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中国民事訴訟Q&A(その26) 

2017年02月14日
  • 訴訟・仲裁手続
中国民事訴訟Q&A(その26)

Q26:証拠質疑手続とはどのような手続でしょうか。

中国律師からの回答

「民訴法」第68条によると、証拠は法廷において提示し、当事者の質疑を受けなければなりません。また、「最高人民法院の民事訴訟証拠に関する若干規定」第47条によると、質疑を受けていない証拠は、事件の事実を認定する根拠としてはなりません。「証拠質疑」手続とは、人民法院の主宰の下で、双方当事者がお互いに証拠を提示し、証拠の真実性、関連性、合法性をめぐり質疑し、証拠の証明力の有無及び程度につき説明・弁論を行う裁判上の手続です。

証拠質疑
  • 証拠は法廷において当事者の質疑を受けなければなりません。当事者が審理前の準備段階において認めた証拠は、裁判官が法廷において説明した後、質疑を受けた証拠とみなします。
  • 国家機密、営業秘密及び個人のプライバシーに係わる、又は法律に規定されているその他の秘密を保持しなければならない証拠については、公開の法廷で質疑してはなりません。
  • 人民法院は、証拠質疑手続を主宰し、当事者が証拠の真実性、合法性及び事実との関連性をめぐり質疑を行い、証拠の証明力の有無及び程度につき説明・弁論をします。
  • 手順としては、原告、被告、第三者の順番により行います。
  • 人民法院が職権により調査・収集した証拠は、法廷において提示し、当事者の意見を聴取しなければなりません。
  • 事件に二つ以上の独立した訴訟請求がある場合、当事者は一つずつ関係証拠を提示し、質疑を行うことができます。

ちなみに、当事者が証拠交換手続において認め、かつ記録された証拠は、裁判官が法廷において説明後、事件の事実を認定する根拠とすることができます。

注意点

書証、物証、視聴覚資料についての証拠質疑の場合、相手当事者は、証拠の原本または原物の提示を求める権利を有しますので、証拠質疑手続において証拠の原本または原物を提示できない場合、不利益を受ける可能性が高いです。実務上、原本または原物の提示が確かに困難である場合、証拠交換手続において人民法院に複製文書または複製品のを提示することにつき許可を申請し、事前に人民法院に説明することが重要です。

重要関係司法解釈

「最高人民法院の『中華人民共和国民事訴訟法』の適用に関する解釈」(2015年2月4日施行、法釈[2015]5号)第4章 (証拠)
「最高人民法院の民事訴訟証拠に関する若干規定」(2001年4月1日施行、法釈[2001]33号)

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