとっては不利益な扱いを受けることになります。したがって、試用期間の延長が認められるとしても、その期間は社会通念上妥当な長さであることが必要です。たとえば、延長の期間が3か月という短いものであることが延長の有効性にあたり考慮された裁判例があります(東京地判平成12年3月22日・中田建材事件)。

    何度も試用期間の延長を繰り返される、不当に長い期間である、などという場合には、試用期間延長の無効を主張することができる可能性もあります
    そのため、そのような扱いを受けている場合には、弁護士に相談するようにしましょう。

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4、試用期間が延長された場合にやるべきこと

試用期間が延長された場合には、以下のような対応を検討しましょう。

  1. (1)延長理由と期限の確認

    試用期間を延長されたからといって、必ずしも本採用が見送られるというわけではありません。上記2章(3)で述べたように労働者の能力や適性をじっくりと見極めるために、十分な期間を設ける趣旨で試用期間が延長されることもあります。
    また、別の部署での適性が認められれば、試用期間の延長後に本採用となる可能性もあります。

    そのため、まずは会社に対して、試用期間が延長された理由と、その期間を明らかにしてもらいましょう。

  2. (2)試用期間を延長されても、前向きに働く

    そして、延長理由を踏まえて、前向きに仕事に取り組むことが大切です。
    試用期間が延長されたからといって、仕事にまじめに取り組まないでいると、能力や適性不足、勤務態度不良といった理由によって、本採用を拒否されてしまう可能性があります。

  3. (3)解雇予告手当を貰っているか確認

    なお、試用期間中であっても企業が労働者を解雇するには、労働基準法上のルールが適用されますので、会社は解雇日の30日前までに解雇予告をするかまたは解雇予告手当の支払いをする必要があります(労働基準法20条参照)。
    もし、解雇予告手当を貰っていない場合は、弁護士に相談しましょう。

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5、違法な延長の疑いがある場合には、専門機関に相談

試用期間を延長された場合に、その期間が不当に長かったり、延長を繰り返されていたりする場合には、違法である可能性があります。
そのような場合には、以下のような場所に相談をすることも有効な手段となります。

  1. (1)労働基準監督署

    労働基準監督署(労基署)は、事業所が労働基準法などの労働関係法令に違反していないかどうかを調査し、監督する機関です。

    試用期間の延長について会社から違法な扱いを受けている場合には、労働基準監督署に相談をすることによって、聞き取り調査、さらに立ち入り調査(臨検)、書類提出要求等が行われることがあります。
    違法性が認められれば、指導や是正勧告などの対応をしてもらうことも期待できます

    ただし、労働基準監督署はあくまでも中立的な機関になりますので、労働者の代理人として会社と交渉をしてくれるわけではありません。
    また、相談しても必ずしも動いてくれるとは限りません。

  2. (2)労働局

    労働局は、都道府県ごとに設けられる労働基準監督署の上部組織です。
    ワンストップサービスとしての総合労働相談コーナーがあり、必要に応じて労働局長の助言・指導、労基署への取次ぎなどを行うこともあります

    ただし、労働局も労働基準監督署と同様、必ずしも労働者の代わりに会社と交渉してくれたり、動いてくれるわけではありません。

  3. (3)弁護士

    ご自身の試用期間の延長の無効を主張して会社と交渉をしていくのであれば、弁護士に相談をすることをおすすめします。

    依頼を受けた弁護士は、労働者の代理人として会社と交渉をすることができますし、事案によっては労働審判や裁判といった法的措置をとることも可能です

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6、まとめ

試用期間の延長は、契約上の根拠があり、それが許される合理的な理由がない限り許されません。契約上の根拠や合理的な理由がない場合、延長された試用期間があまりに長期の場合には、試用期間延長が無効であることを会社に対して主張することもできます。

試用期間の延長をされたが納得がいかない場合や本採用拒否をされたという場合には、弁護士に相談 をすることによって解決できる場合があります。

試用期間に関する労働問題でお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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