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    公開日:2026年10月07日
    更新日:2026年10月07日
    知らないと危険! 第三者管理方式のトラブルと解約時の注意点を解説
    監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
    知らないと危険! 第三者管理方式のトラブルと解約時の注意点を解説

    マンションの「第三者管理方式」は、区分所有者の高齢化や理事のなり手不足の問題を解決し得る管理方法です。特に投資用にマンションを購入して遠方に住んでいる人や、数年ごとに理事を務めるのが負担だと感じている人には、第三者管理方式を導入するメリットが大きいと考えられます。

    その一方で、第三者管理方式を導入しているマンションでは、利益相反や不透明な運営など、トラブルが生じるおそれが指摘されています。管理会社を変更しようと思っても、管理契約を解約するまでには複雑な手続きを要します。弁護士のサポートを受けながら、できる限りスムーズなトラブルの解決を目指しましょう。

    本記事ではマンションの第三者管理方式について、概要やメリット・デメリット、起こりやすいトラブル、管理契約を解約する手続きの流れなどをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、第三者管理方式とは? 理事会方式との違いも解説

マンションの管理方法は、区分所有者が理事を務める理事会で決定するのが一般的です(=理事会方式)。しかし近年では、管理者業務を外部専門家や管理会社に担わせる「第三者管理方式」が広まっています。

  1. (1)マンションの第三者管理方式とは

    「第三者管理方式」とは、第三者を管理者等に選任し、規約・総会決議の範囲で管理業務を担わせる方式です。「外部管理者方式」と呼ばれることもあります。

    具体的には、次の方式などが見られます。

    • 管理会社の社員が理事となり、区分所有者とともに理事会を運営する
    • 管理会社の社員が理事長または管理者となり、マンションの運営を主導的に行う一方で、区分所有者が理事や監事としてその業務を監視する
    • 管理会社の社員が理事または管理者となって理事会を廃止し、区分所有者の集会や監事が管理者の業務を監視する
  2. (2)第三者管理方式と理事会方式の違い

    以前からよく見られる、区分所有者で構成される理事会がマンションの運営に関する意思決定を行う形は「理事会方式」と呼ばれています。

    第三者管理方式と理事会方式の大きな違いは、マンション管理組合の運営主体が誰であるかという点にあります。

    理事会方式では、区分所有者の中から選ばれた理事が、合議によってマンションの管理方針や予算、修繕工事などの重要事項を検討・決定します。区分所有者が主体的に管理に関与できる一方で、理事などの負担が大きいのが難点です。

    これに対して第三者管理方式では、外部専門家や管理会社がマンションの運営に関する意思決定を行います。区分所有者の負担が軽減される一方で、マンションの運営を担う第三者に対する適切な監視が求められます。

  3. (3)第三者管理方式の導入が増えている理由

    第三者管理方式を導入するマンションが増えている理由としては、主に次の3つが挙げられます。

    ① 区分所有者の高齢化
    高齢者は健康上の理由から、理事や監事への就任を敬遠しがちであるため、区分所有者の高齢化が進行している場合は第三者管理方式となる可能性もあります。

    ② 投資目的による区分所有者の増加
    投資用物件としてマンションを購入した人は、自分はそのマンションに住まないので、理事や監事の役割を果たすことが難しい場合もあります。投資目的の区分所有者が多い場合は、第三者管理方式が有効な選択肢となり得ます。

    ③ マンション管理の複雑さ・困難さ
    マンション管理に関する法律のルールは複雑であり、中長期的な修繕計画などについても専門的な検討が求められるため、知見を有する管理会社などに任せた方がよいと考える人が増えています。

2、第三者管理方式のメリット・デメリット

第三者管理方式には、メリットとデメリットの両面があります。従来の理事会方式がよいか、それとも第三者管理方式の方がよいかは、メリットとデメリットを総合的に考慮して判断してください。

  1. (1)第三者管理方式のメリット

    第三者管理方式の大きなメリットは、区分所有者の負担が軽減される点です。理事や監事の業務が少なくなり、選任する人数も抑えられるので、高齢者や遠方居住の区分所有者が多い場合などに適しています。

    また、マンション管理の専門家による安定した運営が期待できる点や、管理会社主導で日常的な管理業務について迅速な対応が期待できる点なども、第三者管理方式のメリットといえます。

  2. (2)第三者管理方式のデメリット

    第三者管理方式のデメリットとしては、従来方式に比べて費用が増加する可能性がある点が挙げられます。管理会社に多くの業務を任せるため、その分管理費用が高くなります。

    管理会社に対する監視を適切に行わないと、区分所有者の利益を犠牲にして自社や取引先の利益を増やす利益相反行為がなされることも懸念されます。
    また、区分所有者がほとんどマンション運営に関与しないので、管理の形態が変わった際にノウハウが失われてしまいやすい点にも注意が必要です。

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3、第三者管理方式のマンションで起こりうるトラブル

第三者管理方式のマンションでは、次に挙げるようなトラブルが発生する可能性があります。区分所有者は、第三者管理方式の導入時においてそのリスクに留意するとともに、導入後はできる限りトラブルが発生しないように監視等を行うことが重要です。

  1. (1)管理会社による不透明な運営

    第三者管理方式では、管理会社が管理者などとして意思決定を行います。区分所有者側からは、管理会社による意思決定の過程が見えにくくなりやすい点に注意が必要です。

    管理会社の説明や情報開示が不十分な場合、区分所有者が管理の状況を十分に把握できず、不信感やトラブルにつながるおそれがあります。

  2. (2)修繕工事に関する利益相反

    マンションの修繕工事を発注する際にも、第三者管理方式の場合は、管理会社が選定に大きく関与することがあります。このとき管理会社は、区分所有者よりも、自社や関連会社、取引先などの利益を重視し、結果として割高な発注に繋がるというケースがあります(=利益相反行為)。

    管理会社による利益相反行為を防ぐため、区分所有者は管理会社を適切に監視することが大切です。

  3. (3)管理費や修繕積立金の不適切な使用

    第三者管理方式のマンションでは、管理費や修繕積立金の管理・使用についても、管理会社が一定の裁量を持っています。区分所有者による監視が不十分だと、管理会社によって管理費や修繕積立金が不適切な形で使われてしまうおそれがあります。

  4. (4)「無関心層」の増加による機能不全

    第三者管理方式を健全に機能させるためには、区分所有者が管理会社を適切に監視することが必要不可欠です。

    しかし第三者管理方式の場合、専門家に任せているという安心感から、区分所有者の間でマンションの管理に関心を持たない人が増えてしまう傾向にあります。その結果、管理会社によって不適切な行為がなされるリスクが高まってしまいます。

  5. (5)管理契約を解約することの難しさ

    管理会社に不適切な行為が見られる場合は、管理会社の変更を検討すべきです。

    しかし、管理契約を解約する手続きは複雑であるうえに、契約条項によっては一定の予告期間や違約金が定められている場合があります。管理会社の変更は、それほど簡単ではないことに十分注意してください。

4、第三者管理方式でトラブルが起きたとき、管理契約を解約する際の流れ

第三者管理方式につき、管理会社の責任によってトラブルが生じたときは、管理契約を解約して管理会社を変更することが考えられます。その場合は、次の流れで対応を進めましょう。

  1. (1)管理契約や規約の確認

    まずは管理契約や管理規約を調べて、次の条件などを確認しましょう。

    • 管理契約を解約できる条件
    • 解約に必要な手続き(事前通知など)
    • 解約時の違約金の有無、金額
    など
  2. (2)集会の招集

    管理会社の変更(管理契約の解約)は、区分所有者の集会において決議します。

    区分所有者が管理会社に招集を請求しても、管理会社が招集しない場合には、請求者が招集します。
    原則として、頭数と議決権のいずれも5分の1以上を占める区分所有者が共同して招集を請求する必要がありますが、規約によって定数を減らすことができます(区分所有法第34条第3項)。

    集会の開催日よりも1週間以上前(規約でより長い期間が定められている場合は、その期間以上前)に、各区分所有者に対して集会の招集通知を発します。招集通知には、会議の目的たる事項と議案の要領を示さなければなりません(同法第35条第1項)。

  3. (3)管理者・理事の変更決議

    集会において、管理契約の解約と、管理者を現在の管理会社から別の者へ変更する旨を決議します。理事に管理会社の社員が入っている場合は、その理事の解任も決議します。

    これらの決議を行うためには、原則として、出席した区分所有者の頭数と議決権の過半数の賛成が必要です。ただし規約に別段の定めがある場合は、その定めに従います(区分所有法第39条第1項)。

    なお、規約において管理者の名称(個社名)が明記されている場合は、規約の変更が必要になります。規約の変更決議には、定足数として区分所有者・議決権の各過半数、賛成数として集会に出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上が必要です(同法第31条第1項)。

    集会の議事が完了したら、その内容をまとめた議事録を作成しなければなりません(同法第42条)。

  4. (4)管理会社に対する解約通知・契約終了

    集会での決議に従い、管理会社に対して管理契約の解約通知を送付します。管理契約等で定められた条件を満たし、かつ必要な手続きが完了した段階で、管理契約が終了します。

5、第三者管理方式のトラブルは弁護士に相談を

マンションの第三者管理方式についてトラブルの予防や解決を図るためには、なるべく導入時に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士は第三者管理方式の導入時において、管理契約や規約の内容を慎重にチェックします。たとえば、解約条項や違約金の妥当性などを確認し、将来のトラブルの予防につながるアドバイスをいたします。

万が一トラブルが発生しても、弁護士にご依頼いただければスムーズかつ適切な形での解決が期待できます。管理契約や規約の内容を踏まえて管理会社と交渉し、必要な手続きを漏れなく進めて、1日も早い解決をサポートいたします。

ベリーベスト法律事務所は、マンション管理に関するトラブルのご相談を随時受け付けておりますので、いつでもご相談ください。

監修者情報
萩原達也 代表弁護士
萩原達也 代表弁護士
弁護士会:第一東京弁護士会
登録番号:29985
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建築問題の解決実績を積んだ弁護士により建築訴訟問題専門チームを組成し、一級建築士と連携して迅速な問題解決に取り組みます。
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