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    2022年09月15日
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    2022年09月15日
    リフォームにおける瑕疵担保責任は契約不適合責任へ。どう変わる?
    監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
    リフォームにおける瑕疵担保責任は契約不適合責任へ。どう変わる?

    リフォーム工事に欠陥が見つかった場合、施主は施工業者に対して「契約不適合責任」を追及できます。

    以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていましたが、2020年4月1日に施行された現行民法によって、契約不適合責任としてルールが再整備されました。

    今回は、瑕疵担保責任と契約不適合責任の違いや、リフォームの欠陥に関する契約不適合責任を追及する際の注意点などを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、リフォームの欠陥に関する「瑕疵担保責任」とは?

住宅のリフォーム工事が完了した後、実際の施工状況を確認すると、以下のような欠陥(瑕疵)が発見される場合があります。

  • 間取りが図面と違う
  • 使用部材が契約内容と違う
  • 施工に不備がある(配水管を交換したら勾配がとれていなかった、床を張り替えたら張替部分に傾斜が生じていたなど)


リフォーム工事における「瑕疵担保責任」は、リフォームを行うための工事請負契約で合意した内容と異なる不具合が生じたときに、施工業者(請負人)が施主(注文者)に対して負担する責任を意味します。
リフォーム瑕疵保険への加入や、施工業者との保証に関する契約がなくても、瑕疵担保責任は法律上定められた施工業者の責任です。

現行民法が施行されるまでは、旧民法において「瑕疵担保責任」のルールが定められていました。
旧民法の下では、瑕疵担保責任を負う施工業者は、施主に対して修補または修補に代わる損害賠償責任を負うほか、瑕疵の内容によっては、施主は請負契約を解除できることになっていましたが、完成した土地の工作物については解除できないとされていました。しかし、建替えしなければならない建物については建て替え費用の損害賠償も判例で認められるようになり、完成した建物については解除できないという規定が、あまり意味のないものになってしまっているなどの問題もありました。

また、瑕疵担保責任というのは、売買でも定められていましたが、規定が不十分で学説や判例によって解釈を補っているところもありました。
そのため、2020年4月1日に施行された現行民法により、瑕疵担保責任は、債務不履行責任である「契約不適合責任」として再構成されました。

2、民法改正により瑕疵担保責任は契約不適合責任へ|両者の違いは?

現行民法では、瑕疵担保責任は契約不適合責任へと変更されたため、2020年4月1日以降に締結されたリフォーム工事の請負契約については、契約不適合責任のルールが適用されます。

従来の瑕疵担保責任と比較して、契約不適合責任はどのような点が変更されたのかをまとめました。

  1. (1)「瑕疵」の定義を明文化

    「瑕疵」という言葉は、日常的に用いられるものではなく、意味が分かりにくい面があります。
    判例実務上は、瑕疵とは「目的物が契約に適合していないこと」であると解する見解が定着していました。

    そこで現行民法では、売主・施工業者等の責任が発生するのは、「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない」場合であることを規定しました(民法第562条第1項、559条)。
    これは、「瑕疵」という分かりにくい言葉を用いることを避けたうえで、判例の解釈を条文上明文化したものと言えます。

  2. (2)法定責任説の否定・契約責任説の採用

    旧民法下の売買における瑕疵担保責任については、いわゆる「法定責任説」と「契約責任説」の2つが対立していました。

    ① 法定責任説
    特定物(当事者が物の個性に着眼して取引をする物)の引き渡しについては、目的物の瑕疵について、債務不履行責任が発生しないことを前提としつつ(特定物ドグマ)、当事者間の公平を図るため、(債務不履行責任ではない)特別の法定責任を負わせたものであるとする説です。

    ② 契約責任説
    特定物であっても、瑕疵のない目的物を引き渡すことが契約上義務付けられることを前提としつつ、債務不履行責任の特則として設けられたとする説です。


    法定責任説と契約責任説は、いずれも有力な見解として主張されていましたが、特に法定責任説が前提としている「特定物ドグマ」(特定物の取引においては、瑕疵がある特定物の給付を行ったとしても、債務の履行としてはそれで足りるという考え方)については、不合理であるとして批判が集まっていました。

    そこで現行民法では、瑕疵担保責任を契約不適合責任として再構成するに当たり、契約責任説を明示的に採用し、学説上の論争に決着を付けました。

  3. (3)「隠れた瑕疵」の要件の廃止

    旧民法では、売買における瑕疵担保責任は「隠れた瑕疵」についてのみ発生すると規定されていました。

    「隠れた瑕疵」とは、瑕疵について買い主が善意無過失(瑕疵の存在を知らず、知らないことについて過失がないこと)であることを意味しています。
    しかし、買い主が善意無過失であったとして、損害賠償請求をするとしても、売り主の帰責事由(故意または過失)が必要なのか、損害賠償の範囲はどこまでなのかといった点について、判断が分かれていました。

    現行民法では、契約不適合責任において契約責任説が採用され、契約不適合責任による損害賠償については、一般の債務不履行による損害賠償の規定に従うことになり、売り主に責任のあるときには損害賠償が認められることになりました。売買のこの契約不適合責任の規定は、請負契約にも準用されます

    また、「隠れた瑕疵」か否かで考慮されていた買い主の認識や認識可能性は、契約上予定されていた契約の目的物の品質や性能はどういったものかの判断要素とされることになったため、「隠れた瑕疵」の要件は撤廃されました。

  4. (4)救済方法の多様化

    旧民法における瑕疵担保責任の規定では、目的物の種類や品質に問題があっても、買い主は、損害賠償請求と契約の解除の2つができるにとどまりました。

    これに対して、現行民法における契約不適合責任の規定では、新たに「履行の追完請求」(民法第562条)と「代金減額請求」(民法第563条)が追加され、これらは請負契約にも準用されます(民法559条)。

    たとえば、リフォーム工事に欠陥があった場合、通常は、まず補修(履行の追完請求)を求めるでしょう。
    しかし、修補しても全く使い物にならないような場合には、解除して既払いの請負代金を返してもらい、全部撤去して一からやり直すことが必要になる場合もあるでしょう。
    このときに損害が発生していたら損害賠償をすることも可能です。
    また、修補を請求しても行ってくれないような場合には、ほかの人に修補させるために必要な費用を損害賠償請求することもできます。
    このときには、民法で新しく設けられた請負代金請求をすることも可能ですが、どれだけの減額を請求できることになるのかは規定されていません。判例などでも、どのように扱うか決まった取り扱いがあるわけではありませんので、修補に必要な費用の減額が認められるとは限らないことに注意して下さい

3、リフォーム工事の契約不適合責任に関する注意点

リフォーム工事の欠陥につき、施工業者の契約不適合責任を追及する際の注意点として、免責特約の有効性と、慰謝料請求の可否の2点について触れておきます。

  1. (1)契約不適合責任を免責する特約は有効?

    リフォーム工事の請負契約では、契約不適合責任の免責特約が規定されることがあります。
    民法上、契約不適合責任は任意規定とされているため、免責特約は原則として有効です。

    ただし、以下の場合には免責特約が無効となります。

    • 施工業者が欠陥の存在を知りながら、施主に告げなかった場合(民法第572条、559条)
    • 施工業者が事業者であり、施主が消費者の場合(消費者契約法第8条第1項第1号、第2号、第2項)


    もし施工業者が、無効な免責特約に基づいて欠陥の修補などを拒否してきた場合、法的な観点から反論を行いましょう。

  2. (2)リフォームの欠陥を理由とした慰謝料請求は認められる?

    リフォーム後の生活に夢を膨らませていたのに、欠陥工事(瑕疵工事)によって台無しにされたことについて、施工業者に慰謝料を請求したいという気持ちはよく分かります。

    しかし、リフォーム工事の欠陥については、慰謝料請求が認められるケースは多くありません。
    基本的には欠陥の修補や代金減額、実際に発生した支出の損害賠償などにより、補償が完結すると考えられるからです。

    ただし、施工業者の対応があまりにも悪く、欠陥自体を直したとしても、それでは償いきれない精神的苦痛を被ったと言える場合には、慰謝料請求が認められる可能性もあります。
    施工業者に対する慰謝料請求を行いたい場合には、弁護士とともに主張構成等の戦略を練るのがおすすめです。

4、施主がリフォーム工事の契約不適合を発見した場合の対処法

リフォーム工事の欠陥(契約不適合)について、施主が欠陥を発見した場合、施工業者から効果的に補償を受けるため、弁護士にご依頼いただくことをおすすめいたします。

  1. (1)4つの救済手段から状況に合ったものを選択する

    前述のとおり、施工業者の契約不適合責任を追及する手段には、以下の4つがあります。

    • 履行の追完請求
    • 請負代金減額請求
    • 損害賠償請求
    • 契約の解除


    施主としては、発生した損害全額の賠償を受けつつ、できる限り有利な解決を得るため、上記の各手段を選択して、または組み合わせて活用することが大切です。
    各手段にはそれぞれ要件が設定されており、状況に応じて講ずべき手段も異なるため、十分な法的検討を行いましょう。

  2. (2)弁護士に対応を一任するのがお勧め

    施工業者に対する契約不適合責任の追及は、弁護士に一任するのがおすすめです。

    弁護士は、契約不適合責任の追及手段を適切に選択するため、依頼者の状況を踏まえてアドバイスいたします。

    施工業者との示談交渉や訴訟についても、弁護士が全面的に代行するため、依頼者に大きなご負担がかかることはございません。
    また、示談交渉や訴訟の進行状況に応じて、臨機応変に対応できるため、最終的に有利な結果を得られる可能性が高まります。

    もしリフォーム工事の欠陥を発見したら、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

リフォーム工事の欠陥を発見した場合、現行民法に従い、施工業者に対して、瑕疵担保責任からリニューアルされた「契約不適合責任」を追及することができます。

施工業者の契約不適合責任の追及は、弁護士にご依頼いただければ、施主のご負担を大きく軽減できます。
また、法的に根拠のある主張を展開することで、施主にとって有利な結果が期待できます。

ベリーベスト法律事務所は、建築訴訟専門チームが一級建築士等と連携し、施主の方の被害回復をサポートします。

全国にオフィスを有しているため、幅広い方にご利用いただけます。
初回相談は60分無料で、Zoomなどによるオンライン相談も、随時ご対応可能です。

リフォーム工事の欠陥を発見し、施工業者の責任追及をご検討中の方は、お早めにベリーベスト法律事務所へご相談ください。

監修者情報
萩原達也 代表弁護士
萩原達也 代表弁護士
弁護士会:第一東京弁護士会
登録番号:29985
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
建築問題の解決実績を積んだ弁護士により建築訴訟問題専門チームを組成し、一級建築士と連携して迅速な問題快活に取り組みます。
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