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不当解雇・退職勧奨の弁護士コラム

リストラ面談の録音は不当解雇の証拠になる? 不当解雇への対処法

2021年02月22日
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リストラ面談の録音は不当解雇の証拠になる? 不当解雇への対処法

現在、日本はコロナ禍の影響で不景気が深刻化することが懸念されています。「勤務先の会社の経営状態が不安であり、自分はリストラされてしまうのではないか」という不安を抱えている人も増えているでしょう。

リストラをされることは、労働者にとって死活問題になります。そのため、解雇の要件を満たしていない「不当解雇」がされた場合には、会社に対して抗議を行ったり法的な手段に訴えて、リストラを撤回させることを視野に入れるべきです。

解雇が不当であることを訴えるためには証拠が必要です。たとえば、不当解雇を証明するために、リストラを言い渡される面談時に録音を行えば、その録音データは裁判の場などで使用できる有力な証拠となる可能性があります。

本コラムでは、リストラの対象になってしまった場合に確認するべきポイントや不当解雇が疑われる場合に取るべき行動、面談の録音を行う際の注意点について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、リストラの対象になった場合に確認すべきこと

まずは、リストラの対象になった場合に確認すべき点について解説いたします。

  1. (1)リストラの定義

    リストラの正式名称は「リストラクチャリング」であり、「事業の再構築」を意味します。

    日本語の「リストラ」といえば「解雇」のことを指すというイメージが強いですが、それ以外にも、本来は、退職勧奨や配置転換、降格や賃金カットなども含めた、事業の再構築を目指すためのさまざまな施策のことを指す言葉なのです。

  2. (2)整理解雇の要件を満たしているか

    解雇は、普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の3種類に大別することができます。
    このうち、リストラにおける解雇は多くの場合は「整理解雇」のことを指します。

    整理解雇とは?
    整理解雇とは、経営上の理由による人員削減のことです。
    労働者側の事由(勤務態度不良、能力不足等)ではなく、使用者側の経営上の理由で解雇にするため、解雇が正当とされるには、様々な事情の検討が必要となります。

    裁判例の蓄積により、整理解雇を行うためには、以下の4つの要素により判断されることとされています。

    • 人員削減を行う経営上の必要性がある
    • 使用者が解雇を回避するための努力を尽くしている
    • 被解雇者の人選に合理性がある
    • 被解雇者への十分な説明や労働組合との協議が尽くされている
  3. (3)解雇に必要な手続きがなされているか

    会社が労働者を解雇する場合には、解雇の30日前までに「解雇予告」をするか、「解雇予告手当」として平均賃金の30日分を支払うことが義務付けられています(労働基準法第20条1項)。

    なお、解雇予告の日数は平均賃金を支払った分だけ短縮することが可能なため、たとえば平均賃金の10日分を支払い、20日前に予告するといった取り扱いをすることも認められています(同条2項)。

  4. (4)解雇理由証明書に記載されている理由は正当か

    もし会社にリストラを通告されたら、「解雇理由証明書」を請求しましょう。
    会社は、労働者から解雇理由証明書を請求された場合には、発行を拒否することはできません(労働基準法第22条)。

    解雇理由証明書が発行されたら、その内容を確認し、解雇理由証明書に記載された解雇理由が整理解雇の有効性を判断する上記4つの要素に照らして、正当なものかどうか判断することになります。

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2、リストラが不当な場合はどうするべき?

自分に対して行われたリストラが不当解雇である可能性があるときに、取るべき対応を解説いたします。

  1. (1)不当解雇の証拠を集める

    解雇を撤回させるためには、「解雇が不当である」事実を示すための証拠を集める必要があります。
    面談時の会話の録音や解雇通知書、労働契約書など会社とのやり取りをしたものが証拠となり得ますので、できるだけ多く集めておきましょう。

  2. (2)過度な退職勧奨はパワハラや強要罪の可能性がある

    リストラをされる前に、退職勧奨をされることもあるかもしれません。
    「退職勧奨」とは、労働者が自発的に退職するように企業側が勧めることです。これ自体は、本来は違法行為にはあたりません。

    しかし、度を超した退職勧奨は、違法となる可能性があります。

    たとえば、退職届に無理やりサインをさせる、退職すると言うまで面談を終わらせない、といった行為は退職強要ないしパワハラと評価される可能性があります。
    また、退職勧奨の内容、程度によっては、刑法第223条の「強要罪」に該当する可能性もあります。

    もしこのような扱いを受けた場合には、その証拠を集めたうえで慰謝料の請求や刑事告訴も検討する余地があるでしょう。

  3. (3)不当解雇の場合は、解雇の撤回や賃金・慰謝料請求を検討する

    リストラが不当解雇にあたる場合は、解雇の撤回を要求する、解雇日以降の賃金を請求するなどの対応を行うことができます。
    また、不当解雇の違法性が著しい場合には、不当解雇により精神的な苦痛を受けたとして、慰謝料を請求できる可能性もあります。

    とはいえ、労働者本人が「自分が受けた解雇は不当解雇であるか」ということを判断するのは難しいものです。
    また、不当解雇にあたることを主張して、慰謝料や賃金を請求するためには、できるだけ早い段階から対応を開始して有効な証拠を集めることが重要になります。

    そのため早期に弁護士に相談し、アドバイスを得ておくのがよいでしょう。

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3、無断で録音したデータは裁判で有効か?

次に、上司や人事部との面談時の会話を無断で録音する行為が犯罪にあたるのか、また無断で行った録音でも裁判で有効なるのかについて、解説いたします。

  1. (1)盗聴と秘密録音の違い

    「会話を無断で録音する」という行為は、「盗聴」「秘密録音」に分けられます。
    盗聴と秘密録音のどちらについても、録音する行為自体が、ただちに違法となるわけではありませんが、以下のような点に注意が必要です。

    ① 盗聴の場合
    「盗聴」とは、「第三者同士の会話を無断で録音する行為」を指します。
    「秘密録音」は、「会話の当事者の一方が無断で録音する行為」のことです。

    ただし、盗聴の場合には、他人の住居やオフィスへ侵入して盗聴器を仕掛けたり回収したりする行為が「住居・建造物侵入」にあたり刑法に抵触する可能性が高いです。

    ② 秘密録音の場合
    秘密録音の場合には、録音の対象となる会話や面談の場に自分自身がいることを相手も容認しているために、盗聴と比べると違法となる可能性は低いです。

    しかし、秘密録音であっても、録音内容をもとに相手を脅したり、金銭を要求したりするなど行為をした場合には、「脅迫罪」や「恐喝罪」などが成立して犯罪になってしまう可能性があるので、注意が必要です。

  2. (2)秘密録音の証拠能力・証明力

    秘密録音が犯罪ではないとしても、「不当解雇の裁判で証拠として提出できるのか?」という点は、また別の問題です。
    これについては、「証拠能力があるのか」と「証明力があるのか」の2点を考えることが必要となります。

    ① 証拠能力とは
    「証拠能力」とは、証拠として裁判に提出することができるという資格という意味です。
    つまり、証拠能力を持たなければ、「これを裁判において証拠として使用することが認められない」と判断されて、そもそも裁判で使用することができなくなるのです。

    ② 証明力とは
    「証明力」は証拠価値とも呼ばれ、裁判における事実認定に与える影響のことを指します。証拠能力が認められて裁判で使用することができたとしても、裁判官が、「不当解雇であったか否か」の判断をする際に、その証拠が裁判官の判断に与える影響力を持たない場合には、その証拠に証明力がなく、不当解雇の事実を認めてもらうことができないおそれがあるのです。

    ③ 証拠が裁判で認められるかどうかの判断基準
    証拠能力については、犯罪行為によって収集したり著しく反社会的な手段を用いて収集したりした証拠でない限り、民事裁判では否定される可能性が低いとされています(東京高裁昭和52年7月15日判決参照)。

    証明力については、録音された会話の内容や録音状況によって、その程度は異なります。

    たとえば上司から受けた退職勧奨が退職強要ないしパワハラにあたる場合、退職強要ないしパワハラであることが第三者にも明確に伝わるような、人格否定や暴言等の会話を録音できれば、証明力が高いといえます。

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4、リストラに納得いかない場合の対処法

リストラに納得がいかず、会社に抗議する場合や撤回を求める場合には、次の方法があります。

  1. (1)弁護士に相談する

    解雇された労働者本人がひとりで抗議しても、会社側は取り合わない可能性が高いでしょう。そのため、弁護士に相談することをおすすめします。

    弁護士であれば「そもそも不当解雇にあたるのか」「慰謝料の請求が可能な事案なのか」の判断をすることができるため、今後の対応についても検討することができます。

    また、集めた証拠の証拠能力・証明力についても見通しを立て、証拠が不足している場合にはどのような証拠が必要であるか、それを収集するためにはどうすればいいか、アドバイスすることが可能です。

    会社に解雇撤回を求める、慰謝料を請求するといった活動も労働者に代わって直接行うことができ、弁護士から連絡が来るとなれば、会社側も法的紛争になっていることを理解して、きちんと対応する可能性が高まるでしょう。

  2. (2)労働審判を申し立てる

    労働審判とは、会社と労働者の間に発生した労働トラブルを迅速に解決するための裁判上の手続きです。

    リストラされた場合、解雇の撤回を要求するにしても解雇日以降の賃金や慰謝料を求めるにしても、経済的・精神的に不安定な状況におかれるため、労働者にとっては早急な解決が望ましいでしょう。

    労働審判は裁判所を利用する手続きですが、原則として3回以内に審理が完了するため、3か月前後で結果が出ます。
    半年や1年、あるいは数年かかる可能性のある通常の裁判と比べて、迅速な解決に期待できる点が大きな特徴です。

  3. (3)裁判を提起する

    審判の結果に不服があった場合には、異議申立てを行うことで、通常の裁判手続きへと移行することができます。

    裁判にまで至る段階になると、労働者と会社の主張が食い違って、トラブルが深刻化しているケースが多いでしょう。そのため、弁護士のサポートを抜きに裁判に臨むことは難しいでしょう。

    不当解雇についてはできるだけ早期の段階から弁護士に相談して、裁判が開始される前から入念に準備することが重要になります。

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5、まとめ

不況の状況を受けて、事業の経営再建のためにリストラを敢行する会社が増えることが予想されます。

リストラすなわち整理解雇をするためには厳しい要件が課されていますが、リストラが不当解雇にあたるのか、また面談の録音が裁判での証拠となり得るのかなどは、状況によっても異なりますので、すぐに弁護士に相談をして対応をしていく必要があるでしょう。

ベリーベストの弁護士は、不当解雇をはじめとする労働問題の豊富な解決実績があります。もしリストラされてしまった場合には、まずはベリーベスト法律事務所にまで、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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