中国民事訴訟Q&A(その9)
中国律師からの回答
「民訴法」第33条及び第266条は、裁判権が特定の人民法院に専属し、当事者の意思により変更することができない管轄(すなわち、専属管轄)を規定しています。
専属管轄
- 不動産に関わる紛争により提起する訴訟は、不動産所在地の人民法院が管轄します。
- 港湾作業において発生した紛争により提起する訴訟は、港湾所在地の海事人民法院が管轄します。
- 相続財産に関わる紛争により提起する訴訟は、被相続人の死亡時の住所地または主要遺産の所在地の人民法院が管轄します。
- 中国における中外合弁経営企業契約、中外合作経営企業契約、中外合作自然資源探査開発契約の履行により発生した紛争につき提起する訴訟は、中国の人民法院が管轄します。
したがって、「民訴法」第33条及び第266条に従い、中国の人民法院の専属管轄に属する事件については、当事者は中国以外の国家の裁判所の管轄を選択してはなりません。ただし、仲裁を選択する場合は除外されることに留意する必要があります。したがって、中国の仲裁機構に限らず、外国の仲裁機構も選択することができます。
注意点
中国の「契約法」第126条によると、中国における中外合弁経営企業契約、中外合作経営企業契約、中外合作自然資源探査開発契約については、中国の法律を適用しなければなりません。実務上、中国における中外合弁経営企業契約、中外合作経営企業契約、中外合作自然資源探査開発契約につき外国の仲裁機構を選択する場合も準拠法が中国法となります。
重要関係司法解釈
「最高人民法院の『民事訴訟法』の適用の若干問題に関する意見」(1992年7月14日施行、法発[92]22号)第1章(管轄)、第十八章(渉外民事訴訟手続の特別規定)