中国民事訴訟Q&A(その3)
中国律師からの回答
「民訴法」第10条によると、人民法院が民事事件を審理する場合、二審終審制度となっています。
二審終審制
- 地方各級人民法院による第一審の判決及び裁定について、当事者は、1級上の人民法院に上訴することができます。
- 地方各級人民法院による第一審の判決及び裁定について、上訴期間内に上訴がない場合、当該判決及び裁定には法的効力が生じます。
- 中級人民法院、高級人民法院及び最高人民法院が行った第二審の判決及び裁定、最高人民法院が行った第一審の判決及び裁定は、終審の判決及び裁定であり、法的効力を有する判決及び裁定となります。
なお、中国の人民法院は、4審級を有し、基層人民法院、中級人民法院、高級人民法院、最高人民法院に分かれています。
人民法院の第一審裁判は、裁判官による合議廷を構成するか、または裁判官と人民陪審員による合議廷を構成して行い、合議廷の構成員数は奇数でなければなりません。実務上は、審判長1名、代理審判員1名、人民陪審員1名という構成が一般的です。また、簡易な民事事件については、裁判官が単独で裁判を担当することができます。
これに対して、第二審裁判の場合には、奇数の裁判官により合議廷を構成しなければなりません。
注意点
中国では、軍事法院、海事法院、鉄道運輸法院、知的財産権法院等の専門人民法院が存在し、その組織及び職権は、全国人民代表常務委員会が別途規定します。ちなみに、海事法院、知的財産権法院は中級人民法院に相当し、鉄道運輸法院は基層と中級の2審級を有します。