ご相談に至った経緯
Aさんは、施設附属のレストランの料理長として、他の料理人などをまとめつつ、お客様のため一生懸命に働いていました。
しかし、職場は常に人手不足のため、Aさんは、その責任感から、なんとかお店をまわしていくため、早朝の仕込みから夕方、時には夜に至るまで、一日中働き詰めの生活を余儀なくされる日々が続いていました。
しかし、このような長時間の勤務に対して、雇い主から十分な残業代が支給されることはありませんでした。また、支払われると言われていた退職金についても、実際には支給要件を満たしていなかったとして、支払われませんでした。
これらのことから、Aさんは会社の姿勢に疑問を持ち、相談に至りました。
ご相談内容
Aさんは、未払いの残業代があるならば、会社に請求をしたいと、弁護士に相談しました。
ベリーベストの対応とその結果
弁護士は、会社に対し、内容証明郵便で、未払の残業代の支払を求める旨を通知するとともに、労働関係の書類の開示を求めました。
そして、Aさんの手持ち資料と会社から開示された資料を基に、具体的な金額を算出し、その支払を求めました。
これに対し、会社側は、労働事件について専ら企業側代理人を務める法律事務所を通じて、Aさんは割増賃金を支払う必要のない立場にいたと主張したり、最高裁判所の調査官の執筆した論文を引きつつ、Aさんは会社の指揮命令下になかったと主張したりするとともに、労働基準法の解釈について、一見すると誤りであることが分かりにくい独自の解釈論を示してくるなど、強硬に争う姿勢を見せてきました。
これに対して、弁護士は、過去の最高裁判所の判例や、労働基準法の正確な解釈を示しつつ、弁護士の計算した残業代が正当な理由に基づくものであることを主張し、粘り強く交渉しました。
その結果、最終的に、会社側が300万円を支払うことで合意することができました。
◆解決のポイント
なによりも、Aさんが、勇気を出して弁護士に相談したことが大きかったと思います。
また、最終的に、裁判による解決ではなく、話合いによる合意によって解決ができたことも、Aさんの満足につながったものと思います。