建設業法とは、建設工事の適正な施工の確保や発注者を保護することで、建設業の健全な発展の促進を目的とする法律です。建設業法は、建設業に携わる施工業者にとって重要な法律になりますので、その内容をしっかりと理解しておくことが大切です。
建設業法による規制は多岐にわたりますが、大きく分けて、「建設業の許可制」、「建設工事の請負契約に関する規制」、「主任技術者・監理技術者の設置」という3つのルールが定められています。まずは、この3つの基本的なルールを押さえておきましょう。
今回は、建設業法の概要と基本的な3つのルール、建設業法に違反した場合の罰則について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
建設業法とはどのような法律なのでしょうか。以下では、建設業法の概要と基本的な3つのルールを説明します。
建設業法とは、建設工事の適正な施工の確保や発注者を保護することで、建設業の健全な発展の促進を目的とする法律です。
建設工事に携わる施工業者にとって、建設業法は重要な法律になります。建設業法の内容を理解していなければ、建設業法違反による監督処分や刑事罰を受けるリスクがありますので、しっかりと押さえておきましょう。
建設業法では、さまざまな規制が定められていますが、大きく分けて以下の3つのルールに分類されます。
この3つの基本的なルールは、建設業に携わる施工業者が押さえておくべき重要なポイントになりますので、以下で詳しくみていきましょう。
建設業法の基本的なルールの1つ目は、「建設業の許可制」です。
建設業を営むには、国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要になります。
これは、手抜き工事や粗雑工事による不正工事を防止し、施工業者の倒産などのリスクから発注者を保護することが目的です。
ただし、以下の軽微な工事については、建設業許可がなくても建設工事を行うことができます。
建設業の許可は、下請契約の有無および金額に応じて、一般建設業と特定建設業の2種類に分けられます。
建設業の基本的なルールの2つ目は、「建設工事の請負契約に関する規制」です。規制内容は多岐にわたりますので、以下ではそれぞれの規制のポイントを説明します。
建設工事の請負契約では、建設業法19条で定められた、工事の内容や請負代金などの事項を定める必要があります。
建設工事の請負契約の当事者である施主と施工業者は、建設業法で定められた一定の事項を記載した契約書面を作成し、お互いに署名または記名押印をして交付しなければなりません。
施工業者は、工事現場に現場代理人を置く場合、以下について書面などにより通知する必要があります。
建設業法では、注文者の以下のような行為が禁止されています。
建設業者は、請負契約を締結する際に、工事の種別ごとの材料費、労務費その他の経費の内訳、工事の工程ごとの作業、準備に必要な日数を明らかにして、工事について見積もりをするよう求められています。
また、施主から請求があったときは、請負契約締結前に見積書を交付しなければなりません。
建設工事に関して、以下のような事象が生じ、工期などに影響を及ぼすおそれがある場合、施主は、施工業者に対し、請負契約を締結するときまでに、その旨および事象の状況把握に必要な情報を提供する必要があります。
請負契約において、請負代金の全部または一部を前払いにする場合に、施主は、施工業者に対して、前金の支払いより前に保証人をつけるよう要求することができます。
ただし、工事1件あたりの請負代金が500万円未満の場合または保証事業会社による工事は対象外です。
施工業者は、施主から請け負った建設工事を一括して他人に請け負わせることはできません。
建設工事について下請負人が著しく不適当だと認められる場合、施主は、施工業者に対して、下請負人の変更を請求することができます。ただし、あらかじめ施主の書面等による承諾を得て選定した下請負人については、変更することができません。
施工業者は、建築士から設計図書に従って工事を実施するよう求められたにもかかわらず、設計図書に従わない理由がある場合、直ちに施主に対して、その理由を報告する必要があります。
建設業法では、元請負人に対し、下請請負人への指導、下請代金の支払い、見積条件の提示などの義務が課されています。
建設業法の基本的なルールの3つ目は、「主任技術者・監理技術者の設置」です。
建設業法では、工事現場において、建設工事の内容に合致した所定の資格や経験を有する技術者を設置することが義務付けられています(建設業法26条)。
これは、建設工事を適正に実施するために義務付けられているものであり、技術者は、施工計画の作成、品質確保、工程管理、施工に従事する人への技術上の指導などを行う必要があります。
建設業法で設置が義務付けられている技術者には、「主任技術者」と「監理技術者」の2種類があります。
以下では、建設業法違反にあたるケースと建設業法違反があった場合の罰則について説明します。
一例として以下のようなケースが建設業法違反にあたります。
建設業法違反があった場合、監督行政庁からの監督処分や刑事罰が科されるリスクがあります。
建設業を営む施工業者に対しては、建設業法上、さまざまな規制が適用されますので、違反することがないよう正しく理解しておくことが重要です。
弁護士は法令にのっとった体制整備などのアドバイスや、万が一違反してしまった場合にも対応についてのアドバイス・サポートが可能です。建築トラブルの解決には弁護士のサポートが有効ですので、まずは弁護士にご相談ください。
建設業法に関する相談ができる弁護士をお探しの建設業者の方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。