建築工事の不履行を理由に、発注者(注文者)から一方的に契約解除を通告された場合、受注者(請負人)には慎重な対応が求められます。
解除の要件と可否を確認したうえで、金銭的な請求の準備を進めましょう。弁護士のサポートを受けながら対応することをおすすめします。
本記事では、工事の不履行を理由とする解除の種類と要件、契約解除された受注者がとるべき対応などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
発注者から契約解除を通知されたときは、任意解除と債務不履行解除のどちらに当たるかを確認したうえで、その後の対応方針を検討しましょう。
発注者による一方的な工事請負契約の解除は、主に「任意解除」と「債務不履行解除」の2つに分類されます。
工事の不履行を理由とする解除は、債務不履行解除に当たります。債務不履行解除は、次の要件を満たす場合に認められます。
「債務不履行」とは、契約に基づいて負う義務を果たさないことを意味します。法律上は、次の3つに分類されます。
債務不履行解除は民法上、不履行が軽微なものである場合には認められないことになっています。
たとえば工期が少し遅れただけ、あるいは修繕が容易な程度の契約不適合があったにすぎないといったケースでは、不履行は軽微であると考えられるため、債務不履行解除は認められないでしょう。
これに対して、工事の完成が実務上困難である場合や、重大な施工不備が発覚した場合などには、債務不履行解除が認められる可能性が高いです。
なお、不完全履行の一種である契約不適合を理由とする解除が認められるのは、原則として契約不適合責任の有効期間内に限られます。
民法上の有効期間は発注者が契約不適合を知った時から1年以内とされていますが(民法第566条)、契約書の定めによって修正されているケースもあるのでご注意ください。
受注者が発注者から契約解除の通知を受けたときは、まず任意解除と債務不履行解除のどちらであるのかを確認します。そのうえで、弁護士に相談しながら次のポイントについて検討し、対応の方針を定めましょう
任意解除は仕事が完成するまでの間であれば認められるため、解除の効力自体を争うことは難しいでしょう。
しかし任意解除の場合、受注者は発注者に対して損害賠償を請求できます。請求できる損害賠償の額は、次の式によって計算します。
また、工事請負契約に違約金の定めがある場合は、それに従って違約金を請求できることもあります。
任意解除の通知を受けたときは、損害賠償請求や違約金請求について検討しましょう。
債務不履行解除は、1章で解説した要件を満たす場合に限り認められます。
発注者から解除通知を受けたら、まず債務不履行解除の要件を満たしているかどうか確認しましょう。
催告が適切に行われたか、不履行が軽微なものではないか、契約不適合責任の有効期間が経過していないかといったポイントを、弁護士に相談しながらチェックします。
もし要件を満たしていなければ、解除は認められない旨を主張して争うことが考えられます。
また、工事請負契約が債務不履行解除された場合でも、受注者は発注者が受ける利益(出来高)の割合に応じて報酬を請求できる可能性があります(民法第634条第2号)。
出来高報酬の請求についても、弁護士に相談しながら検討しましょう。
工事の不履行を理由に契約を解除された場合、受注者は請負代金を回収できなくなることに加えて、発注者から損害賠償を請求されるおそれがあります。
受注者としては、自社の損害を最小限に食い止めつつ、可能であれば損害を回復するための対応を行わなければなりません。
工事についてトラブルを抱えている受注者(施工業者)は、速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士に相談することの主なメリットは、次のとおりです。
ベリーベスト法律事務所には、建築訴訟の知見を有する弁護士が在籍しておりますので、工事に関するトラブルが発生したらお早めにご相談ください。
工事の不履行を理由に発注者から契約解除を通知された場合、未払いの請負代金や損害賠償などを巡って深刻なトラブルに発展する可能性があります。
受注者としては、自社の損害を最小限に食い止めるための対応を行わなければなりません。法的な観点から適切に対応するためにも、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所は建築訴訟専門チームを設け、工事に関するトラブルのご相談を随時受け付けております。契約解除を巡る発注者とのトラブルは、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。


