ご相談に至った経緯
Aさんは、教育関係のお仕事をされていました。SNS上でも教育関係のコラムを公開しており、生徒からも良い先生であるとの高い評価を受けていました。
Aさんは、Aさんの評判を目に留めた予備校からヘッドハンティングを受けました。
Aさんは、予備校の代表者から熱心に勧誘され、検討した結果、その予備校で教鞭をとることにし、予備校からの内定を承諾しました。
しかし、その予備校は体制がずさんで、Aさんに対し、何の教科を担当してもらう、ということを述べただけで、学習指導要領もなく、教員用テキストも配布せず、Aさんが打ち合わせをもちたいと何度も言っていたにも関わらず、勤務開始の1週間前になっても、Aさんが担当する教科の指導内容について、何らの打ち合わせももたれませんでした。
また、Aさんは、地元での勤務を希望しており、予備校も地元で勤務してもらう旨述べていたにも関わらず、勤務開始の2週間前にAさんに配られた勤務予定表では、Aさんの勤務地は全国各地となっていました。
Aさんは、予備校で勤務を開始する3日前に予備校の内定を辞退しました。
なお、Aさんは、勤務開始から1か月間は、予備校の入校ガイダンス用の無料公開講義を担当することになっており、実際に有料の講義を担当するのは2か月目からの予定でした。
その後、予備校代表者から、Aさんに対し、損害賠償を支払えとの書面が届きました。
Aさんは損害賠償を支払うつもりはなく、支払いませんでした。
すると、予備校から、Aさんに対し、380万円あまりの損害賠償の支払いを求める訴訟が提起されました。