中国民事訴訟Q&A(その33)
中国律師からの回答
「民訴法」第8章(調解)及び関係司法解釈によると、民事事件の調解過程は原則として公開しません。和解調書の内容も原則として公開しませんが、国の利益社会公共利益、他人の合法的な権益を保護するために人民法院が公開する必要があると認めた場合は除きます。また、以下の事件につき、和解合意が成立した場合には、人民法院は、和解調書を作成しない場合もあります。
- 和解調書を作成しなくてもよい事件
- 調解により和解した離婚事件。
- 調解により養親子関係を維持する事件。
- 即時に履行することができる事件。
- 和解調書を作成する必要がないその他の事件。
ちなみに、実務上、上記の和解調書を作成する必要がないその他の事件については、通常、当事者間の和解合意書の調印が要求される場合が多いです。人民法院は調印した和解合意書を審査し、確認した後、法廷記録に記入し、または和解合意書を法廷記録の別紙として添付されます。
注意点
実務上、当事者が自ら和解し、和解合意書を調印した後、人民法院に和解合意書の確認を経て、その内容に基づき和解調書を作成する場合がよくありましたが、その内容に基づき判決書を作成することは禁止されています。
重要関係司法解釈
「最高人民法院の『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する解釈」(2015年2月4日施行、法釈[2015]5号)第5章 (期間と送達)
「最高人民法院の人民法院民事調解業務の若干問題に関する規定」(2004年11月1日施行、法釈[2004]12号)