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労働問題全般の弁護士コラム

休憩時間が取れない! 法律上のルールや違法となるケース

2023年03月30日
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休憩時間が取れない! 法律上のルールや違法となるケース

労働基準法では、休憩時間に関するルールを定めています。一定時間働いた労働者は、必ず使用者(経営者や事業主など)から、業務時間内に休憩時間を取れるようにしてもらう権利があります。

それにもかかわらず、「業務が忙しい」「人員不足」といった理由から、まったく休む時間を取ることができない労働者も少なくないでしょう。休むための時間は、気持ちも身体もリフレッシュするために重要な時間であり、適切な休憩時間を取得させてもらえない状況では、専門機関への相談など具体的な対応の検討が必要です。

今回は、労働基準法上の休憩時間と、休憩時間の取得が許されないときの対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、労働基準法で定められている休憩時間に関する4つの基本ルール

1章では、労働基準法で定められている休憩時間に関する基本的なルールについて説明します。

労働基準法とは?
労働基準法とは、労働者保護を目的に、労働条件などに関する最低基準を定めた法律です。
長時間連続して労働すると、蓄積した疲労によって能率が低下し、不注意やミスによって重大な事故が生じる可能性が高くなります。
労働基準法では、このような事態を防止するために、一定時間労働をした労働者には、必ず休憩時間を取得できるようにする必要がある、としています。

労働基準法上の休憩時間に関して定められている内容は、以下のとおりです。

  1. (1)休憩時間の長さ

    労働基準法34条では、使用者(経営者や事業主など)が労働者に与えるべき最低限の休憩時間を、次のとおり定めています

    • 6時間以内の労働:休憩時間は不要
    • 6時間を超えて8時間までの労働:休憩時間は45分
    • 8時間を超える労働:休憩時間は1時間

    上記は最低限の時間であるため、それよりも多く休む時間を与えられること自体に問題はありません。

  2. (2)休憩時間の取り方

    休憩時間とは、労働から完全に解放された時間であり、休憩時間中には、労働者は一切の労働を行わないということが原則です。
    休憩時間中に電話や来客対応をさせられている場合には、休憩時間ではなく、手待時間という労働時間にあたります

  3. (3)雇用形態に関わらず付与

    休憩時間は、正社員だけでなく契約社員、パート、アルバイトといった非正規社員に対しても平等に与えられるものです。
    雇用形態により、休憩時間を取れない者がいることは認められません。

  4. (4)原則として一斉に付与

    休憩時間は労働者に対して、原則一斉に与えられる必要があります(労働基準法34条2項)。一部の労働者だけ休憩時間をずらすという取り扱いは、基本的には認められません。

    ただし、労使協定を締結した場合や以下のサービス業については、例外的に一斉付与の対象外となります(労働基準法40条)。

    一斉付与の対象外となるサービス業
    • 運送業
    • 商業
    • 金融広告業
    • 映画、演劇
    • 郵便、電気通信
    • 病院、保健衛生
    • 旅館、飲食店
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2、規定の休憩時間が守られないときの罰則と違反になるケース

休憩時間の取得が許されないとき、企業側には、以下のような罰則が適用されます。

  1. (1)休憩時間が守られないときの罰則

    休憩時間は、労働基準法で定められた最低限の規則であり、休憩時間を労働者に与えることは使用者(経営者や事業主など)の義務とされています。
    労働基準法上の休憩時間のルールに違反すると、使用者は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることになります。

  2. (2)休憩時間のルール違反となるケース

    労働基準法上の休憩時間の規定違反となる代表的なケースとしては、以下のものが挙げられます。

    ① 休憩時間中に労働を強いられるケース
    休憩時間は、労働から解放されている状態(時間)です。休みを取っている最中でも労働を強いられるような状況は、休憩時間とはいえません
    使用者から指示があればすぐに作業を開始する必要があるときは、労働時間にあたります。休憩中でも、来客があれば対応必須のような状態も同様です。このような場合には、労働基準法違反となります。

    ② 始業前や終業後に休憩時間を取らされるケース
    休憩時間は、労働時間の途中に取得させてもらわなければなりません。労働時間の途中なら、どんなタイミングで休みを取ることになっても問題はなく、小刻みに休憩時間を確保するということも可能です。
    しかし、始業前や終業後に休憩時間を与えられる方法では、労働基準法が定める休憩時間の規定に該当しないため、労働基準法違反となります

    ③ 6時間を超える労働なのに休憩時間がないケース
    6時間を超えた労働は45分、8時間を超えた労働は60分、休む時間を取らなければなりません。労働が6時間を超えた状況にもかかわらず、休みがまったくない、というケースは労働基準法違反です

    ④ 使用者側の管理不足によって休憩時間を取らせないケース
    突発的な業務トラブルや人員不足など、使用者側の管理不足によって休憩時間を取らせてもらえないことがあるでしょう。
    しかし、「業務が忙しい」「人員不足」という理由があったとしても、労働者が休憩時間を取れないというのは、労働基準法違反となります
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3、休憩時間を取らせてもらえないときの4つの対処法

適切な休憩時間が与えられないと、疲労・ストレスの蓄積による心身への影響が生じるおそれがあります。
そのため、休憩時間を取らせてもらえないという場合には、以下のような対処法を検討することが必要です。

  1. (1)上司への相談

    職場の上司が、休憩時間を取れないような業務形態だと把握していないような場合があります。そのようなときは、上司に労働環境・職場環境などを相談することで、問題に気付いてもらうことができ、休憩時間が取れない状況が改善される可能性があるでしょう

  2. (2)労働組合への相談

    労働組合とは、労働者が主体となって組織する団体であり、労働条件の維持・改善を目的とする団体です。
    労働者個人では、会社に対して職場環境の改善を求めることが難しい場合であっても、労働組合という団体の力を借りることによって、要求を実現できる可能性があります

  3. (3)行政機関への相談

    休憩時間の規定違反は、労働基準法違反となりますので、外部の行政機関に相談することも有効な手段です。労働問題を相談することができる外部の行政機関としては、以下のものが挙げられます。

    たとえば、労働基準監督署では、労働基準法違反の疑いがある事業所への聞き取り調査や立ち入り調査を行います。
    その結果、企業側の労働基準法違反が判明した場合には、指導や是正勧告をしてもらうことができるため、問題の改善を図ることが期待できます


    行政機関は個人的な問題の解決に向けて、動いてくれるわけではない
    行政機関は、あくまでも中立的な立場であり、労働者の代理人として会社と交渉をしてくれるわけではありません。行政機関に相談することによって、アドバイスをもらうことができるかもしれませんが、具体的な対応は労働者自身で行うことが必要です。

  4. (4)弁護士への相談

    個人での対応が困難であるという場合には、弁護士に相談をするとよいでしょう。
    弁護士に依頼をすれば、弁護士が労働者の代理人となって会社と交渉することが可能なだけでなく、事案によっては、労働審判や訴訟提起などの法的手段によって問題の解決を図ることもできます

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4、各相談先の具体的な手続き方法

以下では、各窓口に相談する際の具体的な手続き方法を紹介します。

  1. (1)労働組合への相談

    企業内に労働組合がある場合には、企業内労働組合の窓口に連絡をして、相談を行います。企業内に労働組合がない、または労働組合があっても機能していないようなときには、ユニオン(合同労組)という、地域ごとに組織される労働組合に相談をしてみるとよいでしょう。

    なお、相談をする場合には、問題を十分に把握してもらうことができるように、以下の資料を持参することがおすすめです

    持参をおすすめする資料
    • 就業規則
    • タイムカード
  2. (2)行政機関への相談

    労働問題を相談することができる行政機関としては、労働基準監督署総合労働相談コーナー労働局などがありますが、相談窓口としては、総合労働相談コーナーが一般的です。

    総合労働相談コーナーでは、労働問題全般の相談が可能となっており、休憩時間が与えられないという労働基準法違反の問題についても相談をすることができます。

    総合労働相談コーナーは、全国の労働基準監督署内など379か所に設置されていますので、まずは最寄りの総合労働相談コーナーを調べて電話をかけてみるとよいでしょう

  3. (3)弁護士への相談

    弁護士への相談は、基本的には予約制となっています。そのため、まずは法律事務所に電話やメールなどで連絡をして予約を取るようにしましょう。

    相談当日は、法律事務所での面談相談になりますが、一般的な相談時間は1時間と限られています。そのため、限られた時間内に相談内容を理解してもらうためにも、相談内容の概要を記載したメモを持参するとよいでしょう

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5、まとめ

休憩時間は、労働者に与えられている重要な権利です。
長時間の継続した労働は、心身ともに疲労が蓄積してしまうため、休憩時間が与えられない違法状態となっている場合には、早めに対処するようにしましょう。

休憩時間のことに限らず、労働問題を抱えている方は、ベリーベスト法律事務所までぜひ一度ご相談ください。

ベリーベスト法律事務所では、全国各地にオフィスがありますので、最寄りのオフィスからご相談いただくことが可能です。
また、オフィスでの面談相談が困難な場合には、電話やオンラインなどでの自宅相談も受け付けております。

ご相談内容によっては、オフィスまでご来所いただく必要がある場合もあるため、まずはお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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