独占禁止法とは、力の強い事業者による市場の独占や、他の事業者に対する不当な拘束を排除し、公正で自由な競争を促すことを目的とした法律です。
独占禁止法は、以下のような行為を禁止しています。
●私的独占
不当な低価格販売によって競争相手を排除したり、株式取得などによって競争相手を支配したりする行為が、一律で禁止されています。
●不当な取引制限
カルテルや入札談合が一律で禁止されています。
●企業結合
株式保有や合併などによって、複数の企業が実質的に一体化(グループ化)することは、事業支配力が過剰に集中することになったり、一定の取引分野での競争が実質制限されたりする場合には、禁止されています。
●独占的状態
市場規模が年間1000億円超の事業分野につき、一部の企業による独占または寡占の状態が生じている場合は、その状態の解消を命じられることがあります。
●不公正な取引方法
特定の事業者との取引を共同で拒絶すること、差別的な対価を設定すること、不当にものを安く売る、再販売価格を決めてしまう、相手が逆らえないと思って権利を濫用することなどが禁止されています。
独占禁止法に違反した事業者は、公正取引委員会から排除措置命令や課徴金納付命令を受けることがあるほか、刑事罰や過料の制裁を受ける可能性もあります。
なお、国土交通大臣・都道府県知事は、建設業者が建設業法に違反し、かつその違反事実が不公正な取引方法にあたると認めるときは、公正取引委員会に対して排除措置命令等の措置を求めることができます(建設業法第42条第1項、独占禁止法第19条)。