高度専門職在留資格とは
高度専門職在留資格とは、「高度学術研究分野」「高度専門・技術分野」「高度経営・管理分野」の3分野において優秀な能力を持つ外国人(高度外国人材)の方向けの在留資格(ビザ)です。通常の在留資格に比べ優遇措置を受けることができます。
高度専門職在留資格を取得するには、高度人材ポイント制によって定められたポイントを満たさなければいけません。
「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとに設置されたポイントの合計点が一定以上(70点)を達すれば取得が可能です。
現在日本への在留を考えていて、まだ高度専門職在留資格をお持ちでない方は、まずはご自身のポイントを確認してみましょう。
高度専門職資格の特徴
- ポイント制による迅速な審査
- 申請から10日間(実際30日)の迅速な審査
※通常の審査は90日から180日 - 最初から5年の在留期間が付与される
※通常初年度は1年 - 配偶者の就労が可能
- 親の帯同が可能
- 家事使用人の帯同が可能
- 永住申請要件の緩和
70ポイント以上 3年以上の居住
80ポイント以上 1年以上の居住
特別高度人材 1年以上の居住
※特別高度人材は上記の優遇措置に加えてプライオリティレーンの使用が可能
※通常は10年以上の在住および5年以上の就労が要件
また、高度専門職在留資格には、1号と2号が存在します。2号を取得するためには、1号を取得してから3年間活動を行う必要があります。
1号と2号の資格の違いは以下の通りです。
高度専門職在留資格1号と2号の比較
(⇐ 横にスライドします ⇒)
高度専門職1号 | 高度専門職2号 | 高度専門職1号 特別高度人材 |
高度専門職2号 特別高度人材 |
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在留期間 | 5年 | 無期限 | 5年 | 無期限 |
転職活動 | ✕※1 | ◯ | ✕※1 | ◯ |
永住許可要件の緩和 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
配偶者の就労 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
親の帯同 | ◯※2 | ◯※2 | ◯※2 | ◯※2 |
家事使用人の帯同 | ◯※2 | ◯※2 | ◯※2 | ◯※2 |
入国・在留手続の優先処理 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
プライオリティレーンの使用 | ✕ | ✕ | ◯ | ◯ |
※2 一定の条件下に限る
このように、2号の資格を取得することで、実質永続的に在留する権利を獲得します。
また、1号との大きな違いは、転職活動を行えるという点です。
高度専門職1号在留資格で活動をされている方は、日本国内での転職活動を行うことができません。日本へ長く滞在したいと考えている方、日本国内で転職を行いたい方は、ぜひ高度専門職2号在留資格を検討してみましょう。
新たな高度人材受入受け入れ制度の拡充策について
日本政府は検討をしている受け入れ制度の新たな拡充策の発表を行いました。
高度専門職は学歴、職歴、年齢等をポイント化し70ポイント以上を認められた方が取得できる在留資格です。
新たに発表された内容によると、研究者(教授に該当)と技術者(技術・人文知識・国際業務に該当)は年収が2,000万円以上で修士以上の学位を取得している場合か年収2,000万円以上で職歴10年以上の場合にこの新たな高度人材資格が取得可能となります。
経営者(経営・管理に該当)は職歴5年以上で年収4,000万円以上の方はこの新たな高度人材資格が取得可能となります。
これまで、過去在籍した会社からの在職証明書が取得できない等で高度専門の取得を諦めていた方にとっては朗報ではないでしょうか。
新たな高度人材の発表が出入国在留管理庁からありました。新たな高度人材は特別高度人材制度(J-Skip)として高度専門職1号、2号の申請が可能になります。
高度専門職2号在留資格と永住権の違い
高度専門職2号と同じく、在留期間に制限がないVISA(在留資格)として永住資格(永住権)があります。
永住権を取得することで、無期限の在留資格を得ることができ、また高度専門職2号在留資格と同じく日本での就労活動も行えます。
では、高度専門職2号在留資格と永住権の違いとはなんでしょうか。以下にまとめましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
高度専門職2号在留資格と永住資格(永住権)の比較
(⇐ 横にスライドします ⇒)
高度専門職2号在留資格 | 永住資格(永住権) | |
---|---|---|
就労 | 就労をしていないと取り消し | 就労要件なし |
就労可能な業種 | 制限あり | 制限なし |
親の帯同 | ◯※ | ✕ |
家事使用人の帯同 | ◯※ | ✕ |
配偶者の就労 | ◯ | ◯ |
再入国許可 | 再入国許可により5年間の離日が可能 | 再入国許可により5年間の離日が可能 |
転職 | ◯ | ◯ |
住宅ローン | 多くの銀行は住宅ローンや事業ローンに永住資格を求めている |
このように、永住権の場合は親や家事使用人の帯同ができません。
ただし就労をしていなくとも日本に在留することが可能であり、就労先の業種も自由に選ぶことができます。
親や家事使用人を帯同したい方は高度専門職2号在留資格を、帯同は不要の方は永住権を選択すると良いでしょう。
また、高度専門職1号の資格をお持ちの方は、永住資格取得までの時間を最大9年短縮可能です。詳しくは次項で見ていきます。
高度専門職2号在留資格と永住権の取得条件
高度専門職2号在留資格と永住権を取得するためには、主に下記の条件を満たす必要があります。
資格取得の条件
高度専門職2号在留資格 |
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永住資格(永住権) |
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必要書類例
高度専門職2号 |
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永住資格(永住権) |
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