もともとは企業法務をやりたいと思っていました。弁護士といえば、会社の窓口になって交渉するような仕事のイメージがあって、単純に「かっこいいな」と思っていたのがきっかけです。ただ就職活動をしてみると、当時、企業法務中心の事務所は採用の時期が早く、なかなか選択肢に入りづらい状況でした。
一方で、一般民事を扱う事務所の多くは情報が少なく、「どんな事務所か分からない」「報酬も不透明」といった不安もありました。
その中で、ベリーベストは規模が大きく、幅広い経験もできそうだったので、「まずはここで一通りやってみよう」と思い入所を決めました。
約6年間在籍し、離婚、交通事故、相続、刑事、労働、債務整理、B型肝炎、企業法務まで、あらゆる分野を担当させていただきました。
自由で風通しの良い事務所だったと思います。やりたい案件に手を挙げれば関われますし、働き方についても比較的柔軟に選択できる環境でした。
規模の大きい組織でありながら、変に気を遣って立ち回らないといけないような空気はなかったです。
また、成果に対してきちんと評価しようという意識を代表が持たれていて、不公平感がないところが良いと感じていましたね。
東京に愛着があり、最初は異動することに躊躇するところもありましたが、結果としては良い経験になったと思っています。
全国にある各オフィスでは、管轄するエリアごとに案件が入ってくるので、「このエリア内でどう売り上げを作るか」という視点を持つようになります。コストを意識したり、少人数で案件を回したりと、事務所運営に近い経験ができました。
湘南藤沢エリアは海が近く、とてもいい場所でした。江の島で飲み会を開催したり、サーフィンをしたりしたのはいい思い出ですね。
2022年に独立し、東京都中野区で事務所を開設しました。
扱っている分野としては、離婚、交通事故、相続、刑事など、いわゆる一般民事が中心です。特定の分野に絞らず、個々の相談内容ごとに受任できるかどうかを判断しています。
相談の多くは中野区や杉並区など近隣エリアの方からで、地域に根ざした“街弁”のスタイルです。
現在は、私のほかに事務員1名、そしてスペースをお貸ししている弁護士が1名おります。
もともと独立志向はありましたが、綿密に計画していたわけではなく、タイミングで決めた部分が大きいです。子どもが生まれるタイミングで家を買って、その流れで独立することを決めました。
あとはやっぱり、自分で意思決定して、自分で案件を取って、報酬を得る、という働き方をやってみたいというのはありましたね。
独立に際して、案件処理についてはベリーベストでたくさん経験させていただきましたので、あまり不安はなかったのですが、「お客さまが来るかどうか」については正直なところ心配でした。
準備としては、手元資金と公庫からの借り入れで、広告費などの経費や生活費も含めて考えても、1年くらいは持つように資金を用意しました。
「1年全く依頼が来ないことはないだろう」「3年やってダメなら、またアソシエイトからやり直せばいい」という感覚でスタートしました。
ありがたいことに開業1か月目から一定数の相談が入り、集客に困ることもなく今に至ります。
現在やっていることは、広告の出し方、相談対応、案件処理の流れまで、ベリーベストでやっていたこととあまり変わりません。
特に、マーケティングの考え方は大きいです。ポータルサイトの使い方や、集客の導線設計など、ベリーベストで働いていたからこそ自然に理解できていましたが、弁護士になる前には全く知らなかった部分なので。これを知らない状態で独立していたら、かなり苦労していたかもしれません。
実は、業務環境やツールも、在籍時とほぼ同じものを使っているんです。
案件管理システムはベリーベストで使用していた「Armana(アルマナ)」を利用していますし、スケジューラーも、パソコンの機種まで同じです(笑)
環境を変えないことで、立ち上げ時に無駄に悩まず、スムーズに業務を始めることができました。
ChatGPTなどは適宜使っていますが、プロンプトや学習量の問題もあり、現時点ではそのまま実務に使えるレベルではないと感じています。
ただ、ベリーベストが独自開発しているような、実務特化型のAIにはかなり期待しています。内容次第ですが、もしリリースされたらすぐに導入すると思います。
酒井代表には、所内利用だけではなく、外部リリースをぜひご検討いただきたいですね。
続いていますよ。忘年会やベリーベスト主催の司法試験合格者祝賀会に呼んでいただき、退職者としてスピーチをしたり、プライベートでも元同僚の先生と2か月に1回くらいのペースでゴルフに行き、業界やマーケティングなどの情報交換をしたりしています。
このまま一人でやり続けるのか、人を増やしていくのかは、ずっと考えていますね。
お客さまに質の高い法的サービスを提供して喜ばれるやりがいは、日々感じているものの、今の働き方は、自分が手を動かさないとすべてが止まってしまうので、それをこの先数十年も続けることに不安がないわけではありません。もう少し効率化して、経営や次の展開を考える時間を作りたいとは思っています。
小規模でも無理なくチームで回していける事務所、いわば「ミニベリーベスト」のようなイメージはありますが、実際にそこまでやるかどうかは、まだ悩んでいるところです。
もし修習生に戻って就職活動をするとしたら、私はもう一度ベリーベストを選ぶと思います。
当時、自分が選べる範囲の中では、一番良い事務所だったと今でも感じています。
幅広い分野を経験できますし、働き方の自由度も高く、組織体制も安定しているので、多くの人にとって、魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。