ご相談に至った経緯
渡部(仮名)さんは、証券会社で営業の仕事をしていました。主な業務は、顧客から株の売買の依頼を受けて取引を成立させるというものでした。
ところが、ある日突然、業務上の内規違反を理由に、業務に不可欠な備品を取り上げられ、自宅待機を命じられてしまいました。
その後、渡部さんは会社に呼び出され、会社から、重大な内規違反をしたのだから辞めてくれと告げられました。内規違反の具体的な内容は、株の売買取引の際に必要となる社内連絡を怠ったというものです。
しかし、渡部さんは以前、連絡対象の部署から、社内連絡を簡略化してよいという承認を得ていました。実際、渡部さんは、簡略化の承認を得てから自宅待機を命じられるまで、会社から注意を受けることもなく、何の問題もなく業務を遂行していました。渡部さんは事情を説明しましたが、会社は取り合ってくれませんでした。
渡部さんは、自宅待機を命じられた上、退職合意書にサインするよう求める面談を複数回設定されたことにより、このままでは退職させられてしまうかもしれないと考え、弁護士に相談することにしました。