中国民事訴訟Q&A(その30)
中国律師からの回答
「民訴法」第7章第2節(送達)の関係規定によると、「民訴法」上は、直接送達、差置送達、電子送達、委託送達、郵便送達、代理交付送達、及び公示送達の7つの送達方法が定められています。
送達方法
- 直接送達
人民法院の書記館、司法警察等が訴訟文書を送達受領者に直接交付します。 - 差置送達
送達受領者又は同居の成年家族が訴訟文書の受領を拒絶した場合には、
①送達人は関係基層組織(居民委員会、村民委員会等)又は所属する組織の代表に現場に立ち会う上、訴訟文書を送達受領者の住所に差し置きます。
また、②訴訟文書を送達受領者の住所に差し置き、写真、ビデオ撮影等の方式で送達の過程を記録することにより送達します。 - 電子送達
人民法院は、送達受領者の同意(送達住所確認書において明記する必要がある)を経て、ファクシミリ、電子メール等の方式によって訴訟文書の送達を行います。 - 委託送達
事件を管轄する人民法院は訴訟文書の直接送達が困難な場合には、他の人民法院に委託して代理送達させます。 - 郵送送達
事件を管轄する人民法院は訴訟文書の直接送達が困難な場合には郵便により送達させます。 - 代理交付送達
送達受領者が軍人である場合には、その者の所属する部隊の連隊以上の組織の政治機関を通じて交付します。送達受領者が拘禁されている場合には、その者の所在する拘禁場所を通じて交付します。送達受領者が強制的教育措置を受けている場合には、その者の所在する強制教育機関を通じて交付します。 - 公示送達
送達受領者の行方が不明であり、又は法律に定めるその他の方式をもってしても送達することができない場合には、公示送達をします。
また、訴訟文書を送達する場合には、送達受領証を作り、送達受領者が送達受領証に受領日を記載し、署名し、又は押印しなければなりません。送達受領者の送達受領証に署名・受領をした日は、を送達日とします。
注意点
和解調書については、差置送達ができません。判決書、裁定書、和解調書については、電子送達ができません。
重要関係司法解釈
「最高人民法院の『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する解釈」
(2015年2月4日施行、法釈[2015]5号)第5章 (期間と送達)