コラム Columns

中国弁護士(律師)コラム Column

中国民事訴訟Q&A(その35) 

2017年11月21日
  • 訴訟・仲裁手続
中国民事訴訟Q&A(その35)

Q35:訴訟前の財産保全につきどのぐらいの担保が必要でしょうか。

中国律師からの回答

「民訴法」第101条によると、利害関係人は、緊急の状況により直ちに財産保全の申立てをしなければ、その者の適法な権益につき補償することが困難な損害を受けるおそれがある場合には、訴訟の提起又は仲裁の申立ての前に、被保全財産の所在地、被申立人住所地又は事件の管轄権を有する人民法院に対して財産保全の措置を講ずるよう申し立てることができます。

訴訟前の財産保全
  • 訴訟前の保全を申し立てる場合、担保を提供しなければなりません。
  • 訴訟前の財産保全を申し立てる場合、保全請求の金額に相当する担保を提供しなければなりません。特別な事情がある場合、人民法院はの裁量しになります。近年、実務上、民間の訴訟財産保全保険による担保が可能ですので、財産保全手続がかなり便利になります。
  • 人民法院は、長期保存に適さない品物に対して、保全措置を講じる場合、当事者に適時に処理するよう命じ、人民法院が換金した代金を保管することができます。
  • 債務者が第三者に対し満期期限の到来した債権を有する場合、人民法院は、債権者の申立てに基づき、当該第三者が債務者に弁済してはならないという裁定をすることができます。

また、人民法院が保全措置を講じてから三十30日以内に、申立人が法律に基づいて訴訟提起又は仲裁申立てをしない場合には、人民法院は保全を解除しなければなりません。

注意点

人民法院は、抵当物、質物、留置物に対して、保全措置を講じる場合、抵当権者、質権者、留置権者は優先的に債務弁済を受ける権利を有します。

重要関係司法解釈

「最高人民法院の『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する解釈」
(2015年2月4日施行、法釈[2015]5号)第7章 (保全及び先行執行)

無料通話:
日本語・中国語でお問い合わせいただけます
0120-260-093
平日 9:30-21:00 / 土日祝 10:00-17:00(日本時間)
TOPへ