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残業代請求の弁護士コラム

試用期間中でも残業代は出るの? 新人が知っておきたい注意点

2022年12月08日
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試用期間中でも残業代は出るの? 新人が知っておきたい注意点

就職活動を経て無事に採用されたとしても、すぐに本採用になるわけではなく、本採用前に3か月から6か月程度の試用期間が設けられるのが一般的です。

試用期間中であっても、会社との間では労働契約が成立しているので、残業をした場合には、残業代を請求することができます。しかし、会社によっては、試用期間中であることを理由に残業代の支払いに応じてくれないことがあります。そのような場合、試用期間中の労働者は、どのように対応したらよいのでしょうか。

今回は、試用期間中の残業代請求の問題について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、試用期間中でも残業代は支払われるのか

試用期間中でも残業代が支払われるのでしょうか。まずは、試用期間と残業代との関係について説明します。

  1. (1)試用期間中でも残業を命じられることはある

    使用期間中であっても、会社と労働者との間には労働契約が成立しているので、本採用後の労働者と同様に労働基準法などの法律が適用されます

    労働基準法では、1日8時間、1週40時間を法定労働時間としており、それを超えた分は時間外労働となります。

    法定労働時間を超えて残業(時間外労働)を命じるためには、36協定の締結と届け出が必要です。会社が36協定の締結と届け出をしている場合には、試用期間中の労働者であっても会社から残業を命じることができます。

  2. (2)試用期間中に残業をした場合には残業代が支払われる

    前述のように、試用期間中であっても労働基準法が適用されるので、試用期間中に残業をした場合には、労働基準法に従って残業代(割増賃金)が支払われることになります。

    仮に、会社との雇用契約や就業規則において『試用期間中は残業代を支払わない』と定められていたとしても、法律が優先することになるので、試用期間中であることを理由に残業代を支払わないのは違法です

    なお、試用期間中の労働者が試用期間中に時間外労働だけではなく、休日労働、深夜労働をした場合にも、本採用後の労働者と同様に、法定の割増率によって増額をした割増賃金の支払いを受けることができます。

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2、自主的な残業については、残業代が支払われないことがある

では、試用期間中の労働者が『自主的に』残業をした場合には、残業代を請求することができるのでしょうか。

  1. (1)どんな場合が「自主的な残業」になるの?

    残業に対して残業代が支払われるかどうかは、残業に充てた時間が労働基準法上の労働時間に該当するかどうかによって判断することになります。

    労働基準法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていると評価することができる時間のことをいいます。
    試用期間中の労働者の場合、上司から命じられていないにもかかわらず、早く仕事を覚えたいという思いから、業務終了後も居残りで仕事をすることがあります。

    たとえば、新人美容師が、技術向上のために、店舗を使い居残りでカットの練習をするといった行為は代表的なケースといえるでしょう。

    このように、会社からの指示がなく、労働者の自発的な意志によって残業が行われた場合は、使用者の指揮命令下に置かれていると評価されなければ、残業をしたとしても残業代を請求することはできません

    「試用期間中だから頑張ろう!」という気持ちで、技術向上のために自主残業をしたとしても、労働時間とはみなされず、残業代が支払われないことがあるので注意が必要です。

  2. (2)自主的な残業であっても残業代が支払われるケース

    前述のとおり、自主的な残業に対しては、残業代が支払われないことがあります。
    しかし、次のようなケースでは、会社から黙示の残業指示があったものとして、残業代の支払い対象になると考えられます

    • 客観的にみて明らかに勤務時間内に終わらないような量の業務を指示された場合
    • 残業を会社が黙認している場合
    • 参加することが義務付けられている勉強会
    など

    例示した勉強会のように、参加することが義務付けられており、不参加に対しては不利益な取り扱いがなされるという場合、労働者の自由な意思による残業とはいえないので、使用者の指揮命令下に置かれているとして、残業代の支払い対象になると考えられます。

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3、正しく理解しておきたい残業代の考え方。時間外労働とは?

試用期間における時間外労働(残業)の考え方がわかったところで、時間外労働の基本的な考え方についても確認していきましょう。

時間外労働とは、1日8時間、1週40時間という法定労働時間を超えて働くことをいいます。

36協定の締結・届け出によって、時間外労働を行うことが可能になりますが、時間外労働には、月45時間、年360時間という上限があります。それを超えて時間外労働を行うことは原則としてできません。

また、時間外労働をした場合には、定められた割増率により増額した賃金の支払いを受けられます。

  • 時間外労働(月60時間以内):25%以上
  • 時間外労働(月60時間を超えた部分):50%以上

ただし、中小企業については、月60時間を超えた部分の割増率について経過措置が設けられているため、令和5年4月1日からの適用となり、それまでは、割増率は25%以上となっています。

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4、知らない場合は気を付けて! 残業代の注意点

残業代の支払いを受ける場合に、注意しておくべき点について解説します。

  1. (1)みなし残業代(固定残業代)でも、みなし残業時間を超えたら残業代がでる

    みなし残業代とは、毎月一定時間残業をしたものとみなして、固定の残業代を支払う制度のことをいいます。
    みなし残業代制度が適用されている場合には、実際の残業時間がみなし残業時間よりも少なかったとしても、予定されているみなし残業代全額の支払いを受けることができるので、労働者としてもメリットのある制度です。

    ただし、みなし残業代を支払えば、無制限に残業を命じられるというわけではありません。みなし残業時間を超えて残業をした場合には、みなし残業時間を超えた部分について残業代を請求することができます

  2. (2)法内残業には割増賃金が発生しない

    割増賃金は、あくまでも法定外の時間外労働に対して支払われます。
    つまり、残業をすれば必ず割増賃金が発生するわけではないという点にも注意が必要です。

    たとえば、所定労働時間が午前9時から午後5時(休憩1時間)と定められている場合において、午前9時から午後6時まで働いたとしても、法定労働時間(8時間)の範囲内での残業となります。このようなケースについては、割増賃金は発生しません。

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5、試用期間中に未払い残業代がある場合の対応方法

試用期間中の労働に対して未払い残業代があるという場合には、どのような対応をとれるのでしょうか。

  1. (1)本採用を目指している場合

    試用期間中であっても残業をした場合には、残業時間に応じた残業代を請求することができるのは前述したとおりです。

    しかし、試用期間中の労働者の方は、通常は、本採用を目指して働いているはずです。試用期間中に会社に対して残業代を請求することによって、本採用が見送られてしまうのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。

    残業代請求は、労働者の正当な権利の行使なので、そのことを理由として本採用を拒否することは不当解雇になります。そのため、試用期間中であっても未払いの残業代を請求することは、法的には何の問題もありません。

    もっとも、法的に問題なくとも、心理的に請求するのが難しいと感じるかもしれません。
    そういった場合、残業代は、3年後まで請求することができるので(2020年3月支払い分までは2年後まで)、本採用後に残業代の請求を検討するのも一案でしょう。

  2. (2)会社を辞めたい場合

    試用期間中に残業代の未払いがある会社だと、本採用後も同様に残業代が支払われないおそれがあります。

    そのため、本採用前に会社を辞めたいという方は、試用期間中に残業代請求に必要となる証拠を収集し、会社を退職するタイミングで未払いの残業代を請求していくとよいでしょう。

    証拠集めは在職中に!
    会社を辞めてしまってからでは、残業代請求に必要となる証拠を収集することが難しくなってしまうので、会社に在籍している間に証拠を集めておくことをおすすめします。

    会社への残業代請求は、まずは会社との話し合いによって解決を目指すことになりますが、労働者個人での対応が難しいという場合には、弁護士に相談をするようにしましょう。

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6、試用期間中は本採用後と何が違う?

最後に、試用期間中と本採用後では、労働条件にどのような違いがあるのかを確認しましょう。

試用期間とは
試用期間とは、会社が採用した労働者の能力や適正を評価して、本採用するかどうかを判断するための期間のことをいいます。試用期間は、3か月から6か月程度の期間が設けられるのが一般的です。

試用期間中であっても、会社と労働者との間には、労働契約が成立していますが、試用期間中の労働契約と本採用後の労働契約とでは、次のような違いがあります

  1. (1)本採用の拒否

    試用期間中の労働契約は、採用段階では十分に把握することができない労働者の業務適格性等を判断し、最終的な採否を決定するという解約権留保付きの労働契約であると考えられています。

    試用期間経過時までに、会社は労働者を本採用するかどうかを判断することになりますが、無制限に解雇できるということではありません。
    解約権留保付きとはいえ、労働者と会社との間には労働契約が成立しているので、本採用後の労働者と同様に、解雇には客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が要求されることになります。

    ただし、解約権留保の趣旨からみて、一般的に、本採用後の労働者を解雇する場合よりも、試用期間中の労働者を解雇する場合の方が、広い範囲で解雇が認められると解されています。

    採用当初には知ることができなかった事情が明らかになり、雇用を継続することが不相当であるという場合には、本採用拒否(解雇)が適法と認められる可能性が相当程度あるということです。

  2. (2)試用期間の延長

    当初設けられた試用期間だけでは、十分な判断をすることができないという場合には、試用期間が延長されることがあります

    ただし、試用期間満了時に不適格と判断される場合を除いて、会社には本採用をする義務があり、試用期間の延長は例外的な措置であることから、試用期間を延長するためには、労働契約書や就業規則に試用期間の延長についての定めがあることが必要であると考えられています。

    また、労働契約上の根拠があったとしても、採用時には予見できなかった事情により試用期間中に労働者の適格性の判断がなし得なかったというような、試用期間の延長を要するといえるだけの合理的な理由がなければ、試用期間の延長は認められません。

  3. (3)試用期間中の解雇

    試用期間中であっても、労働者に解雇をされるだけの客観的に合理的な理由があり、解雇が社会通念上相当といえる場合には、解雇が適法になされることがあります

    ただし、解雇に当たっては、30日前までの解雇予告通知か、即日解雇であれば30日分の解雇予告手当の支払いが必要ですが、試用期間中の解雇であって、雇い入れから14日以内の解雇である場合には、事前の予告や解雇予告手当の支払いは不要です。

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7、まとめ

試用期間中であっても会社から残業を命じられることがあります。
そして、会社から命じられて残業をしたものの、割増賃金の支払いを受けられない場合には、本採用後の労働者と同様に会社に対して残業代を請求することができます。

ただし、試用期間中の労働契約については、本採用後の労働契約と異なる部分もあります。そのため、試用期間中に未払いの残業代が発生したという方は、まずはベリーベスト法律事務所の弁護士までご相談ください。

試用期間中の労働者の方がとるべき対応について、具体的にアドバイスし、解決までしっかりとサポートします。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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