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    2023年09月07日
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    2023年09月07日
    リフォーム業者によるひどい施工ミス|対処方法を弁護士が解説
    監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
    リフォーム業者によるひどい施工ミス|対処方法を弁護士が解説

    「快適な自宅にするために、せっかく取り組んだリフォームだったのに、仕上がりがひどすぎる」「リフォーム業者の施工ミスに対して、どうしてよいのかわからない」

    このように、依頼をしたリフォーム業者によっては、希望どおりの施工にならなかったり、ひどい仕上がりになってしまったりすることもあります。ひどい施工ミスが発覚した場合には、どのような方法で施工業者の責任を追及することができるのでしょうか。

    本コラムでは、リフォーム業者によるひどい施工ミスが発覚した場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、リフォーム業者による施工トラブルは少なくない

リフォーム業者による施工トラブルは増加傾向にあり、決して珍しいものではありません。

  1. (1)住宅のリフォームとは

    住宅のリフォームとは、一般的に、居住している住宅を補修したり改修したりする改装工事のことをいいます。


    <代表的な住宅リフォームの種類>
    • 内装リフォーム
    • 外装リフォーム
    • リノベーション工事
    • スケルトンリフォーム
    • 増改築
    • 耐震リフォーム
    • バリアフリーリフォーム


    上記のとおり、住宅のリフォームには、一部のみの小規模リフォームから骨組みだけを残した大規模リフォームまで、さまざまな種類があります。そのため、その種類に応じて、さまざまな施工トラブルが生じる可能性がある点に注意が必要です。

  2. (2)リフォームに関するトラブルの例

    リフォーム工事は、新築住宅のような規制が乏しく、リフォームに関するトラブルは増加傾向にあります。

    「住宅相談統計年報2022」によると、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられた、トラブルに関する相談件数のうち、リフォーム相談に関するものは、令和3年度は7478件でした。また、独立行政法人国民生活センターに寄せられた、訪問販売によるリフォーム工事についての相談件数は令和2年度が8785件であったのに対し、令和3年度が9753件と、増加傾向にあることがわかります。


    <リフォームによる不具合として多く相談されるものの例>
    • 雨漏り
    • はがれ
    • ひび割れ
    • 性能不足
    • 汚れ
    • 変形
    • 漏水
    • 排水不良
    • 作動不良
    など

    参考:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2022」

2、リフォーム業者によるひどい施工ミスへの対処法

リフォーム業者によるひどい施工ミスが判明したとき、考えられる対処法について紹介します。

  1. (1)リフォーム完了前の対処法

    リフォーム工事中に、以下のような施工ミスが判明することがあります。


    • 壁紙や床の色が間違っている
    • 風呂やキッチンのグレードが間違っている
    • コンセントの位置や数が異なっている
    • 壁や床を傷つけられた
    • 家具や家電を壊された
    • 図面と寸法が異なっている


    リフォーム工事の途中に欠陥が発覚したときは、すぐにリフォーム業者に連絡して、契約内容に合うように直してもらいましょう。

    すぐに業者への連絡が推奨される理由としては、施工が進むにつれて、欠陥部分などの不具合確認やり直しが難しくなる場合があるからです。そうなってしまうと、問題のない部分や部材を破壊する形で確認しなければならなくなり、さらに修繕が必要になる可能性もあります。

  2. (2)リフォーム完了後の対処法

    リフォーム工事中には気付かなかったものの、リフォーム工事後の自宅で生活をしている際に、以下のような施工ミスが判明することがあります。


    • 屋根や天井からの雨漏り
    • 外壁のはがれやひび割れ
    • 給湯器の作動不良
    • 排水溝の排水不良
    • 断熱材の欠損
    • 床の傾き


    このような施工ミスが判明した場合には、リフォーム業者に対して、契約不適合責任を追及できる可能性があるため、まずは弁護士に相談をするようにしましょう。

    その際には、問題となる箇所について写真撮影をするなどして、証拠となるものを確保しておくとよいでしょう。問題となる箇所だけでなく、周辺部分や関連部分についてもさまざまな角度から写真を撮っておけば、後日、役に立つことがあります

3、契約不適合責任|リフォーム業者に責任追及できること

ひどい施工ミスをしたリフォーム業者に対しては、契約不適合責任を追及できる可能性があります。

  1. (1)契約不適合責任とは

    契約不適合責任とは、売買契約や請負契約に基づいて引き渡された目的物の種類・数量・品質に関して、契約内容との相違があった場合に、売主(施工業者)が負う法的責任のことです。

    リフォーム工事は請負契約となりますので、リフォーム業者の施工ミスによって、壁紙の種類が異なっていた、収納棚の棚板の枚数が不足していた、床材のグレードが異なっていたなどの契約内容との相違が生じた場合には、施主は、リフォーム業者に対して、契約不適合責任を追及することができます。

    なお、契約不適合責任は、令和2年4月施行の改正民法によって定められた制度であり、以前は、「瑕疵(かし)担保責任」という名称でした。

  2. (2)契約不適合責任として請求する4つの手段

    リフォーム工事の内容が契約内容と相違している場合には、以下の4つの手段により、リフォーム業者の法的責任を追及することができます。


    ① 追完請求
    追完請求とは、引き渡された目的物に契約内容と適合しない部分がある場合に、目的物の修補・代替物の引き渡し・不足分の引き渡しなどの方法によって、完全な給付を求めることをいいます。

    追完方法として、どのような方法をとるかは、施主に委ねられていますが、施主に不相当な負担を課すものでなければ、リフォーム業者は、施主が指定した方法と異なる方法で追完することも可能です。

    なお、契約不適合が施主の原因で生じたものである場合には、追完請求をすることはできません。

    ② 代金減額請求
    代金減額請求とは、引き渡された目的物に契約内容と適合しない部分がある場合に、その不適合の程度に応じて、契約代金の減額を求めることをいいます。

    代金減額請求をするときには、相当期間を定めて追完の催告をし、その期間内に履行の追完がない場合に行うことができますが、リフォーム業者が追完を拒絶する意思を示した場合やそもそも追完が不可能なケースでは、催告なく代金減額請求をすることが可能です。

    なお、契約不適合が施主の原因で生じたものであるとき、代金減額請求はできません。

    ③ 損害賠償請求
    契約内容に適合しない目的物を引き渡されたことにより、施主が損害を被った場合には、リフォーム業者に対して、損害賠償請求を検討しましょう。

    ただし、損害賠償請求をするためには、リフォーム業者に責めに帰すべき事由があることが要件となるため、契約不適合があれば必ず損害賠償請求をできるわけではありません

    ④ 契約の解除
    リフォーム業者に対して、相当期間を定めて追完の催告をしたものの、その期間内に追完がない場合、施主はリフォーム工事の契約を解除することができます。リフォーム業者が履行の追完を拒絶する意思を示した場合やそもそも追完が不可能な場合には、催告なく解除することも可能です。

    ただし、契約不適合の程度が社会通念上、軽微なものと判断される場合には、解除までは認められません。

4、リフォーム業者に責任を追及するときの流れ

ひどい施工ミスをしたリフォーム業者の責任を追及する流れは、以下のとおりです。

  1. (1)施工ミスなどの証拠収集

    リフォーム業者による施工ミスが判明したら、ひどいことになっている該当箇所の写真撮影をするなどして、施工ミスの証拠を収集しておきましょう。

    住宅のリフォームでは、施工ミスがあったとしても、壁などで覆われてしまえば、後から確認するのが困難になります。そのため、リフォーム工事中は、施工ミスの有無にかかわらず、施工状況の写真撮影をしておくとよいでしょう。

  2. (2)弁護士に相談

    リフォーム業者に施工ミスの責任を追及するためには、契約不適合があるかどうかが重要となります。契約不適合の有無は、法的判断が必要な事項であるため、まずは弁護士に相談するようにしましょう。

    弁護士に相談をすれば、契約書や実際の施工状況などを踏まえて、リフォーム業者の責任追及が可能かどうかを判断してもらうことが可能です。

  3. (3)リフォーム業者と交渉

    リフォーム業者に対して、契約不適合責任の追及が可能なケースについては、まずはリフォーム業者との話し合いにより問題の解決を図ります。

    リフォーム業者との交渉は、施主が個人で対応することもできますが、専門的知識がなければ適当にあしらわれてしまうおそれがありますので、弁護士に交渉を依頼するのがおすすめです。弁護士であれば、適切な解決に導くため、施主に代わってリフォーム業者の法的責任を追及していくことができます。

  4. (4)調停

    リフォーム業者との話し合いで解決ができない場合には、後述する訴訟により解決を図る方法もありますが、その前に調停の申し立てをすることが有効な場合もあります。

    調停は、話し合いによってお互いに譲歩して問題解決を図る方法で、調停委員という第三者が間に入るため、当事者だけで話し合いをするよりも解決できる可能性が高くなります。

    話し合いにより解決できる余地があるのであれば調停を利用した方が、解決までの期間を短くすることができる場合もありますので、検討しましょう。

  5. (5)訴訟

    話し合いでの解決が困難な場合には、最終的に裁判所に訴訟提起をし、問題の解決を図ります。裁判では、施主の立場として、目的物に契約不適合が生じていることや損害の発生などを主張立証していかなければなりません。

    証拠に基づいて法的主張を展開していく必要があるため、専門的知識がなければ適切に対応することが困難といえます。訴訟手続きは、弁護士のサポートが不可欠といえるでしょう。

5、まとめ

リフォーム業者にリフォーム工事を依頼したところ、ひどい施工ミスが判明したという場合には、リフォーム業者に対して、法的責任を追及できる可能性があります。

法的責任の追及をするには、契約内容に適合しない状態であることを立証していく必要があり、弁護士のサポートが不可欠です。

リフォーム業者のひどい施工ミスでお困りの方は、まずは、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。知見のある弁護士が親身になって、解決に向けたサポートをいたします。

監修者情報
萩原達也 代表弁護士
萩原達也 代表弁護士
弁護士会:第一東京弁護士会
登録番号:29985
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
建築問題の解決実績を積んだ弁護士により建築訴訟問題専門チームを組成し、一級建築士と連携して迅速な問題解決に取り組みます。
建築トラブルにお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

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