中国人弁護士(律師)コラム

中国民事訴訟100問答(その1)

Q1:外国人、外国企業は中国民事訴訟の主体になれますか。

A1:中国の「民事訴訟法」(1991年4月9日施行、2012年8月31日第二次改正、以下「民訴法」とします)第5条によると、外国人、無国籍者、外国企業及びその他の組織は、中国民事訴訟上、中華人民共和国の公民、法人及びその他の組織と同等の地位を有し、中国の人民法院(裁判所のこと)において提訴し、または応訴することができます。

同等原則

  • 外国人、無国籍者、外国企業及びその他の組織は、中国の実体法及び手続法の規定に従い、中国公民、中国企業(外商投資企業を含む)及びその他の組織と同等の民事訴訟上の権利義務(訴訟権利能力及び訴訟行為能力を含む)を有します。

ただし、外国の裁判所が中国公民、法人及びその他の組織に対して民事訴訟上の権利を制限する場合、中国の人民法院は、当該外国の公民、法人及びその他の組織に対しても同等の制限を加えます(いわゆる「対等原則」)。

もっとも、人民法院は、公民の間、法人の間、その他の組織の間、及びこれらのものの間の財産関係及び身分関係により提起される民事訴訟を受理し(民訴法第3条(適用範囲))、中国領域内で民事訴訟を行う場合、全て「民訴法」が適用されます(民訴法第4条(適用領域))。

したがって、中国領域内で財産関係及び身分関係により提起される民事訴訟の主体として、外国人、無国籍者、外国企業及びその他の組織が、中国公民、中国企業(外商投資企業を含む)及びその他の組織と同等の訴訟上の地位を有し、「民訴法」が適用されます。

ちなみに、外交上の特権及び免除権を有する外国人、外国組織または国際組織については、中国の外交・領事特権及び免除権に関する法律、中国が締結しまたは参加している国際条約の規定に基づき、中国民事訴訟の主体になれない場合があります。

注意点

「一国両制」を実施する地区(たとえば、香港特別行政区)については、特別法の規定に従い、「民訴法」が適用されません。たとえば、外国人、無国籍者、外国企業及びその他の組織が香港特別行政区において提訴し、または応訴する場合、香港現地の民事訴訟関係法律が適用されます。