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最近の税務訴訟の状況 The Current State of Tax Litigation

税務訴訟の発生件数

国税に関する税務訴訟については、毎年、国税庁が状況を発表してくれています。
まず、訴訟の発生状況は下記のとおりです。

国税庁報道発表資料(平成29年6月発表)より

平成23年度以降、減少傾向にあり、特に平成26年度以降は少ない件数で推移しています。
これは、平成23年に、税務調査(実地調査)について、事前通知手続や調査終了時における書面による通知手続および理由の説明手続などを法定することとした国税通則法の大幅な改正があったことが影響している可能性があります(これに関係する条項の施行は平成25年)。

つまり、上記の手続が法定された結果、税務調査に必要な事務手続が増加し、調査件数が減少したことに伴い、不服の対象となる課税処分自体が減少していると推測されるのです。

そのほか、国税不服審判所では、平成19年度から国税庁職員以外の税理士や弁護士(いわゆる民間専門家)の採用を開始していますが、平成23年度以降、更に税理士や弁護士の採用を拡大し、国税不服審判所における審理の中立性および公正性を向上させようとする方針が、近年になって一定の成果を上げ始めていることなどが考えられます。

納税者勝訴率の推移

国税庁では、税務訴訟の結果についても公表しており、その結果をまとめると下記のとおりになります。

国税庁報道発表資料(平成29年6月発表)に基づいて作成

ここ10年ほどは、納税者勝訴率がおおまかに言って約5%から約15%までの範囲で推移しており、各年度の勝訴率は、年度ごとの特殊要因が大きく、現段階では、一定の傾向があるとまではいえません。

このデータをみますと、一般論として、税務訴訟は、公的な機関が、それなりの検討を行った上で行った処分に対する訴訟ですので、納税者側が勝訴するのが難しいタイプの訴訟であるといえます。

ただし、「終了した税務訴訟の件数」には、下記のようなケースが含まれていることにも注意する必要があります。

  1. 「却下」…… 訴えが不適法として門前払いされたケース
  2. 「取下げ」…… 納税者が様々な理由で訴えを取り下げ、判決にいたらなかったケース
  3. 納税者本人や税務訴訟に慣れていない弁護士などが訴訟を起こし、十分な法的議論がなされなかったと見られるケース
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