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中国における商業賄賂とリスクマネジメント -法制度の構成- 

2015年05月13日
  • 中国法務(進出・展開・撤退)
中国における商業賄賂とリスクマネジメント -法制度の構成-

近年中国新しい体制スタート後、競争を市場に任せ、企業に対する事後的監督を強化する等のスローガンを謳い始めてから、ある意味「中国で商売する以上避けては通れない」とされていた商業賄賂等の不正行為に対して取締りを強化してきました。
しかし、他方で、商業賄賂に関する中国法制度は、行政法領域のみならず刑事法領域にも広くわたっており、しかもその規定及び適用基準等の不明瞭さに、多くの企業は頭を悩まされています。

1.「商業賄賂」に関する行政法制度

中国において、商業賄賂に対する行政法規は主に、1993年の「不当競争防止法」及び1996年の「商業賄賂行為禁止に関する暫定規定」です。「不当競争防止法」第8条は、「商業賄賂行為」に関して規定しており、その第22条は処罰規定を設けています。
行政法上の取締り機関は、工商行政管理局であり、違反者に対して1不法行為停止命令、2不法所得の没収、31~20万人民元の過料、4営業停止命令、5営業許可証の取消等の処罰を行うことができます。
「商業賄賂行為禁止に関する暫定規定」第2条はさらに「商業賄賂」の概念を明確にし、その手段としての「財物」を「宣伝費、科研費、賛助費、コンサル費等の名目を借りて相手に与える現金及び実物である」とし、「その他の手段」に関しては、「旅行、海外考察等」の相手に便益を提供する行為等を指すと規定します。また、「ディスカウント」、「リベート」、「手数料」等に関しても規定を設けています。

2.「商業賄賂」に関する刑事法制度

中国において、上記の「商業賄賂行為」が刑法に触れた場合、取締り担当工商行政管理局は事件を管轄調査機関に移送することになっています。「商業賄賂」に関する中国刑事法制は、「刑法」を中心に、2008年の「商業賄賂刑事事件に適用する法律に関する若干問題に関する意見」等の司法解釈及び最高人民法院等の意見から構成されています。刑事法上の刑罰は、10種類以上あります。

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