【ニュース解説】中皮腫で亡くなった場合の損害賠償請求は、「亡くなった日から20年間可能」と東京地裁が判断
- アスベスト健康被害
アスベスト健康被害に関する損害賠償請求は20年間可能ですが、いつから数えて20年とするかが問題となるケースがあります。
本事案は当事務所が原告代理人となり、遺族側の「亡くなった日から20年間は損賠賠償請求可能」という主張が認められたものです。
ニュース概要
現在、アスベストに関しては健康被害にあった方々から国に対する損害賠償請求が数多く起こされています。
この中でよく問題となっているのが「時効」です。アスベスト健康被害訴訟ができる期間は20年間です。この「20年」はいつから数えて20年間となるか、が複数の訴訟で争点となっています。
長年勤務した新潟の造船工場でアスベストを吸い込み、2002年に中皮腫と診断され2003年に亡くなった男性の遺族が、亡くなってから20年が過ぎる直前の2023年に、国に対して損害賠償請求を起こしました。
この事案でも時効が争点となり、遺族側は亡くなった日から20年は損害賠償請求ができると主張し、国側は中皮腫で損害賠償請求できるのは、診断された日(発症した日)から20年のため、時効が成立していると主張しました。
東京地裁はこの事案について、
- 中皮腫の発症が原因の損害と、中皮腫で亡くなり「人生そのものを奪われる」損害は質的に違うこと
- 遺族はご家族が亡くなってはじめて、死亡による損害賠償請求権を得ること
を指摘し、時効は亡くなった日から始まるとしました。
アスベスト専門チーム所属弁護士が、ニュースのポイントを解説
本事案は、当事務所が原告代理人となった事案です。
この裁判において、当事務所は中皮腫という病気から発生する苦しみと、中皮腫でお亡くなりになった苦しみとは全く別物であることや、発症時を時効が始まる日とすれば、亡くなった苦しみに対して賠償を求める機会がご遺族から失われることを主張しました。
本判決では、その主張が認められ、亡くなった方とご遺族の救済に道筋をつけることができました。
少し前にさかのぼることになりますが、当事務所が原告代理人となった裁判で、2026年2月13日にも同様の判決を得ており、今回は2回目の勝訴となります。
しかし、2025年7月には高松高等裁判所が「時効が始まったのは「発症した日」から20年である」という判断を出しており、事案により司法の判断は分かれています。当事務所は、引き続きアスベスト健康被害者とそのご遺族に寄り添い、適切な損害賠償を求めていきます。
アスベスト健康被害を受けたかも、と思われる方はお早めにご相談ください。本件は時効直前に提訴し勝訴判決を得ることができましたが、相談するか悩まれているうちに救済を受ける機会がなくなってしまう可能性もあります。アスベスト健康被害に関するご相談・調査はいつでも無料、電話やZOOMでのご相談も可能です。ぜひお気軽にご連絡ください。
| 本件を担当した弁護士 |
|---|
| 佐藤 舞 弁護士(東京弁護士会所属) 菅原 繁男 弁護士(第一東京弁護士会所属) |
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