購入した家が欠陥住宅だった場合は、工事等の不備を理由として、施工業者(住宅会社)の契約不適合責任を追及しましょう。
契約不適合責任の追及に当たっては、弁護士のサポートが大いに役立ちますので、お早めにご相談ください。
今回は、欠陥住宅について施工業者に発生する「契約不適合責任」の内容や、欠陥住宅トラブルを弁護士に相談するメリット・解決までの流れ・時効に関する注意点などを、ベリーベスト法律事務所の弁護士がお伝えします。
購入した家が欠陥住宅だった場合、泣き寝入りする必要はありません。弁護士のサポートを受けながら、施工業者の「契約不適合責任」の追及を検討しましょう。
引き渡された住宅の品質等が売買契約または請負契約の内容に適合していない場合、施主は施工業者に対し契約不適合責任を追及できます。
契約不適合責任の追及手段は、以下の4種類です。
売買契約または請負契約の内容に適合していない欠陥部分につき、施主は施工業者に修補を請求できます(民法第562条第1項)。
たとえば、以下のような欠陥について修補するよう要求することが可能です(なお、施工業者は、施主に不相当な負担を課するものでないときは、施主が請求した修補方法と異なる方法で修補することが可能です(同項ただし書))。
ただし、施主に責任がある事由によって生じた欠陥(破損など)については、施工業者に対して修補を請求できない点にご注意ください(同条第2項)。
欠陥の修補を催告したのに、相当な期間をおいても、その欠陥が修補されない場合、施主は施工業者に対して、売買代金または請負代金の減額を請求することが可能です(民法第563条第1項)。
なお、欠陥の修補ができない、施工業者が欠陥の修補を明確に拒絶したなどの場合は、修補の催告(修補を求めること)をすることなく、すぐに代金の減額を請求することが可能です(同条第2項各号参照)。
代金減額請求が認められる場合、支払い済みの代金についても、減額分に対応する金額の返還を受けられます。
ただし欠陥の修補請求と同様に、施主に責任がある事由による欠陥(破損など)については、代金減額請求が認められない点に注意が必要です(同条第3項)。
住宅の欠陥に起因して施主が被った損害については、施工業者に対して損害賠償を請求できます(民法第564条、第415条第1項)。
たとえば以下のような損害について施工業者に対する損害賠償請求が原則として可能です。なお、裁判上、施工の不備による欠陥と損害との因果関係を立証する責任は施主側にあるので注意が必要です。欠陥部分の写真を撮るなどして証拠を保全しておきましょう。
欠陥の修補を催告したのに、相当の期間をおいても欠陥が修理されず、その欠陥が契約および取引上の社会通念を照らして小さな欠陥とはいえない場合、施主は住宅の売買契約または請負契約を解除できます(民法第564条、第541条)。
また、欠陥があるために、売買契約または請負契約の目的が達成できない場合には、施主は欠陥の修理の催告をすることなく直ちに契約を解除することが可能です(民法第564条、第542条第1項第3号)。
売買契約を解除した場合、施主は施工業者に対して売買代金全額の返還を請求できます。
一方、請負契約を解除した場合にも、請負代金全額の返還を請求できるのが原則です。ただし、出来上がった建物によって施主が利益を受ける場合には、施工業者は施主に対して、利益の割合に応じた報酬を請求できます(民法第634条)。
購入した住宅の欠陥が判明した場合には、弁護士への相談をおすすめします。
欠陥住宅トラブルについて弁護士に相談する主なメリットは、以下のとおりです。
欠陥住宅について施工業者の契約不適合責任を追及するためには、欠陥の状態や原因に関する調査が必要不可欠です。
建築士や住宅診断士と連携している弁護士に相談すれば、住宅の欠陥調査を依頼できる専門家の紹介を受けられることもあります。
契約不適合責任の追及方法は以上の通り4種類あり、それぞれ要件と効果が異なります。欠陥住宅による被害をできる限り回復するには、適切な方法を選択することが大切です。
弁護士に相談すれば、状況に応じてどのような解決を目指すべきか、法的な観点からアドバイスを受けられます。
施工業者との示談交渉や建築ADR・訴訟など、施工業者の契約不適合責任を追及するための手続き等を、弁護士に一任できます。
弁護士を代理人とすれば、専門性の高い手続きにもスムーズに対応可能です。その結果、ご自身の負担軽減や適切な損害の回復につながります。
欠陥住宅トラブルを弁護士に相談してから、解決に至るまでの手続きの流れは、大まかに以下のとおりです。
まずは弁護士に連絡をとり、法律相談を申し込みましょう。ベリーベスト法律事務所では、初回相談を60分まで無料で受け付けています。
法律相談の段階では、想定される対応の内容・見通し・スケジュールなどについてアドバイスを受けられます。弁護士費用についても相談できますので、この段階で疑問点があれば解消しておきましょう。
サービス内容や費用などに納得できたら、弁護士と委任契約を締結します。
委任契約の締結後、弁護士が欠陥住宅トラブルへの対応を開始します。
必要に応じて、欠陥の状態や原因を把握するために、建築士や住宅診断士に調査を依頼するなどします。調査結果を踏まえて、施工業者に対してどのような請求ができるかを検討し、必要な証拠資料などを収集します。
契約不適合責任を追及する準備が整った段階で、弁護士が施工業者と交渉を開始します。ただし、相手方が当初から交渉に応じないことを明確に示している場合などでは、交渉を経ずに、最初から訴訟を行うこともあります。
交渉では、施主側と施工業者側の双方が解決策を提案し合い、互いに譲歩しながら合意を目指します。施工業者側の提案が妥当なものなのか等は、過去の裁判例や実務を踏まえて弁護士がアドバイスいたします。
交渉がまとまらない場合は、建築ADRや訴訟を通じて解決を図ります。
建築ADRや訴訟は専門性の高い手続きですので、準備や対応は弁護士におまかせいただくのが安心です。
欠陥住宅に関する契約不適合責任は、施主が業者から欠陥住宅の引き渡しを受け、その不適合を知った時から1年以内に施工業者へ通知しなければ追及できなくなります(民法第566条)。なお、相手方が不適合を知って引き渡した場合などはこの限りではありません(同条ただし書)。
1年を過ぎてしまうと請求することができなくなってしまいますので、内容証明郵便などによって、早めに施工業者へ不適合(欠陥)の存在を通知しましょう。
なお、売買契約または請負契約を結ぶときに、上記の契約不適合責任の期間を変更する特約が設けられているケースがあります。
施工業者が宅地建物取引業者であって、契約不適合責任が追及できる期間を定めていた場合には、目的物の引き渡しから2年以上とするものを除いて、施主に不利となる特約は無効です(宅地建物取引業法第40条)。
施工業者から契約不適合責任の期間短縮を主張された場合は、上記の規定に違反していないかどうかを確認しましょう。
また、新築住宅の請負・売買契約で、「構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分」に瑕疵(欠陥)がある場合には、その瑕疵については引き渡した時から10年間契約不適合責任が存続します(瑕疵担保責任、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条、第95条)。
いずれにしても、施工業者の契約不適合責任を追及するためには、早期に弁護士へ相談することが大切です。欠陥住宅トラブルにお悩みの方は、お早めに弁護士までご相談ください。
購入した住宅に欠陥があった場合には、施工業者の契約不適合責任を追及することを検討しましょう。施工業者から損害の補償を適正に受けるためには、弁護士へのご依頼がおすすめです。
ベリーベスト法律事務所は、建築トラブルに関するご相談を随時受け付けております。
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