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司法試験に合格して司法修習が終わってから、すぐに弁護士として活動するのではなく、司法試験対策の教材を制作・販売する会社を設立しました。もともと弁護士になるつもりはなく、民法の研究者になりたかったんです。ところが研究者の方に話を聞くと、実際には自身の研究以外の、所属する組織関連の仕事が多いことがわかり、自分には向いていないと感じました。そこで、自由に研究ができるように資金を作るつもりでビジネスを始めました。
一方で、その頃に知人からとある相談をされることがあったのですが、話を聞いてみると弁護士が必要な内容でした。とはいえ弁護士登録をしていなかったので、最初は話を聞いているだけでしたが、話をしているうちに、誰かに頼むのではなく、自分が弁護士として対応するのが最善策だと思い始めました。その後、弁護士登録をすることを決意し、個人の法律事務所を開業したという経緯です。ただ、手広く弁護士業をするつもりではなかったので、1年間ほどは知人の案件だけを受任していました。
2017年に弁護士登録をしたのと同じ時期に、YouTubeチャンネルを開設しました。以前から、テレビにコメンテーターとして弁護士が出演しているのを見て、YouTubeでも需要はあるだろうと思っていました。ですので、最初の1年間くらいはニュースの解説動画を中心に投稿していました。ただ、解説動画だとニュースがホットな時期にしか見てもらえないんですよね。そこで2018年からは「架空請求業者に電話をしてみる」などの架空請求シリーズを始めました。よりエンタメに近い形になったのですが、ニュースの解説動画のように、時期による視聴回数の増減もなく、その頃からは安定して視聴してもらえるようになりました。チャンネル登録者数も15万人くらいまで伸びましたね。
理由は2つあります。ひとつは、弁護士としての仕事がとても忙しくなってきて、働き方を変えたくなったからです。その頃には、知人の案件以外にも一定数の案件を抱えており、自由な時間を作ることができなくて、このまま続けていても自分が本当にやりたかったことは実現できないだろう、と先のビジョンに行き詰まりました。
もうひとつは、せっかくYouTubeに多数のチャンネル登録者がいるので、この発信力や宣伝力を生かさないともったいないと思ったからです。実は私の法律事務所のお客さまは、ほぼYouTubeから来られた方でした。ですから、全国規模の法律事務所で広報のお手伝いをすれば、もっとこのメリットを生かせるのではないかと考えました。
YouTubeで一度コラボしたことのある知り合いの弁護士の方に「法律事務所を探している」と相談したところ、ベリーベストを紹介してもらったことがきっかけです。ベリーベストのことは、弁護士ドットコムを立ち上げた方が代表を務める事務所ということで、もともと認知はしていました。
弁護士ドットコムもベリーベストも急速に拡大していて興味があったので、酒井代表を紹介していただいたときは、うれしかったです。入所前の面談では、希望の労働条件を正直に伝えました。たとえば、できるだけリモートワークが希望であるとか、案件の受任よりは広報機能としての活動を中心にしたい、といったことです。私の場合それらの希望を気持ちよく受け入れていただいたので、2019年にベリーベストに入所することを決めました。
今は事務所の動画制作がメインの仕事です。「みんなの法律手帳」というベリーベストのYouTubeチャンネルを担当し、弁護士の先生と一緒に法律の解説をしています。
動画のテーマは、ベリーベストのウェブサイトにある弁護士コラムなどから選定しています。どのようなテーマに視聴者が関心を寄せるのか、傾向をつかんでいるところですね。動画を制作するうえで難しいのは、テーマをより分かりやすく伝えることです。難しい言葉が出てきたら、きちんと意味を確認して補足するなど、「視聴者の目線」を忘れないようにしてコンテンツを作っています。
他には、人事課からの依頼で「弁護士の一日」や「所長インタビュー」の動画も制作しています。そちらでは、ベリーベストの仕事内容や事務所の雰囲気をできる限りそのまま伝えられるように心がけています。
どの動画も、きちんと編集して形を整え、より見ていただきやすい動画にしようと、これまでのノウハウを注入し、工夫して取り組んでいます。ちょっとしたことですが、最後に「ベリーベストへご相談ください」と呼びかけるのも、集客において大事なポイントだったりするんですよ。
YouTubeの活用は、「採用」と「案件獲得」の両面で効果が期待できると考えています。
採用面では、公開している動画を見て入所してくださる方がいると聞き、一定程度貢献できている手応えがあります。実際に弁護士の一日に密着した動画は、入所後のイメージを持ちやすくなりますよね。事務所内の雰囲気もそのまま伝わり、ウェブサイトなどの文字情報と補完し合うことで、効果を高められているのではないでしょうか。
案件獲得の面においても、先日効果測定をしたところ、一定数問い合わせにつながっているという結果が出ていました。「みんなの法律手帳」のチェンネル登録者数も、もうすぐ1万人になります。なかなか登録者数が伸びにくいこの分野で、成果を出せているのではないかと考えています。
ベリーベストの動画は約1か月間でまとめて撮り溜めます。年に何回か撮影の時期を決めていて、その期間はほぼベリーベストの動画制作に専念しています。一方、それ以外の時期はベリーベストの動画関係が2割、自分のYouTubeチャンネルが1割で、残りの7割を司法試験対策のビジネスに充てています。司法試験対策のビジネスでもYouTubeチャンネルを開設していて、動画の更新や教材、講座の制作などを中心に進行中です。ビジネスも新展開を考えており、今はそれに向けて準備をしています。ベリーベストでは副業が認められているので、仕事をしながら、自分のやりたかった夢の実現に取り組む時間も確保することができるのがいいですね。今のこの働き方は、自分が理想としていたもので、とても満足しています。
いろいろな働き方を認めてくれるところが、とてもありがたいですね。一定の条件や貢献度を保つことができれば自由に働くことができるので、自分にとって、とても働きやすい環境です。私は中学・高校とスポーツをやっていたときも、細かく指示される環境では伸びず、見守ってくれる環境のほうが力を発揮できるタイプでした。ベリーベストもどちらかというと各自に任せてくれる環境なので、そういうタイプの方にはおすすめの環境だと思います。
また、ベリーベストは個人事件も受任可能なので、事務所の仕事をしっかりこなし、さらに個人でもバリバリ働くことができます。一方で事務所の案件に専念して、しっかりとキャリアを積み重ねていくことも、副業と両立して自己実現をしていくことも可能です。自分に合う働き方を選べる、とても貴重な環境だといえますね。報酬も事務所の採用サイトで公開されていますが、成果をあげればきちんと見返りがある事務所です。
学生時代から「理不尽の解消」を自分のテーマにしています。法律の勉強を始めるきっかけにもなったテーマなのですが、これを、犯罪やトラブルだけでなく、今後はビジネスにおいても追及していけたらと考えています。
今後もベリーベストに貢献していくことはもちろん、法曹界に対しても、自分のノウハウを生かしていけたらいいなと考えています。たとえば、日本弁護士連合会の動画など、法曹界全体の情報発信に貢献できることがあれば、取り組みたいですね。
また司法試験対策のビジネスでは、講座を売るのではなく、受講生が本当に求めている合格を売る、つまり成功報酬型のスクールを開設したいと準備しているところです。「なりたい自分になれる」というステップアップは誰にとっても重要です。だからこそ司法試験に受かって弁護士になるサポートに限らず、広く「夢を追う人のサポートをするビジネス」ができればいいなと構想を練っています。
いずれにせよ、副業も認めてもらえるベリーベストにいるからこそ、思い描ける未来だと思っています。弁護士でありつつ、「自分のなりたい自分になること」をかなえられる環境を存分に生かして、今後も活動していきたいです。