中国人弁護士(律師)コラム

中国民事訴訟100問答(その10)

Q10:中国では合意で管轄を選択することができますか。

A10:「民訴法」第34条によると、契約またはその他の財産権益に関わる紛争の当事者は、書面により人民法院の管轄を選択することができます。但し、「民訴法」上の審級管轄及び専属管轄に関する規定に違反してはなりません。

合意管轄

  • 契約またはその他の財産権益に関わる紛争のみが合意で管轄を選択することができます。たとえば、身分関係の紛争の場合、合意管轄が適用されません。
  • 被告の住所地、契約履行地、契約締結地、原告の住所地、目的物の所在地等の紛争と実際に関係を有する場所の人民法院の管轄を選択することができます。
  • 書面により管轄を合意しなければなりません。通常は、契約における合意管轄条項、 または訴訟前の管轄選択の書面合意を指します。
  • 審級管轄及び専属管轄に違反してはなりません。

契約当事者の管轄合意が不明確であり、または「民訴法」第34条に定める人民法院のうち2つ以上の人民法院の管轄を選択した場合、当該管轄合意が無効となり、「民訴法」上の契約紛争に関する特別裁判籍の規定が適用されます。すなわち、被告の住所地または契約履行地の人民法院が管轄することになります。

注意点

近年、中国の北京、上海等の大都市の人民法院の裁判官の質がかなり良くなっておりますので、実務上、契約当事者の住所地の人民法院の地方保護主義に関するリスクを回避するために、たとえば、外商投資企業が北京、上海等の大都市に契約を締結し、契約締結地として北京、上海等の大都市の人民法院の管轄を選択することを解決策としております。

重要関係司法解釈

「最高人民法院の『民事訴訟法』の適用の若干問題に関する意見」(1992年7月14日施行、法発[92]22号)第1章(管轄)