コラム Columns

中国弁護士(律師)コラム Column

中国民事訴訟Q&A(その32) 

2017年08月22日
  • 訴訟・仲裁手続
中国民事訴訟Q&A(その32)

Q32:公示送達の公示期間は何日でしょうか。

中国律師からの回答

「民訴法」第92条によると、送達受領者の行方が不明であり、又は法律に定めるその他の方式をもって送達できない場合には、公示送達をし、公示した日から六十日を経過したときに、送達されたものとみなします。

公示送達
  • 送達受領者の行方が不明であった場合、または法律に定めるその他の方式をもって送達できない場合のみ、公示送達が適用されます。実務上、送達受領者の行方が不明であったことを証明するには、失踪宣告の特別手続を行う必要がありますので、法律に定めるその他の方式をもって送達できないことを理由に公示送達が適用されるのがほとんどです。
  • 人民法院は、その掲示板、送達受領者の住所地での公告の貼り出し、新聞、インターネット等の媒体への公告掲載により公示送達し、最終の貼り出しまたは掲載の日から公示期間を計算します。送達受領者の住所地での公告の貼り出しの場合、写真、ビデオ撮影等の方式で公告の貼り出しの過程を記録する必要があります。
  • 公示期間の満了後、送達されたものとみなします。
  • 公示送達については、事件記録に理由及び経過を明記しなければなりません。
  • 簡易手続の場合には、公示送達が適用されません。

ちなみに、公示送達の場合、公示送達を行う理由を説明しなければなりません。訴状又は上訴状の公示送達の場合、起訴または上訴の要点、答弁期限、答弁しない場合の法的結果等を説明しなければならず、召喚状の公示送達の場合、出廷の期日及び場所、出廷しない場合の法的結果等を説明しなければならず、判決書、裁定書の公示送達の場合、裁判の主要内容、上訴の権利、期限及び上訴の人民法院(上訴する権利がある場合)等を説明しなければなりません。

注意点

実務上、公示送達の場合、人民法院は公示期間の満了後、欠席裁判を行う場合が多いため、地方の人民法院が地方保護主義の一環として悪用する恐れがあります。

重要関係司法解釈

「最高人民法院の『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する解釈」
(2015年2月4日施行、法釈[2015]5号)第5章 (期間と送達)

無料通話:
日本語・中国語でお問い合わせいただけます
0120-260-093
平日 9:30-21:00 / 土日祝 10:00-17:00(日本時間)
TOPへ