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残業代請求の弁護士コラム

残業代は1分単位でつくって本当? 正しい計算方法と例外となるケース

2023年04月20日
  • 残業代請求
  • 残業代
  • 1分単位

残業代は1分単位でつくって本当? 正しい計算方法と例外となるケース

労働基準法上、残業代は1分単位で請求できます。

もし会社から適切な残業代の支払いを受けられていない場合には、お早めに弁護士へご相談ください。

今回は、残業代を1分単位で再計算・請求する方法などを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、残業代は1分単位で請求できる

従業員は、会社に対して、労働基準法に従って計算した残業代を支払うよう求めることができます。1円でも不足していれば、原則として労働基準法違反の賃金未払いにあたるためです。

労働基準法に従い、残業代はおおざっぱに計算するのではなく、1分単位で計算されていなければなりません。
会社によっては、15分単位・30分単位などで区切られているケースもありますが、計算上で切り上げることは認められても、切り捨ては原則として認められません

たとえば、労働時間が8時間の会社で退社時間が17時の場合、17時13分に退社したときは、13分の残業代が会社から支払われている、という状態が原則です。

この状況で、時間の計算を切り上げて15分の残業代がついていることについては問題ありません。しかし、13分の残業が切り捨てられ、残業時間ゼロとして計算されている場合は、会社に対して未払いの残業代を請求できる可能性があります。

1分単位で正しく計算された残業代の金額に、実際に支払われた残業代の金額が不足する場合には、従業員は会社に対して未払い残業代を請求できます。

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2、1分単位の請求ができないケース

残業代は、前述の通り、原則として1分単位で支払われるべきお金です。
しかし、一定の場合には事務を簡略化するため、残業代の切り捨てや切り上げが認められることがあります(昭和63年3月14日基発第150号)。

また、労働基準法に基づき、例外的に1分単位での残業代支払いが不要となる場合もあります。会社に対して請求する前に、例外に該当していないか、必ず確認しておきましょう。

  1. (1)1円未満の端数を四捨五入する場合

    1か月における時間外労働・休日労働・深夜労働につき、それぞれの割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、1円未満の端数の四捨五入が認められています。
    したがって、以下のようなケースでは、未払い分の残業代は存在しないことになります。

    1時間あたり基礎賃金2215円の従業員の事例
    • 22時間の時間外労働をしていた場合
      1か月間の残業代の合計額は6万912円50銭(2215円×22時間×1.25倍)だが、50銭を切り上げて6万913円の残業代が支払われていた
    • 23時間の時間外労働をしていた場合
      1か月間の残業代の合計額は6万3681円25銭(2215円×23時間×1.25倍)だが、25銭を切り捨てて6万3681円の残業代が支払われていた

    上記のような取り扱いは、常に労働者の不利となるものではなく、また事務処理上の必要性も認められるからです。

  2. (2)1時間未満の端数を1時間単位に丸める場合

    残業代は1分単位で算出されるのが原則ですが、支払いは1か月ごとに行われることが一般的です。そのため、1か月における時間外労働・休日労働・深夜労働につき、各時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げることは認められています

    たとえば、以下のようなケースでは、適法に計算されているといえ、未払い残業代は存在しないことになります。

    • 1か月間で22時間35分の時間外労働をした場合、23時間の時間外労働として計算する
    • 1か月間で22時間25分の時間外労働をした場合、22時間の時間外労働として計算する

    このような取り扱いも、常に労働者の不利となるものではなく、また事務処理上の必要性も認められるからです。

    ただし、1時間未満を一律切り捨てるなどの処理は、常に労働者の不利になるため認められません。そのような状態になっている可能性がある場合は、弁護士に相談するとよいでしょう。

  3. (3)労働時間の規制が適用されない場合

    その他、労働基準法上の例外規定に基づき、以下いずれかに該当する従業員に対しては、1分単位で残業代は支払う必要がないと規定されています。

    1. (a)事業場外労働のみなし制が適用される労働者(労働基準法第38条の2)
    2. (b)専門業務型裁量労働制が適用される労働者(同法第38条の3)
    3. (c)企画業務型裁量労働制が適用される労働者(同法第38条の4)
    4. (d)農林(林業を除く。)・畜産・養蚕・水産事業に従事する労働者(同法第41条第1号)
    5. (e)管理監督者又は機密の事務取扱者(同条第2号)
    6. (f)監視・断続的労働に従事する者で使用者が行政官庁の許可をうけたもの(同条第3号)
    7. (g)高度プロフェッショナル制度が適用される労働者(同法第41条の2)

    これらの業務に従事されている方も、1分単位での請求は認められないので、未払い残業代の請求を検討する際には確認しておく必要があるでしょう。

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3、残業代を1分単位で再計算する方法

残業代を再計算する際、おおよその残業代を知りたい場合には、ベリーベスト法律事務所が提供する「残業代チェッカー」をご利用いただくのが便利です。表示される質問に答えていくだけで、簡易的に残業代の金額を知ることができます。
参考:残業代チェッカー(ベリーベスト法律事務所)

ただし、「残業代チェッカー」で算出されるのは、あくまでもおおよその残業代であって、1分単位で正確な残業代を知ることはできません。

正確に計算したい場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士にご相談いただければ、労働基準法の規定を正しく適用して、会社に対して請求できる残業代の金額を計算し、それを踏まえた対応方法についてアドバイスすることが可能です。

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4、1分単位で残業代を請求する手順

1分単位で計算して、会社に対し、本来支払うべき残業代を請求する方法は、以下の手順です。それぞれを詳しく確認しておきましょう。

  1. (1)残業代請求の証拠を集める

    残業代請求を行うのであれば、まず残業をした時間を明らかにする証拠を集めることが必要不可欠です。

    残業時間を明らかにする証拠の一例
    • タイムカード、勤怠管理システムの記録
    • オフィスの入退館履歴
    • 交通系ICカードの乗降車履歴
    • 業務メールの送受信履歴
    • 業務日誌
    など

    また、残業代計算の基礎となる1時間あたりの基礎賃金を明らかにするため、賃金額に関する証拠も集める必要があります。

    賃金額に関する証拠の一例
    • 雇用契約書
    • 就業規則(賃金規程)
    • 給与明細
    など
  2. (2)弁護士に相談して方針を決める

    残業代請求権には時効がありますので、残業に関する証拠がある程度そろったところで、一度弁護士にご相談ください。
    残業代請求の成否や手続きの流れなど、今後の見通しについてご説明します。追加で集めるべき証拠があれば、その取得方法などもアドバイスが可能です。

    請求額が大きくないケースや会社側との対話が可能であれば、ご自身で交渉していただいてもいいでしょう。他方で、ご自身で対応することが難しいケースは多々あります。

    その場合は、弁護士へ残業代請求の対応をご依頼ください。適正な残業代を回収するため、最後まで丁寧にご対応します。

  3. (3)会社と交渉する

    残業代請求の方針が定まったら、会社に連絡をとり、未払い残業代の支払いについて交渉を行います。

    残業の証拠と計算の根拠を示し、実際の支払額が不足していることを説明しながら、適正額の残業代の支払いを求めましょう弁護士を通じて交渉する方が、会社側も真剣に対応を検討し、結果的に残業代を早期に回収できる可能性が高まります

  4. (4)労働審判を申し立てる

    会社が残業代の支払いに応じない場合には、労働審判を申し立てることを検討することになるでしょう。
    参考:労働審判手続(裁判所)

    労働審判は、労使紛争を迅速に解決することを目的とした手続きです。労働審判官(裁判官)1名と労働審判員2名で構成された労働審判委員会が、労使双方の主張を公平に聴き取った上で紛争解決を図ります。

    労使が合意できれば調停により、合意できなければ労働審判によって結論が示されます。審理が原則3回以内で終結するため、迅速な紛争解決が期待できます。

    残業代請求の労働審判を有利に進めるためには、残業に関する有力な証拠を提出して、労働審判委員会によい心証を与えることが大切です。弁護士にご依頼いただければ、労働審判の申立て、書面の作成、そして期日における対応を全面的に代行します。

  5. (5)訴訟を提起する

    労働審判に対して異議申立てがなされた場合には、労働審判は効力を失い、訴訟手続きに移行します。また、労働審判を経ずに訴訟を提起することも可能です。

    訴訟で残業代請求を行う際には、残業代請求権の存在と金額を、証拠によって厳密に立証しなければなりません。そのためには、残業に関する有力な証拠をそろえた上で、法的に説得力のある主張を行うことが大切です。

    弁護士にご依頼いただければ、未払い残業代を会社に支払ってもらうため、訴訟手続きを有利に進めるための効果的な準備・対応を行います。

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5、まとめ

会社は、原則として残業代を1分単位で支払う必要があります。
未払い残業代に関する相談は、労働基準監督署でもできますが、あくまでも行政官庁として違法な状態の是正を促すにとどまります。

会社と交渉し、裁判所で争って未払いの残業代を支払うよう働きかけていくことは、弁護士にしかできないことです。
そのため、会社による残業代の計算・支払いが正しくなされていないのではないかとお考えであれば、弁護士に相談することをご検討ください

ベリーベスト法律事務所は、残業代請求に関するご相談を随時受け付けております。
会社に対する未払い残業代請求をご検討中の方、未払い残業代の有無やその金額などを知りたい方は、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
残業代請求、不当解雇・退職勧奨、同一労働同一賃金、退職サポート、労働災害、労働条件・ハラスメントに関するトラブルなど、幅広く労働者のお悩み解決をサポートします。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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