ベトナムに法人を設立するには

ベトナムに法人を設立するには

ベトナムに法人を設立するには、企業法(統一企業法)に基づいて組織の形態を選択しなければなりません。
企業法には、①有限会社、②株式会社、③合名会社、④私営会社の4つの形態が規定されています。このうち、外資企業が選択するのは、①有限会社がほとんどです。①の有限会社は、出資者の数に応じて、一人有限会社と二人以上有限会社とに分けられます。企業法には、その他の会社の機関設計(社員総会、株主総会、取締役会など)が規定されています。

ベトナムは、2007 年に WTO(世界貿易機構)に正式加盟し、WTOコミットメントと呼ばれる工程表に則って段階的に外資に対する投資規制を外しています。WTO コミットメントでは、業種ごとに異なる外 資の出資比率規制や、100%外資での法人設立が可能になる時期などが規定されています。 最近のところでは、飲食店について、従来は原則として 100%外資での開業はできませんでしたが、2015年 1月 11日以降は可能になりました。ベトナムで始めようとしているビジネスが、外資規制の対象かどうか、100%外資ではなく現地企業との合弁にする必要があるかどうか、100%外資で開業できる時期はいつかなど、WTO コミットメントをチェックして事業計画を立てる必要があります。

労働法制、会計制度、不動産法制など ベトナムは、市場開放を進めていますが、社会主義国の建前を捨て去ったわけではありません。そのため、法制度上、労働者保護の色彩が強いといえます。たとえば、従業員の有給休暇は勤続 2ヶ月後から 年間 12日取得可能なこと、テト(ベトナム旧正月)前に 1ヶ月の給与分を賞与として支給する慣行、産休は産前産後合わせて6 ヶ月間まで取れることなど、日本の法制とはかなり異なっている点に注意が必要です。

企業会計については、会計法に基づき、ベトナム会計システムと呼ばれる独特の公式経理マニュアルに従わなければなりません。「レッドインボイス(赤領収書)」と呼ばれる政府承認済みの公式領収書でな いと損金として認められないのも独特の方式といえるでしょう。また、外資企業は、設立2年目からは「チーフアカウンタント」という資格を持った会計主任を任命する必要があります(会計主任ポストは、会計事務所への委託が可能です)。
これらの制度も、企業会計について国家で一律の方式をとろうとしていることの表れといえるでしょう。

不動産法制も独特のものがあります。社会主義国ベトナムの土地は、憲法上、国家が統一的に管理するものであるという建前になっています。企業などの組織や個人は、国家から土地の割当てを受け、使用 権を公認してもらいます。土地使用者は使用権を移転することができます。 オフィスや住居については、従来、外資企業には転貸が認められないとされていましたが、2015 年 7月1日施行の改正不動産事業法では外資企業のサブリース業が明記されたため、今後外資企業による不動産事業が活発化するのではないかとみられています。また、外国企業や外国人による住宅購入についても、改正住宅法(これも 2015 年 7月 1日施行)によって規制緩和されるため、外国からの投資が増えるだろうと言われています。

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