退職者インタビュー

野村弁護士が事務所を独立した理由とは?
「ベリーベストの交通事故部立ち上げが、人生を大きく左右する結果になったといっても過言ではない」

野村 幸保Nomura Sachiyasu
さち総合法律事務所(代表弁護士) / 64期
※所属や役職、業務内容はインタビュー当時のものです。
独立後、今はどのようなお仕事をされていますか?

交通事故が中心で、離婚、相続などの家事事件や、債務整理、債権回収などの一般民事も対応しています。国選・当番弁護を含めた刑事事件は、アソシエイトの先生方に対応してもらっています。

独立と聞くと、「集客は大丈夫?お金がかかるのでは?」と心配する方が多いと思うのですが、ありがたいことにほとんど広告費をかけていないのに集客できている状態です。ベリーベスト時代とは異なり、事務局によるお膳立てはないのですが、代わりに弁護士会や裁判所からの事件配転がたくさんあります。

都内では、法律事務所や弁護士の数が多いので、配点案件はあまり回ってこないと思います。けれども、地方は弁護士数が圧倒的に少ないので、配点・紹介案件が非常に多いです。
破産管財人や相続財産管理人、市役所やデパートなどの外部相談からの依頼など、東京にいたら経験できない事案も経験できていますね。

一番多いのは、現在進行形のクライアントさんや元クライアントさんからの紹介です。紹介をいただけるということは、私の事件処理などに満足していただけたということかなと、嬉しい限りです。

独立を決めたきっかけはなんでしょうか?

弁護士の多くは、上から指示されて働くよりも、自分の裁量で動きたい、自分の力を試したいと考えている方が多いのではないかと思います。私も多分に漏れずそのタイプで、ベリーベストに入所当初から、独立するつもりでした。集団面接の際、酒井先生から「将来独立をしたいと思っている人はいますか?」と質問されたのですが、その時、私だけ手を挙げたんです(笑)。これは落ちたかなと思いましたが、採用してもらえたので安心しましたね。

入所後は、日々の業務で精一杯でしたが、事件処理件数が増えてクライアントから感謝のお言葉をいただく機会も増えていくうちに、自分の事件処理能力に自信が付いてきました。そうなってくると、1人1人のクライアントにより時間を割いて、事件処理のクオリティをもっと上げたいと思うようになってきたのです。

独立するときに、苦労したことや大変だったことはありますか?

集客面や金銭面での苦労はほとんどありませんでした。独立となると、物件の保証金や引っ越し費用などがかかるイメージですが、私の場合は、東京から広島への自宅の引っ越し費用を含めて300万円かからない程度で済んだと思います。
ただ、ハード面の準備には骨が折れました。ベリーベスト時代のパラリーガルであり相棒だった現在の妻の尽力によりどうにかなりましたが、1人では無理だったと思います。
電話や複合機の導入、ホームページ制作に名刺や封筒作りなど、慣れない作業ばかりでした。今でもIT関係の用語などはよくわからず妻に任せっきりです。

ベリーベストへの入所を決めた理由は何でしょうか?

「ボス弁や兄弁、姉弁が若くて話が合いそう」というのがあります。それから、新しいことに挑戦をしているので、「自分もその流れに乗って、色々経験できるかな」と思いました。事前に事務所の評判を集めることはありませんでした。他人の情報に惑わされず、自分の目で見て考えた上で判断したいと思いましたので。

ベリーベストにいて良かったこと、身に付いたことはありますか?

入所当初から多くの事件処理に当たらせていただけたので、短期間で多くの経験やノウハウを蓄積することができました。たった3年弱なのですが、もはや覚えられないくらいの相談対応や事件処理をしてきたと思います。相談対応は千本ノック状態でしたので、案件の知識だけでなく、相談者などへのホスピタリティ、相談対応のスキルが身に付いたと思います。

そのおかげで、独立後も紹介でのご依頼をいただけている部分が大きいですね。個人事務所でこれだけの相談件数、事件処理件数を経験しようとしたら、相当な時間が必要になります。とにかく経験をしたい、濃い時間を過ごしたいと考えている方には最適だと思います。

一番良かったのは、妻と出会えたことかもしれません(笑)。交通事故部門の事務方トップを私が広島に連れて行ったので、他の事務方メンバーには恨まれているかも……。
あとは、交通事故部門のマネージャーとして経営会議に出ていた経験も、独立後の事務所運営に活きています。

ベリーベスト時代にやっておけば良かったと思うことはありますか?

交通事故部門を立ち上げ、マネージャーとしての業務もある中で、100件以上の事件処理を抱えていました。交通事故以外の事件を対応することが少なかったので、もうちょっと他の分野も経験をしたかったなと思います。

在籍当時のベリーベストはどんな事務所でしたか?

私の同期である64期は10人くらい入所していました。元々いた弁護士も2年から3年の経験弁護士がほとんどで、若い事務所というイメージです。パラリーガルは100人を超えていて、ベテランの方も多く、パラリーガルに実務上の処理を教えていただいたり、助けていただく場面も多々ありました。
弁護士とパラリーガルの垣根がなく、和気あいあいとした雰囲気でしたね。気軽にご飯を食べに行ったり、飲みに行ったりと楽しかったです。

在籍当時、思い出に残っていることはありますか?

やはり、交通事故部の立ち上げですね。人生を大きく左右する結果になったといっても過言ではありません。弁護士としての事件処理能力の向上はもちろんのこと、後遺障害等級認定に注力するために、解剖学など医療分野についても勉強しました。
今もですが、クライアントの診察に同行することもあります。初めは戸惑うことばかりでしたが、所内で勉強会を開催したり、外部の勉強会に参加したりして、ノウハウ・知識を蓄積しました。
弁護士の勉強会だけでなく、パラリーガルとの勉強会も開きました。チームとして一緒に目標に向かうことで、人間関係も深まったように思います。
密かな楽しみは、地方での相談会のための出張です。先々でおいしい食べ物を食べられるのは出張のご褒美でしたね。

独立後のベリーベストとの関わりと、独立後の印象は?

独立後も、広島地裁で期日があるとき、声をかけてくれた仲間と食事に行くことがあります。ベリーベストから独立した弁護士から相談を受けたり、情報交換をしたりと交流は続いていますよ。
広島に来てからも、ベリーベストの広告やCMを見る機会があるので、懐かしいのと同時に誇らしくもあります。特に広告戦略は感心しますね。
また、次々に全国にオフィスを展開しており、今後の発展が楽しみでもあり、うらやましくもあります。

ベリーベストはどのような人に向いていますか?

弁護士としてのスキルを可能な限り早く覚えたい方には、非常に貴重で最適な場所だと思います。
私が独立に踏み切れたのも、ベリーベストで積み重ねた経験と自信があったからです。もちろんその分忙しいですが、弁護士としてのスキルは飛躍的にアップしますよ。

それから、一般企業のような雰囲気が味わえるのもいいかなと思います。大人数でわいわいしゃべりながら、ああでもないこうでもないと知恵を出し合い切磋琢磨もできますので。

今後はどのように働いていきたいですか?

弁護士登録をしてからずっと掲げている目標は、「親しみやすく、どんな些細なことでも、誰でも気軽に相談できる弁護士事務所を作ること」でした。一般の方の弁護士への印象は、「話しづらい」、「偉そうで理屈っぽい」あたりでしょうか。こういった敷居の高さを払拭したいですね。独立してからは、この目標をかなり達成できているように思えます。

また、独立後の異業種交流会で、広島には弁護士が必要とされているシーンがたくさんあるにもかかわらず、弁護士が適切に関われていないことが多いと実感しています。そういった部分を補えるように、直近では、73期の新人弁護士を採用し、今後も徐々に事務所の規模を拡大していきたいと考えています。

私自身の目標としては、相談対応のクオリティとクライアントへのホスピタリティを高めることです。そのために、最近では、産業カウンセラーの資格を取得しました。

ベリーベストを目指している修習生や弁護士にメッセージをお願いします。

ベリーベストは、弁護士業界の常識に良い意味でとらわれない事務所です。そこで経験できることは唯一無二の貴重な体験になります。弁護士人生においては、大きなプラスになるのではないでしょうか。
いろいろな情報が飛び交う世の中ではありますが、一度きりの人生で何かしらの思いや考えがあって弁護士という職業を選択したわけですから、その自分の思いや考えを大切にすれば良いと思います。「面白そう!」と思ったら、是非、飛び込んで挑戦してみてください。
そして、自らの選択に自信を持ち、選択した場所で自分自身の成長を楽しんでください!

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